よわのあき

どうして、難しいよね。どうして、難しいんだろう。

よわのあき

どうして、難しいよね。どうして、難しいんだろう。

マガジン

  • 喫煙所にて。

    煙草1本が燃え尽きてしまう時間のなかで書いた、文章や物語をまとめておく、そんな場所。 かなり前に書いておいたものから、これから書いていくものまで。

  • スターチスの本棚

    読んだ本などの書評を書いたものをまとめておく場所。忘れたくない作品でいっぱいの書架になったらいい。いつか。

  • 春と黒髪 赤の芍薬

    日記や駄文、書き殴ったそのときのなにかを置いておくための個人書架。に、なったらきっといい。

最近の記事

【短編小説】赤の芍薬(編集版)

一章  この世界の現代で生きている僕たちにとって、普通というものは何を、どういったものを指すんだろう。“一般的”“常識”“正常”そして─“誠実”。大衆に向けて言う言葉ならこれらもきっと当てはまると思う。ただこれらが指す内容は誰が誰に対して決めたんだろうと、ふと考えることがある。  少し気取った言い方をするのであれば、人それぞれ今進んでいる道は違うはずだし、万人が一寸も違わない考え方なんてしていないだろう。各個人が抱えている問題と、それに対する答えなんて違うのに、世間はそれを

    • あなたに宛てる手紙

      • 当たり前じゃなくなるという、当たり前のこと。

        今日、僕の住んでいるところはしばらくの間結構な強さで雨が降っていた。調べてみたわけではないから、もしかしたらどこも同じようなものだったのかもしれないけれど。 小さな子どもの頃は、強い雨に濡れることを何も思っていなかったような気がする。むしろ待ち侘びていたかのように降る雨を楽しんでいたようにすら思う。 でも、もうそんなことはできなくなってしまった。どうやったらあんまり濡れないかな、なんてことを考えながら歩くようになってしまった。用事がなければ家にいることを選んでいたかもしれな

        • ことば

          「女の子の“ほうっておいて”とか、“さみしくない”は、その反対なんだよ」 2人しかいない部室で、先輩は僕に向けてそう言った。 「そんなこと言われたって、理解しろっていう方が無理ですよ。最初からそう言えって話でしょ」 きみはほんとうにロマンのかけらもないねぇ、とそう言いながら笑う顔は、なんというか、とても魅力的だ。 「先輩の笑顔って素敵ですよね。僕、あなたが笑ってるところを見るの好きですよ」 えっ、と呟いて、一回まばたきを挟んだら、先輩の頬は赤く染まっていた。これでもロマンにか

        【短編小説】赤の芍薬(編集版)

        マガジン

        • 喫煙所にて。
          5本
        • スターチスの本棚
          2本
        • 春と黒髪 赤の芍薬
          12本

        記事

          読了『いとエモし。』

          先日買った本のうち、一冊を読み終えたので感想を残しておこうと思う。 タイトルにも書いておいてあるから改めてになってしまうけれど、『いとエモし。』という本を読み終えた。 年代もジャンルも様々な古典文学の中から主に詩歌を引用して、現代の人にとって理解されやすい言葉(要はものすごく簡単にした話し言葉)で訳したものが、全部で111にもわたって書かれている。 僕自身、古典文学というものには一般の人々よりは遥かに多く触れてきた自覚があるから、結構楽しんで読むことができた。 たまに、とい

          読了『いとエモし。』

          よくないけれど、やめるつもりもないこと。

          僕は予定を立てずに外出することが苦手だ。理由はとても単純で、心配だから。原因は単純でも心は複雑なもので、ふらっと外に出て有意義な時間になっていた、という経験はほとんどない。もしかしたら、まったくないと言い切ってしまえるかもしれない。そんな心境も手伝って、時間前行動の類に関しては結構自信を持っている。けれど、目的が終わったあとは自分でも驚くくらいには何もできないことが多い。あまり来ない場所だから折角なら少し見て回ろうかな、という気持ちになることはあまりない。何かあったら嫌だから

          よくないけれど、やめるつもりもないこと。

          読了『レーエンデ国物語』

          しばらくというかそれなりに前に買っていて、立て込んでいて読み進められていなかったのだけれど、読み終えたので感想を残しておこうと思う。 これから書くから確定ではないのだけれど、もしかしたら物語の内容に少なからず触れる可能性があるので、もしこの記事に目を通す人がいたら、そこだけ注意してほしいと思う。 今回以降、読み終えた本の書評を書いてまとめていこうとも考えている。 タイトルにも載せた通り、今回は『レーエンデ国物語』についての感想を書いて、残しておこうと思う。 王道のファンタジ

          読了『レーエンデ国物語』

          ちいさな報告かつ、あまり意味があるものではないのだけれど、Twitterとの連携を復活させた。前までもしていたのだけれどアクセスできなくなってしまっていたので、もう一度。こちらで書いたものを繋げておくだけのアカウントとして繋げました。

          ちいさな報告かつ、あまり意味があるものではないのだけれど、Twitterとの連携を復活させた。前までもしていたのだけれどアクセスできなくなってしまっていたので、もう一度。こちらで書いたものを繋げておくだけのアカウントとして繋げました。

          特別な時間の終わりと始まり。示すこと、示されること。

          今日、と言っても寝ていないだけだから、実際は3月1日の話になるのだれけど。 この日は僕という人間にとって、特別な1日になった。少しだけ細かく伝えるなら、特別な1日になったと、僕はどうやら感じているらしい。 人間の一生において、なんでもない時間というものはそれほどないように思う。特にそれが顕著なのは、20歳を迎えるまでだろう。学生という特別な時間は、他者から眺めれば取り留めないものだけれど、当事者たちには違う。あの時間にしかない、あの時間だけの何が必ずあるように思う。これは、

          特別な時間の終わりと始まり。示すこと、示されること。

          1年目

          たまたまnoteを開いただけなのだけれど、どうやら今日は僕がnoteに初めて投稿した日から1年が経った日だったらしい。 全く意識はしていなかったけれど、自分の投稿したものを見返したら確かに2023年の1月24日に投稿していた。 今回に関しては、いつにもまして内容がないので、特にこれといって長々と書くことはない。 僕は今年の4月から、たぶん社会人になる。 だからというわけでは全然ないのだけれど、今年か、もしくは数年の間に叶ってほしいなと思うことだけ書いて、もう終わろうと思う。

          今年もまた、今年もまだ

          どうも。よわのあきです。 もう日付の変わる30分前だけれど、今日1月2日は一応僕の誕生日だ。まあ、だからと言って何かあるわけではないのだけれど。 20歳を超えてから、もう歳を重ねることに対して気持ちが動かなくなってしまった。もしかしたら、随分前からそうだったのかもしれない。 僕の周りには、ありがたくて勿体無いことに、僕の誕生日を祝ってくれる人たちがいる。 彼ら彼女らのおかげで、僕は自分の誕生日を「ああ、誕生日だ」として認識することができる。 年が明けて、新しい1年が始まっ

          今年もまた、今年もまだ

          なんでもない1年の終わりに、僕はまだ夢を見ている

          どうも。よわのあきです。 前回の投稿から、2ヶ月以上空けているけれど、別に投稿ペースを定めてやっているわけでもないから、気にはしていない。先月の末に、“投稿すれば連続記録ですよ”といったような文面が表示されたけれど、僕は趣味娯楽の類が義務のそれへと変質することがとても苦手で、それを見た瞬間に気持ちがどこかへ行ってしまった。 2023年という年の最後の日だから、というわけでもないけれど、特にやらなければならないこともないから、締めくくりという体裁で書いておいてもいいだろう。

          なんでもない1年の終わりに、僕はまだ夢を見ている

          星と煙

          駄目だったら全然大丈夫だから、といったような、明言されるよりも圧倒的な強制力を持つ言葉によってバイトに明け暮れる日々を送る中で、煙草に火をつける時間はより一層輝くものだと改めて思った。 なにもない日々を、なにもなく送る。目に見えて自分のものになるものは何一つないけれど、目に見えない疲れだけは確実に自分のものになっていく。ネガティブなものばかり簡単に手に入るもんだな、とそんなことを考えながら煙草を吸って、誰からの連絡もない携帯を見て、ふと思った。 7月7日。 七夕か。自分

          自他無関心の病

          どうも。よわのあきです。 僕はいつも「よし。なにかアレソレについて書いてやろう」と思って文章を書くタイプではないので、ふと「ああそういえばこんなふうに思っているな」ということを衝動的に書くことがほとんどである。実際に紙に書いていたら、まず間違いなく殴り書きになるような内容なんだけれど、まあ今のところ改善しようとは思っていない。そもそも悪いことだとも考えていない。 さて突然だけれど、仮に僕の生きる世界に「他人を殺すことが罪である」という規定がなかったのなら、僕は他人を殺してい

          自他無関心の病

          「ことばにできないけどすごい」という思考放棄

          どうも、よわのあきです。 思えばこの挨拶はずいぶん久しぶりな気がしている。違ったら、違ったということで納得することにする。 今回書いているこの文章の本題は、タイトルにある通りである。内容を直接的に表しているタイトルをつけるのも自分のなかでは少し珍しい気がする。 と、そんなことは置いておいて、本題である。 僕は、「言葉にできないんだけどなんかすごくて」や、「言葉にするのが失礼なほど美しい」みたいな表現が好きではない。嫌いとまではいかないが、もしかしたら嫌いと言ってしまっていい

          「ことばにできないけどすごい」という思考放棄

          smoking stalking…

          日が昇るのと同時に、人は1日を始めるのだそうだ。それならば、火が燃え上がっていくタバコは僕の1日の始まりと言ってもいいだろう。 空想に囚われるようになったのはいつからだろうか。1日の始まりをも決められる僕に、その始まりを思い出す力はない。僕は読書を好む。人並みに、いやそれ以上に本というものに触れてきた自負はある。10数年文字に触れてきた人間である僕は、先日思いがけない気づきに出会った。恥ずかしい話だが、本に過適応したせいか、今までは気づきもしなかった。僕は、物語にだけ共感し

          smoking stalking…