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ブレーキを踏む前にアクセルを緩める


2023年8月20日(日)朝の6:00になりました。

あなたが思っているよりも、ずっと遠くに行けるのよ。

どうも、高倉大希です。




エンジンのついた乗りものをはじめて運転したのは、大学生のころでした。

運転免許を取得し、原付を買いました。


そのときに、バイク屋さんから言われた言葉をいまでもはっきりと覚えています。

「ブレーキを踏む前に、アクセルを緩めるんだよ」


アクセルを緩めさえすれば、原付は勝手に止まります。

ただ、完全に止まるまでには一定の距離が必要なので、ブレーキを踏むわけです。


アクセルをふもうとしたとき、松井さんは、はっとしました。「おや、車道のあんなすぐそばに、小さなぼうしが落ちているぞ。風がもうひとふきすれば、車がひいてしまうわい。」

あまんきみこ(2000)『車のいろは空のいろ 白いぼうし』ポプラ社


手裏剣をはじめて折ることができたのは、幼稚園生のころでした。

折り紙を手に取り、何回も練習しました。


そのときに、先生から言われた言葉をいまでもはっきりと覚えています。

「1回目にすこし隙間をあけて折ると、2回目がぴったりと重なるんだよ」


紙をおなじ方向に2回折ろうと思えば、折り目の部分に重なりが生じます。

重なりの分だけずれるので、はじめからすこし隙間をあけておくというわけです。


あの山の向こうはこうなっているはずだ、あの海の向こうはこんな大地が広がっているはずだ、世界の果てはこうなっているはずだ、という仮説を図面にしたものが地図なのです。つまり、地図とは「仮説」なのです。

瀧本哲史(2016)「ミライの授業」講談社


無理にブレーキを踏むと、だんだん歪みが生じます。

隙間をあけずに1回目を折ると、2回目がはみ出ます。


書くことだって、おなじです。

たった1文字が足りないだけで、文のリズムは崩れます。


生活って、こういうことの積み重ねなのだろうなと思います。

一見大したことのない機微が、生活を形づくります。


人々が講演のほんとうの内容に興味を持つことはめったにない。彼らはただ、あなたの口調や身ぶりや表情から、あなたが正直者であるか否かを探りたがっているだけです。

古賀史健(2021)「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」ダイヤモンド社


相手のことを知りたい。

そんなときは、助手席に乗るか手裏剣を折ってもらうのがベストです。


もしくは、その人が書く文を読みます。

書けば書くほど、露呈します。






サポートしたあなたには幸せが訪れます。