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『新卒でコンサルになると最初はPMOをやらされるって本当ですか?』

(このNOTEは3分で読めます。約3,000文字)
就活生とお話していると『新卒でコンサルになると最初はPMOをやらされるって本当ですか?』というご質問を頂くことがよくあります。

『コンサル PMO』と検索エンジンに入力すると予測ワードで『つまらない』が出てきます。せっかくコンサル業界に就職したのに『つまらない』仕事はしたくありませんよね。自分が『つまらない』仕事をやらされてしまう可能性がどのぐらいあるのか知りたくて『新卒でコンサルになると最初はPMOをやらされるって本当ですか?』という質問につながっているのではないかなと推察します。

『新卒でコンサルになると最初はPMOをやらされる』というのは事実なのでしょうか。このNOTEでは、『新卒でコンサルになると最初はPMOをやらされる』ということに関する私の雑感を書きます。

✅1、PMOとは

PMOとは、Project Management Officeの略です。案件によって実施する内容は異なりますが、進捗管理・課題管理・ToDo管理をはじめとした管理系の業務から、必要に応じてプロジェクト内のコミュニケーションルールの作成など、実施する内容は多岐にわたります。議事録作成や日程調整などの雑務もPMOの仕事の1つでもあります。

『PMOが何をやっているか』ということを説明するだけでもかなりの文量になるかと思います。このNOTEでは、ざっくり、プロジェクトマネージャーと一緒にプロジェクト管理を行ったり、雑務をしている人だと捉えていただければ十分です。

PMOについて書かれた記事はあふれるほどありますので、気になる方はググってみてください。


✅2、ある意味でほとんどの企業はIT企業

さて、ここからが本題です。

まずは、世の中の企業はIT企業になっている、ということから話をスタートします。ここでいう世の中の企業とは、コンサルティングファームの顧客となるような比較的規模の大きい企業を指します。

コンサルティングファームに高いコンサルティングフィーを支払うことができる企業はそれなりの人員規模であることが予測できます。

それなりの人員規模の企業である場合、組織運営上、紙ベースで業務をするには限界があります。そのため、システムを入れる場合が多いです。例えば、勤怠管理システムや経費管理システム、顧客管理システムなど様々なシステムが存在します。

多くの企業では、何かしらの情報システムを利用しているかと思います。

企業の組織図を調べてみると、上場企業の多くには情報システム部があります。情報システムを管理すること自体が大きな一つの仕事になっているのです。このことから、業界限らず世の中の企業がIT化しており、その意味でIT企業になっていると言っても差し支えないと思います。


✅3、新システムの導入やレガシーシステムの更改

IT化しているということは、新システムの導入やレガシーシステム(古いシステム)の更改が行われているということです。

システムの導入を実施する場合には導入プロジェクトが立ち上がります。この時、プロジェクトを失敗させたくないという想いから、企業側はプロジェクト管理をコンサルに依頼する場合があります。

大きなシステムの導入はそう頻繁に発生するものではありません。システム導入の経験が乏しい場合は、その経験が豊富そうなコンサルにプロジェクト管理を依頼しプロジェクトの成功率を上げようと考えるわけです。

IT化している企業数が多いということは、それだけシステムの導入プロジェクトが立ち上がっているということです。プロジェクトの母数が増えているため、プロジェクト管理を依頼する企業が増え、結果プロジェクト管理の案件の需要が高まるわけです。


✅4、プロジェクトが多くなればPMOが多くなるのは必然

前述のように、世の中の企業が情報システムを導入すればするほどプロジェクトは多くなります。プロジェクトが増えればプロジェクト管理の案件が増えるのは必然です。

プロジェクト管理の案件がそもそも増えているのであれば、新卒コンサルがそういった案件にアサインされる可能性は当然高まります。

結果、プロジェクト管理の案件にアサインされる人の総量が多く見えるため、『新卒でコンサルになると最初はPMOをやらされ』ていると感じるのかと思います。


✅5、プロジェクト全体を見れるという勉強的側面

新卒でほとんど何も知識がないコンサルがいきなり特定の領域を担当することはハードルが高いと判断された場合、まずは全体像を理解してもらうためにプロジェクト管理の案件にアサインされる場合があります。

少し長くなりますが、その構造を説明します。

プロジェクトの体制図を作るときには、このようにピラミッド構造になる場合が多く、PMOはPMに紐づくような形で、PMと各領域の間で表現されます。

某総合ファームでは、新卒コンサルがPMOをやらさせることに関して、『勉強のために最初はPMOからやることが多い』と就活生に説明していたそうです。ただ、どのような意味で勉強になるかということは説明がなかったそうです。。。

ここでざっくり説明します。PMOはプロジェクト全体の課題管理をすることも仕事の一つです。では、課題はどこから発生するのでしょうか。もちろん、プロジェクト全体の課題としてインフラ系の課題が発生することもありますが、多くは各領域ごとに課題が発生していきます。

体制図では『A領域』『B領域』『C領域』と3つをサンプル的に記載しましたが、例えば、『A領域』が会計領域だったとします。システム導入するにあたって、現状の経費申請における社内規則とシステムにギャップがあることが分かりました。これが1つ課題になります。他にも様々な課題が発生したとします。

PMOはそれらの課題に関して、緊急度や重要度を判断して優先度を決めたりもします。もしくは、各領域のメンバーが優先度を決定したりします。いずれにしても、各領域のメンバーと会話をしてなぜそのような優先度にするかPMOは理解しなければなりません。

この時、その領域の知識がなければ、当然各領域のメンバーと話がかみ合いません。『A領域』のメンバーと話すときは『A領域』の知識がなければ最低限の会話もかみ合わない可能性があるのです。これは『B領域』『C領域』に関しても同様です。

つまり、PMOはざっくりであっても関わる領域についての知識がなければ話にならないわけです。だからこそ、『勉強になる』といえるのです。


✅6、結局は案件による

過去のNOTE記事でも記載したのですが、コンサルは結局案件に依存します。

プロジェクト管理の案件にアサインされたのであればPMOをやることになると思います。一方で、リサーチ系の案件にアサインされればPMOをやることはないでしょう。

規模が大きいコンサルティングファームの場合は本人の意向もある程度尊重されるため、PMOをやりたくないのであれば上司にそれを伝えることもとり得る手段の1つです。


✅7、まとめ

『新卒でコンサルになると最初はPMOをやらされるって本当ですか?』の回答としては、『プロジェクト管理の案件が世の中の情勢的に増えていることが考えられるので、その可能性はあります。ただし、結局はどの案件アサインされるかによります。』という感じでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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