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まだ見ぬ世界の広さは希望


2024年4月10日(水)朝の6:00になりました。

オドルンダヨ。オンガクノツヅクカギリ。

どうも、高倉大希です。




村上春樹さんの小説を、読み漁っていた時期がありました。

短編も長編も随筆も、かなりのペースで読んでいたような気がします。


もちろん、彼の作品を読む時間はとても有意義なものでした。

その一方で、読めば読むほど寂しさが増していったのも事実です。


まだ読んでいない作品が少なくなっていくのが、目に見えてわかったからです。

読んでいない状態には、二度と戻ることができません。


それもとびっきり上手く踊るんだ。みんなが感心するくらいに。そうすればおいらもあんたのことを、手伝ってあげられるかもしれない。だから踊るんだよ。音楽の続く限り。

村上春樹(2004)『ダンス・ダンス・ダンス 上』講談社


お笑いコンビのかまいたちの漫才に、こんなネタがあります。

「生まれてこのかた『となりのトトロ』を観たことがない」


ボケの山内さんが、「トトロを観たことがない」という事実を自慢げに話します。

それに対して濱家さんが、「そんなもん自慢にならへんがな」とツッコみます。


基本的にはツッコミが、観客の気持ちを代弁します。

ところがこのネタに関しては、ボケの言い分にもちょっとだけ共感できるのです。


ここまで観ずにきてんねんから、観ないでしょ。だってほんまに追いつかれへんやん、みんな。これはもう、俺の宝ものというか。逆墓場まで持っていくパターン。

かまいたちチャンネル「トトロを見たことない山内に濱家が魅力を熱弁!」より


まだ見ぬ世界があるということは、とても幸せなことなのかもしれません。

その分だけ、新しい世界に触れるチャンスがあるわけです。


そう考えると、この世界はまだ見ぬものだらけです。

すでに見た世界なんて、全体からすれば豆つぶのようなものです。


見たつもりになっているだけの世界も、きっとたくさんあるはずです。

ミクロにもマクロにも考えを進めることができる、フラクタル構造です。


とことん突き詰めても『不可能だ』と思える限界があるというのは相当奥が深い。そういう対象に出合える人生は最高やで。

かさはらあつし(2023)「ピーナッツ一粒ですべてを変える」集英社


好奇心を抱いた人が、その瞬間から学びはじめることができる。

人類の歴史においてはじめての環境下で、わたしたちは生きています。


一生をかけても読みきれないだけの、本があります。

一生をかけても歩ききれないだけの、大地があります。


とことん突き詰めても不可能だと思えるだけの、限界があります。

そんなまだ見ぬ世界の広さは、希望でしかありません。






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