見出し画像

点滅する信号で立ち止まる余裕をもって暮らしていたい


2024年9月15日(日)朝の6:00になりました。

オドルンダヨ。オンガクノツヅクカギリ。

どうも、高倉大希です。




乗りものに乗って、移動している時間が好きです。

流れゆく暮らしの中に、出発と到着で囲まれた不思議な時間が生まれます。


自分が運転しているかどうかは、べつにどちらでも構いません。

電車でもバスでも飛行機でも、目的地に向かって進むあの時間が好きなのです。


長すぎたら当然辛くはなりますが、短けりゃあいいってものでもありません。

なんでもかんでも早く到着することが、ベストだとは限らないわけです。


桐生選手が記録を出した時の映像を見ながら、「これからトップスピードを上げる練習をしていったほうがよいか」と質問すると、ボルト選手は「それは違う」と答えました。そして、「多くの選手がトップスピードからさらに速くなろうとするが、それでは速度に足の回転が追いつかず逆に遅くなってしまう」と言いました。

為末大、今井むつみ(2023)「言葉、身体、学び」扶桑社


だから、サービスエリアが好きです。

出発と到着で囲まれた不思議な時間を、象徴する場所だからです。


どこにでもあるコンビニも、なんだかいつもと違って見えます。

買わなくてもいいものにも、ついつい手が伸びてしまいます。


夜だとなお、わくわくします。

普段はいない場所にいるという、そんな事実に高揚感を覚えます。


無限にあったはずの時間を奪われるのわけではない。そもそも、時間が少しでもあること自体が、不可解なほどに奇跡的なことなのだ。

オリバー・バークマン(2022)「限りある時間の使い方」かんき出版


信号が点滅したら、急いで渡らずに立ち止まる。

数少ない、マイルールのひとつです。


この数秒を失ったからといって、何かが変わるわけではありません。

いや、そもそも「失う」という表現自体が間違っているのだろうなと思います。


立ち止まる数秒にだって、相応の価値があるはずです。

流れゆく暮らしの中に、赤信号と青信号で囲まれた時間をどうにか確保するのです。


科学的に「正しい答え」を出す研究はとても素晴らしく、感銘を受けるものもたくさんあります。その一方で、自分の過去に経験した生々しい現実に置き換えたときには、「そういうことじゃないんだ」というもどかしさをずっと感じてきました。

宇田川元一(2019)『他者と働く「わかりあえなさ」から始める組織論」株式会社ニューズピックス


残された時間が、驚くほどに短いことは紛れもない事実です。

あっという間に、1年が過ぎ去ることにも紛れもない事実です。


だからと言って、速い乗りものがベストだとは限りません。

点滅する信号を急ぎ足で渡れば、その分だけよいことがあるわけでもありません。


みんな急いで、どうしたの。

そのくらいの余裕をもって、暮らしていたいものです。






サポートしたあなたには幸せが訪れます。