見出し画像

35歳で婚活ウツになった話。

アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーとして、結婚相談所の約3倍の成婚率をたたき出している伊藤友美さん。伊藤さんは9年間の婚活のなかで、36歳になる直前に、中度の【婚活ウツ】になってしまったそうです。

ウツ、と言うとおおげさに聞こえるかもしれないですが、婚活をしてきて、なかなか出会いがなくて婚活につかれたり、嫌になってしまうといった話はよく聞きます。

伊藤さん曰く、婚活を楽しんでいる人は結果が早い、ということなのですが、自分の幸せのために活動しているのに、なぜ、婚活自体がつらくなってしまうのでしょうか?

本日は、その理由を伊藤さんの初めての著書『結局、理想を下げない女(ひと)が選ばれる』の第1章「選ばれたいなら絶対! 理想を下げてはいけない」より、抜粋してご紹介します!

「この人で手を打ちなさい」無言の圧力から逃げた過去

 さて、何歳でも理想通りの男性と結婚する具体的な方法をお伝えする前に、私の長い婚活経験の中でも中度の婚活ウツに陥った経験を書かせてください。
 あなたの婚活経験や現状を思い浮かべながら読んでいただくと理解しやすいと思います。

 35歳で、人生二度目の結婚相談所にお世話になったときのこと。
 実家に帰るたびに両親から遠慮がちに言われた言葉「いい人いないの?」を受けて、再度、結婚相談所での活動を決めました。
 36歳までの1年間の活動で10人以上の方とお会いしましたが、31歳で結婚相談所で活動したときと比べ、会いたい人には会えないことを身をもって感じました。
 
 具体的には、

・自分が会いたいと思って申し込んだ相手(ハイスペックイケメン33歳)からお見合いのOKが出ない
・お見合いのお申し込みは5〜10歳以上年上からがほとんど


 など(年上好きならウハウハだと思うけど私は同年代がよかった)。
 今ならなぜ会いたい人に会えないか明確にわかります。
 理由は単純で、どんな人に出会いたいのか? どんな結婚生活を送りたいのか?を自問することなく、焦りもあったので、申し込みくださった方とやみくもにお見合いしていたから。
 そうです、それまでの婚活とまったく同じことをしていただけでした。
 でも当時は婚活の方法を知らないから仕方ないと思う(笑)。

 しかし当時の私はこうなる理由が「自分の年齢のせい」「自分のスペックが低いせい」だと思い込んでいました。
 それでも活動を続けるうちに、同年代の方からもお見合いの申し込みをいただけたので、積極的にお見合いしました。
 出会った男性は、有名企業にお勤めだったり、誠実で優しいなど、ほとんどが素晴らしい男性でした。
 まだ、人間的に尊敬できないとか感じが悪いとか、断る理由があればよかったのですが、みなさんとても良い人でしたので、
「こんなにいい人なのになぜ好きになれないのかな?」
 と、交際をお断りするたび、自分を責めていました。
 今思うと、私が知らないだけで、実はお相手からもお断りされていたケースもあったと思いますが、自分が断ることで、苦しみが増えていきました。
なぜか苦しいのか? それは「いい人でいたい」という心の底の欲があるからでした。
「いい人でいたいという欲求は、自分かわいさ」ってことです。
 自分の経験があるからこそですが、受講生には「いい人をやめよう」とことあるごとに指導します。

 今でこそ、断ること=単なる自分の意思表示であり、それ以上でもそれ以下でもない、と思っているのですが、とはいえ今も、断る際には申し訳ないな〜と思うこともあります。こう思う人、多いと思います。あなたはいかがですか?(笑)
 婚活で悩んでいた当時は、断ること=悪いことだと思い込んでいたし、断ること=結婚相談所からも悪く思われるのではないか?と恐れていました。
今ならば、そんなことを怖がる必要はないよ、あなたの幸せだけを考えて、と言えるのですが、当時の私にはそれがわかりませんでした。

 交際のお断りが続くと、結婚相談所の方からは「彼は条件もいいし外見も悪くないのになぜ断るの?」と言われました。
 ついに、恐れていた言葉を言われた……。“いい人でいたかった”当時の私にとって、この言葉は本当に苦しかったです。
 でも、後述しますが、結果的にはお断りして正解だったのです。

 そしてもうひとつ、交際をお断りすることでお相手を傷つけるのではないか? 申し訳ない、という気持ち。
 これに関しても、当時は少し大袈裟に考えていました。
 たしかに多少はお相手もショックを受けるかもしれませんが、お付き合いが深まっていない段階ですし、男性は男性でほかにも出会いがありますから、そこまでお相手を心配しなくても大丈夫なんです。男性を弱いものとして見過ぎていたなぁと反省しました。
 男性は傷つきやすい方が多いというのも事実ですが、ずるずるとお断りせずにお付き合いを続ける方が、お相手に対して失礼なのです。
 なぜなら、おそらく好きになれないのに、何度もお会いして好きになろうと努力することは、相手の大切な時間を奪う行為だからです(そもそもだれかを好きになるって、努力で叶うことではありませんよね)。
 大切な時間というのは、私と会っている間に、私よりももっと自分に合う女性と出会うチャンスがあるかもしれない時間のことです。
 一生懸命婚活していると知らずに悪気もなく相手の時間やエネルギーを奪ってしまっていること、あると思います。
 当時はまったく気づけなかったことですが、私は「自分のことばかり」考えていたんですよね。

「いい人でいたい」(嫌われたくない)

 これ、実は“自分”のことばかりに考えがいっていて、相手のことを思いやる心の余地がない状態です。
 私が中度の婚活ウツに陥ったのは、自分かわいさから本音(理想)を言ったら嫌われると萎縮し、「もしも出会えても、理想の人があなたを好きになるわけない」と突き付けられるのが怖くて、本当の自分を出せずに、自分から湧き出る感情を見ないようにフタをしてきたからです。
 思えば本当に、自分のことを見てあげていない時期が長かったです。
 ほかの人にどう思われるかが何よりも大事で、自分の内側ではセルフネグレクトを続けていました。それも限界が来て、ついには結婚相談所からも逃げ出しました(入会して1年経ち、契約更新しなかったというだけなのですが)。

理想を下げるのは「究極の自分いじめ」

 いつから私は、理想を下げないと結婚できないと思い込んだんだろう?
 原稿を書きながら過去を振り返ってみると、先に書いた35歳で結婚相談所に入ったことと、年齢的なプレッシャーがきっかけでした。 
 結婚相談所でもネット婚活でも、写真とプロフィール(年齢・仕事・年収・家族構成・趣味など)でお相手を判断していきます(ネット婚活ではメールのやりとりもしますが)。
 そのとき、どこを見て判断するかというと、プロフィール写真(顔や雰囲気)と年齢なんですよね。これが「良い・悪い」ではなく、わかりやすいからです。
 女性も、男性の写真と年齢と年収などを見ますよね。あと次男かどうかとかね。だから男性だけを責められないんですよ(笑)。
 これまで生きてきた中で出会った人の言葉や、メディアの影響も大きいですね。特にアラフォー・アラフィフ世代は、両親の大半が20代で結婚・出産していることもあり、「これがベストだ」と当然のことのように伝わります。
 私の両親は、口うるさく結婚結婚と言うタイプではありませんでした。そんなことを言ったら私が怒ると思ったからだと思います(笑)。
 それでも時折、弟や妹がとっくに結婚していたこともあり、両親から結婚について言われました。
 17年前、今はもう亡くなった母方の祖母をお見舞いしたとき、一緒にいた父が私に言いました。

「まず『結婚する』と決めなければ、結婚相手には気づけないんだよ」

 お父さん……! 今、私が受講生に伝えている通りのことを、私が結婚するよりずっと前に教えてくれてた!!
 しかしながらその頃の私は、
「決めなければ出会えない。なるほどね〜」
 くらいなもので、まだ父の言葉の本質を理解していませんでした。
 祖母のお見舞いの際、先ほどの父の言葉を聞いた寝たきりの祖母が、遺言のように私に言ってくれた言葉があります。当時すでに会話することも困難だったのに、どうしても私に伝えたかったようで、叔母が通訳してくれました。
 祖母の言葉は、

「絶対に、好きな人と結婚しなさい」

 でした。
 祖母の時代は恋愛結婚の時代ではなかったこともあるし、実際、祖母は祖父と添い遂げましたが、孫の目から見て格別に仲が良いという感じではありませんでしたので、長い結婚生活を見据えて、孫の私に同じ苦労をかけたくないと思ったのかもしれません。真意のほどはわかりませんが、本当にありがたい言葉でした。
 こう書くと、すごくおばあちゃん子だったと思われるかもしれませんが、子ども時代に年に1、2回会う程度、私が第一子で、甘えん坊タイプではないことも手伝い、ほかのいとこたちと比べると接点も少なく、ゆっくり会話した記憶もほとんどありません。でも、大人になり年賀状を毎年出していたからか、いとこの大半がすでに結婚していた中、30歳過ぎても結婚しない私を周りが心配していたのを見て、祖母が本音を伝えてくれたのだと思います。
(祖母にそう言ってもらったにもかかわらず、そこから改めて婚活して「理想を下げる」を繰り返して婚活ウツになるわけですが……)
 婚活ウツを発症後、婚活自体をお休みしている間、祖母の言葉を何度も思い出しては、泣きました。

 私、好きな人と結婚してもいいよね?
 なぜ、ダメだと思ってるんだろう。
 素直に理想の人と結婚したい、と望めないのはなぜだろう?


 さまざまな本を読み学びを深めるうちに、ふと自分に問うたことがあります。

「私が強く信じていることはなんだろう?」

 このとき自分の中から湧き出た答えが、

「私は愛される価値のない人間だ」

 でした。

 私は理想通りの男性に愛される価値がない。

 なぜなら30代だし、たいした額のお金も稼いでないし、
 家柄もごく普通だし、特別な美女でもない。
 こんな私が、理想通りの男性に愛されるなんてことが起こるはずがない。
 現に、どんなに婚活したり合コンしても、そんな理想の男性に出会うこともなければ、近い人に出会えたとしても、相手にされることもなかった。

 これまでがそうだったのだから、「私は愛される価値のない人間だ」と強く信じていました。
 過去はそうだった、それだけなのに、なぜか今後一生愛される価値がない、と信じ込んでいました。

「理想通りの男性に愛されるなんてことはないだろう。
 でも結婚したい。それなら理想を下げるのが当然」

 この流れをずっと繰り返していました。
 理想を下げることが、結婚するために正しいことだと思い込んでいたんですよね。
 でも、その「正しさ」こそ、究極の自分いじめですよね。
 理想を下げて結婚できるどころか、婚活ウツになるほど苦しむわけですから……。
 本当に私は自分にひどい仕打ちをしてきました。
 自分で自分の力を奪ってきたし、自分を低く見積もっているから、理想の人を望めなかった。婚活をお休みしている間にそのことに気づいて、2、3章でご紹介するワークが生まれます。
 この状況はぜんぶ自分がつくってきた。そこから目をそらさずに、何を信じるかを改めるだけで人生はラクラク激変します。

※本稿は『アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーが教える 結局、理想を下げない女(ひと)が選ばれる』(伊藤友美 著)より抜粋したものです

相手に対してネガティブなことを思ってしまう自分は酷い人間だ、だれだっていいところはある、など、真面目な婚活女性たちは、「大人」として対応しようと、自分の心を曲げてしまうのかもしれません。

また、親や世間の期待に応えようと、いい学校に入って周りに安心してもらえる就職をするなど、他人軸で生きてきてしまった人が多いのかもしれません。

あなた自身の人生なのに、自分にもっとも近い人間関係と言っても過言ではない結婚でそれをやってしまうと、その後の人生は苦しいものになってしまうでしょう。

本当に自分が望んでいることを真っ向から打ち出すべきなのです。

(編集部 杉浦)

▼『結局、理想を下げない女(ひと)が選ばれる』のはじめに全文公開

画像1

Photo by Dmitry Schemelev on Unsplash

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?