三河珊瑚

どこにでもいるただの本好きです。 漫画も読みます。ゲームはポケモンと少しだけマリオを嗜…

三河珊瑚

どこにでもいるただの本好きです。 漫画も読みます。ゲームはポケモンと少しだけマリオを嗜みます。

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記事一覧

北沢陶『をんごく』を読みました

 未読の方に一言で伝えるなら、ホラーテイストの『細雪』(谷崎潤一郎)であり、かつとてもマイルドな『ゲゲゲの謎』(映画)でしょう。  そうはいっても実は『ゲゲゲの謎』…

三河珊瑚
9日前
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米澤穂信『冬期限定ボンボンショコラ事件』をとうとう読みました。

 高校時代から『氷菓』を筆頭とした「古典部」シリーズの愛読者であった私ですが、「小市民」シリーズには手が出せなかったんです。当時の私は「持って生まれた自分の能力…

三河珊瑚
2週間前
3

「肛門記(作:朝井リョウ)」がやや他人事でなくなった話〜入院準備編〜

これは序章、大腸内視鏡検査編の続きです。よろしければこちらを先にお読みくださいませ。  さて、いざ入院決定ということで病院からの指示を守りながら必要なものを荷造…

三河珊瑚
2週間前

「肛門記(作:朝井リョウ)」がやや他人事でなくなった話〜大腸内視鏡検査編〜

 これは序章の続きです。よろしければこちらを先にお読みくださいませ。  さて、痔(内痔核)の治療の前段階として設定された大腸内視鏡検査がやってきた。そもそも前日…

三河珊瑚
1か月前

「肛門記(作:朝井リョウ)」がやや他人事でなくなった話〜序章〜

 ある日、用を済ませて立ち上がり振り返るとそこには真っ赤な池があった……。  生理にしては血が鮮血すぎるし多すぎる、ていうか生理終わったのは、つい先週じゃ!あと…

三河珊瑚
1か月前
2

『檜垣澤家の炎上』を読みました

 書店でフラフラしていたときにふと目に入った本でした。物騒なタイトル、帯の『細雪』×『華麗なる一族』×殺人事件、「富と権力の館に拾われた娘が抱いた野望とはー」と…

三河珊瑚
1か月前

『栞と嘘の季節』読んでますが、前作でも思ったんですけど、司書教諭は学校図書館司書とは別の職種なんです!司書教諭は職員室と図書館をつなぐ仕事で、貸出業務などの実際の業務には基本タッチしないんですぅ!というのがよぎってしまって気が散る……面白いけど……

三河珊瑚
1か月前

映画『モノノ怪〜唐傘』に興味がありつつも、舞台である大奥のイメージが、私の中で『猫奥(山村東)』に上書きされてるばっかりにドロドロな人間関係……はて……?とイマイチイメージが結びつかなくなって物語に入り込めるか心配になっています……笑

三河珊瑚
1か月前

過去のポケモン映画を見てみたら実質『ジャイアントロボ』だった

 タイトルだけで何のポケモン映画のことか、お分かりになる方も少なくないでしょう。もったいぶる必要はありませんからさっさとここに書くと『劇場版ポケットモンスターベ…

三河珊瑚
2か月前
2

個人的に混ざるもの

 人と話していて、あるいは書き物(手書き)をしていて「ウッ」となる瞬間がある。眼科の視力検査で左右が分からなくなる、というのもあるあるだと思うが、ここで話題にし…

三河珊瑚
2か月前
6

『今、甦る死』を改めて視聴してのとりとめのない感想

 先日の記事で書いた通り、中高生の頃に一度だけリアルタイムで観たことしかなかった『今、甦る死』をとうとうTVerで再び観ることが叶いました!万歳! ※ちなみに先日の…

三河珊瑚
2か月前
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『古畑任三郎』の印象的な犯人について

 関東ローカルで再放送されていた「古畑任三郎」シリーズ。TVerで少しずつ追いかけながら視聴しています。各シリーズともはじめの三話はそれなりに長期間削除されずにあっ…

三河珊瑚
2か月前
20

古畑任三郎にまつわるつれづれ

 古畑任三郎の再放送が地上波でやってるという情報をTwitterで見まして。やっと録画として手元に置いておける!!と喜び勇んで番組表をみたら、我が地域では別のドラマの…

三河珊瑚
3か月前
15

米澤穂信『黒牢城』を読みました。

 疎くてよかった戦国時代!  「歴史」というネタバレ無しで『黒牢城』を読めたのは幸運でした。担任で日本史の教科担当だったM先生ごめんなさい!!(南北朝あたりから戦…

三河珊瑚
4か月前
7

散歩の副産物

 正確には一駅前から徒歩で帰宅したときの話です。途中にいつも利用している図書館があるので、先日予約しそこねたデビット・スーシェ『ポワロと私:デビット・スーシェ自…

三河珊瑚
4か月前
6

気づけば「好きな惣菜発表ドラゴン」を口ずさんでいたので考えたこと

 ネットの流行は目まぐるしく変化していて正直もうついていけないなぁとスマホの画面を虚しく眺める今日この頃です。「好きな惣菜発表ドラゴン」ちゃんもTwitterで見かけ…

三河珊瑚
5か月前
2
北沢陶『をんごく』を読みました

北沢陶『をんごく』を読みました

 未読の方に一言で伝えるなら、ホラーテイストの『細雪』(谷崎潤一郎)であり、かつとてもマイルドな『ゲゲゲの謎』(映画)でしょう。
 そうはいっても実は『ゲゲゲの謎』は予告だけで、本編未視聴なのですが(女の子が、かなり酷い目に遭うんでしょう?横溝正史も鬼太郎も好きですが、映像と音までついてくると、悲惨さに対して情報量が多すぎてまだ怖くて見る勇気がでません……)、ヒトでないモノとのバディものである点や

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米澤穂信『冬期限定ボンボンショコラ事件』をとうとう読みました。

 高校時代から『氷菓』を筆頭とした「古典部」シリーズの愛読者であった私ですが、「小市民」シリーズには手が出せなかったんです。当時の私は「持って生まれた自分の能力は他者の幸福のために使うべき」という考えを持っていた女子高生でしたから、謎を解く能力は封印して「小市民」を目指すんだ!と息巻く小鳩君に一切の共感を持てず、むしろ腹が立ちまして……。なんというか、小鳩君からにおい立つ傲慢さに我慢ならず。文庫の

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「肛門記(作:朝井リョウ)」がやや他人事でなくなった話〜入院準備編〜

これは序章、大腸内視鏡検査編の続きです。よろしければこちらを先にお読みくださいませ。

 さて、いざ入院決定ということで病院からの指示を守りながら必要なものを荷造りしました。とはいえお盆休みを挟んでいたのでのんびり準備でした。本格的に荷造りしたのは前日でしたし。一泊のみの入院ではありましたが、あって便利だったものを箇条書きであげていきますね。

・かご(枕元に置けるサイズ)
 手術後は麻酔のため下

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「肛門記(作:朝井リョウ)」がやや他人事でなくなった話〜大腸内視鏡検査編〜

 これは序章の続きです。よろしければこちらを先にお読みくださいませ。

 さて、痔(内痔核)の治療の前段階として設定された大腸内視鏡検査がやってきた。そもそも前日から食事制限(おうどんやおかゆ)がありましての当日。ちょっとひもじい。
 下剤ですべてのものを出すために、いつもより1時間以上の早起き……。とてもつらい。そもそも下剤もどんな味がするんだろう。とてもこわい。『腸よ鼻よ(作:島袋全優)』で何

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「肛門記(作:朝井リョウ)」がやや他人事でなくなった話〜序章〜

 ある日、用を済ませて立ち上がり振り返るとそこには真っ赤な池があった……。

 生理にしては血が鮮血すぎるし多すぎる、ていうか生理終わったのは、つい先週じゃ!あと近頃の私の生理はPMSを伴っているはずだが、今メンタルそれなりに元気やぞなんやこれ!?誰や!?と頭の中で喧々諤々と会議が行われた結果、全会一致で「ひょっとして痔じゃね?」となった。
 痛みは一切ない。ただ、鮮やかな赤がそこにはあった。症状

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『檜垣澤家の炎上』を読みました

『檜垣澤家の炎上』を読みました

 書店でフラフラしていたときにふと目に入った本でした。物騒なタイトル、帯の『細雪』×『華麗なる一族』×殺人事件、「富と権力の館に拾われた娘が抱いた野望とはー」というアオリ文。気にならないはずもなく。
 主人公のかな子がしたたかで、ほんとによくやってました。子どもなんだからもう少しぼんやりすごさせてやりたい、油断をさせてやりたいと思うのは大人の勝手で、彼女は必死だったんだよなぁ。よく生き延びた。
 

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『栞と嘘の季節』読んでますが、前作でも思ったんですけど、司書教諭は学校図書館司書とは別の職種なんです!司書教諭は職員室と図書館をつなぐ仕事で、貸出業務などの実際の業務には基本タッチしないんですぅ!というのがよぎってしまって気が散る……面白いけど……

映画『モノノ怪〜唐傘』に興味がありつつも、舞台である大奥のイメージが、私の中で『猫奥(山村東)』に上書きされてるばっかりにドロドロな人間関係……はて……?とイマイチイメージが結びつかなくなって物語に入り込めるか心配になっています……笑

過去のポケモン映画を見てみたら実質『ジャイアントロボ』だった

 タイトルだけで何のポケモン映画のことか、お分かりになる方も少なくないでしょう。もったいぶる必要はありませんからさっさとここに書くと『劇場版ポケットモンスターベストウィッシュ ビクティニと白き英雄レシラム』のことです。
 うちの家人はポケモンが大好きで、なかでもゴルーグが大大好きです。対戦をするときはいつもゴルーグくんが大活躍……しようとしてうまくいかなくて「数値がーーー!」とよく叫んでいます。確

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個人的に混ざるもの

個人的に混ざるもの

 人と話していて、あるいは書き物(手書き)をしていて「ウッ」となる瞬間がある。眼科の視力検査で左右が分からなくなる、というのもあるあるだと思うが、ここで話題にしたいのは、「A」と言おうとするとなぜか口から「B」と言ってしまうという類のものだ。
 例えば(最近はそうでもないが)小さいころは「インド」と「ドイツ」がよく混ざっていた。三文字のカタカナなうえに「イ」「ド」が被っている。「ン」と「ツ」も小さ

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『今、甦る死』を改めて視聴してのとりとめのない感想

 先日の記事で書いた通り、中高生の頃に一度だけリアルタイムで観たことしかなかった『今、甦る死』をとうとうTVerで再び観ることが叶いました!万歳!
※ちなみに先日の記事とは以下のものです。よろしければご覧ください。

 というわけで、わたくし「今、甦る死」を観た中高生の頃はミステリといえばシャーロック・ホームズくらいしか触れていませんでした。「名探偵コナン」はアニメをある程度観ていましたがその程度

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『古畑任三郎』の印象的な犯人について

 関東ローカルで再放送されていた「古畑任三郎」シリーズ。TVerで少しずつ追いかけながら視聴しています。各シリーズともはじめの三話はそれなりに長期間削除されずにあったので、ずっと見られるもんだと思いこんでおりました……。先日第一シリーズの冒頭三話が削除されていて結構しょんぼりしました。DVDボックス買おうかしらと迷っております。地上波でもTVerでも放映・配信されなかった回もありますし。正直第三シ

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古畑任三郎にまつわるつれづれ

 古畑任三郎の再放送が地上波でやってるという情報をTwitterで見まして。やっと録画として手元に置いておける!!と喜び勇んで番組表をみたら、我が地域では別のドラマの再放送をやっておりまして。そのドラマに恨みはありませんが……。ひとりでそっと涙を呑みました。
 とはいえ、TVerで観られるので助かります。沢口靖子さん回の舞台はキリスト教系の学校で、我が母校でもよく聞いたり歌ったりした賛美歌が流れて

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米澤穂信『黒牢城』を読みました。

米澤穂信『黒牢城』を読みました。

 疎くてよかった戦国時代!
 「歴史」というネタバレ無しで『黒牢城』を読めたのは幸運でした。担任で日本史の教科担当だったM先生ごめんなさい!!(南北朝あたりから戦国時代ってわけがわからなくなりませんか?松井優征『逃げ上手の若君』を読んでいるとあの頃の復習してる気分になります。山川の教科書が手元に欲しい……)

 さて、冒頭の章から「官兵衛」なる人物が出てきて、「黒田官兵衛」かな?とは思いあたりまし

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散歩の副産物

 正確には一駅前から徒歩で帰宅したときの話です。途中にいつも利用している図書館があるので、先日予約しそこねたデビット・スーシェ『ポワロと私:デビット・スーシェ自伝』の予約をしようと思って気まぐれに途中下車して寄り道をしました。アガサ・クリスティの作品が好きで、マープルものから入り、ポアロものもある程度読んでいるのですが、その話は長くなるので割愛しましょう。先日たまたまAmazonプライムビデオでデ

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気づけば「好きな惣菜発表ドラゴン」を口ずさんでいたので考えたこと

気づけば「好きな惣菜発表ドラゴン」を口ずさんでいたので考えたこと

 ネットの流行は目まぐるしく変化していて正直もうついていけないなぁとスマホの画面を虚しく眺める今日この頃です。「好きな惣菜発表ドラゴン」ちゃんもTwitterで見かけた当初はサムネイルのパロディ画像だったので、またなんかよくわからんのが流行っとるなぁ……程度の印象でした。YouTubeでたまたま楽曲を見つけたときも、あらかわいい曲ねと思ったくらいでした。(こちらの楽曲ですね。作詞作曲絵動画はンバヂ

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