ひたすら僕は道無き道を求めて道ある道を行く。

12月29日。

一昨日のはどうしたなんていう質問は受け付けない。気が向いたらまたの機会にそちらは書くことにする。

さて、僕は今どこにいるだろう。正解は、ドヴォルザークの曲の聞こえる駅。いるだけでこれほど疲れた町は初めてかもしれない。東京にいた時だって結構疲れたものだ。人のことばかりを気にしたりだとか。ただ、この街に僕を知っている人もいなければ僕が知っている人もいない。だから、むしろきらくなはずなのだ。少なくとも僕の経験から言えるのはそうだ。
しかし、この街は何かがおかしい。通天閣とやらを一目見ようと足を踏み入れたまでは良かった。だのになんだ。進むにつれて御し難い異様な空気を感じた。少なくとも、寒いはずの冬の夜にこの街は暑かった。そして、歌舞伎町とはまた違う、独特の雰囲気が感ぜられた。恐らく、いや、絶対に。あの街に足を踏み入れてから戻るまで、僕の目は光っていなかったはずだ。世界がその数瞬、モノクロームに見えた。新世界が僕には合わなかったようだ。
……おかしいな。『新世界』とのマッチングは最高の筈なのに。ただ、一つだけ誤解のないように断っておこう。何も僕ら新世界を拒否した訳でも忌避した訳でもない。それは新世界も然り、である。

大丈夫。瞳に映る世界は美しい。シャッター越しに見る世界だって。想像するだけでこの世界は美しい。想像できるだけ、ただそれだけで。

さて、本題に戻ろうか。

朝、3時半に起きた。朝……朝か。いや、早朝と言った方がいいか。そそくさとシャワーを浴びてドライヤーでササッと髪を乾かす。そうして、一昨日と同じ時間。天気予報、確認する必要なんてない。何時だって晴れている。

さて、一昨日と同じだ。京都駅へ。でも、今日は一昨日とは違う。目的地が定まっていないのは同じかもしれないけれど。楽しい一日の始まりだ。

すぐに二条を過ぎて、亀岡を過ぎて。そうして、園部も過ぎて、胡麻に着いた。どこだよって?京都の真ん中へんだ。いや、胡麻で降りた時にドイツカフェとかいうのがあるのを知って、行きたいとか思ったのだけれども、10時から17時まで。時計を見ると、7時過ぎ。僕はそんなに根気強くない。かと言って次の電車まで数十分暇だった。無人駅だったので勝手に外に出て、うろちょろとしていた。しかしあたりは朝靄がかかっていた。道の向こうからはふたつの目が迫ってくる。いや、車だけども。そこまで時間があるわけでもないから、待合室にいることにした。

綾部で乗り換える時にも少々時間があったのだが、特段なにかしたことがある訳でもないから割愛しよう。さて、なんとなく今朝決めたばかりの行先、舞鶴へ。といっても、年末年始だから北吸桟橋に行けるわけでも東郷邸に入れるわけでも海軍記念館に入れるわけでもない。ただぶらぶら時間を潰す、否、活用するだけだ。

さて、急ごしらえだったものだから、舞鶴に関する知識は皆無だ。知っていることと言ったら旧日本海軍の舞鶴鎮守府があったこと、海上自衛隊の舞鶴地方総監部があること、舞鶴警備隊があること。それくらい。天橋立には行かないのかと不思議に思った人がいるかもしれない。先に行っておこう。乗れるかあんな高ぇやつ。

舞鶴の横の通りは旧軍艦艇の名前がついていた。初瀬だとか敷島だとか八島だとか。ヤシマ作戦しか出てこなくなるこの病をどうにかして欲しい。エヴァンゲリオン全然見てないのに。おかしい。

北吸トンネルというところに行った。今は地元民の通用路的な役割を果たしているようだが、元々は赤レンガ作りで、輸送用にレールでも引いていたのだろう。いい感じに苔が蒸していて、そうして声がいい具合に反響した。少しひんやりとした、でも寒くはない感覚。水路閣以来かもしれない。この感覚は。

短いトンネルを抜けると赤レンガ倉庫がある。外からしか見れないのだから特に言うことも無いのだけれど。強いて言うなら一つはカフェになっていることに驚いたくらい。色々考えるものだな。

ちょっとばかり当たりをふらふら彷徨いて西に向かった。護衛艦が係留されているのが見える。遠目に見てもそれなりには大きい。途中にあった歩道橋を上ってそこから眺めてみた。デカっ。それしか言いようがない。写真だとかテレビだとかでは見た事はある。いや、それに、横須賀に行って見たことさえあった。それでもなにゆえか、想像以上に大きく感ぜられたのだ。あるいは、「ひゅうが」があったせいかもしれない。最大の護衛艦だから。暫くほっつき歩いて、昼は地元の定食屋に入った。おすすめと言われた肉うどんを頼む。しかし、ここで想定外のじたいが発生した。虫歯にしみてまともに味わえない。歯医者行かねぇと……いや、お金がないんですよ。だから……行かないと、とは思いつついつも後回しばかり。結局どんな味か分からないまま完食して店を出た。

その後は特に何もしていない。
駅に戻る時に見つけた「Essen」。ドイツ語で食べる、という意味の動詞だ。パン屋さんだったが、そこに入った。カレーパンがどうやらイチオシらしく、その手に乗ることにした。乗らない手はないだろう。知りもしない店なのだから。食べてみるとなるほど、美味しかった。正しく、外はカリッと中はジューシー、と言ったような感じ。中には肉も入っていた。少し冷めても十分美味しかった。よって損は無い、そう思って満足した。

東舞鶴から電車で一駅。西舞鶴に着く。細川幽斎の居城、田辺城があったのだが、あまり語るようなこともなかったので割愛しよう。

西舞鶴からさっさと京都駅に帰ってきた。時刻はまだ6時。これでは青春18きっぷ使っても損だな。などという訳の分からない焦燥でさえない、衝動とも言い難い呪縛に囚われた僕は大阪へ向かった。大阪に着くとすぐさま大阪環状線に乗り換えて大阪城公園で降りた。どうやら今の時期は夜間に大阪城でイベントをやっているらしく、カップルだとか女性連中出来ているのが何組かいた。あとは親子もそれなりにいたか。少なくとも僕が見る限りでは一人でいたのは僕だけだ。何この空間。自分で飛び込んどいてなんだけどちょっと軽く死ねる。そんな僕を横目に僕はどんどん前に進んでいく。機銃掃射の後だとか、隠し曲輪だとか、教育勅語の記念碑だとか。最後のはなにかおかしくないか……?まあ、知らぬ。結論からいえば、夜の大阪城最高。これ一眼買ってから来たいやつだ。金を払いたくなかったから二の丸御殿のイルミネーションとやらは本丸から撮影しただけだったけれども。そうして大阪城を突っ切って行くと、大阪府警察本部に着いた。なんか見覚えあるなぁ……なんて。そりゃあそうだ。コナンに何回も出てきているから。

そして、そこから、森ノ宮駅まで歩いていった。そうして、新今宮で降りて、冒頭に戻るのである。今はまだ、各停……じゃない、普通列車で大阪から京都に戻っている最中だ。普通だとさすがに時間かかるな……いや、しかし足のキツさを考慮すればこれが最善だろう。どうやら今日僕は3万5千歩くらい歩いたらしい。あれ、困難でヘトヘトになってるのになんでゴールデンウィークに6万歩近く歩けたんだ……?

疑問は深まるばかりである。好き、というものに対しては人間はどうにでもなってしまうということなのだろうか。さて、明日が過ぎれば明後日は。大晦日に帰省する大バカ者がおりますか?ええ、おりますよ。他ならぬ私ですから。

誘うものもおらぬから、寂しく家で箱根駅伝でも見ますけれども。誘ってくれても……良いんですよ?あ、お金は負担しかねますが。

クソ人間じゃねぇか。

さて、今年も残すところあと50時間を切ってしまった。正しく僕にとっては激動の1年、だったけれども、あなたにとっては、どうだったろうか。

来年への抱負をちょっとばかり付け足して終わりにしようか。

抱負……そうだな、小説を仕上げること、だろうか。長編小説を。構想はしっかりしているのだからあとは書くだけだ。

誰か養ってくれねぇかな。

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