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内浦穂高
2024年6月19日 19:44
僕にとっての生きる理由貴女がそれになってほしい貴女にとっての生きる理由僕が必ずそれになるそうして2人で生きる理由を少しずつ増やしていこう。失うものがなにもない2人が並んで散歩をしてみれば失いたくない愛おしい 生きる理由が横に在る泣き顔を僕に見せておくれすぐに笑かせてさしあげようあの夕焼けの向こうにいる君よ2人で朝を迎えよう
2024年6月9日 21:28
鏡の中で踊る蟷螂 新郎新婦による 恍惚ショーハープの音による 生命の描画 銀嶺な山が赤く染まる止まることなく 揺れるマスカット光る海面には揺籠が浮かぶ海一面を染める白ワイン雲は綿菓子となり夥しい数 空を駆ける硬い 硬い 金属質な音の羅列が蚊柱となり青空を犯す落ちる 落ちる 海底に沈む 金属質な音の羅列海一面は赤ワイン 一筋の光 弦の音 天を摩する E線
2024年3月21日 22:11
あれだけ特別だった君の誕生日がなんでもない日になりました。カレンダーに輝く文字が虚しく胸を張っていたけれどもそんな現実はまるで元からなかったかのようになんでもない空っぽの平日を過ごしました。あと2年もすれば君の誕生日は薄れてゆき「あぁ、そういえば」とふと思い出す落ち葉のような記憶に変わりゆくのでしょう。お誕生日おめでとうございました。
2024年3月20日 20:50
忘れ去られた深海の中 少女がそっと手を伸ばす。翼のようにしなやかな白皙の腕が蒼を纏う。優しい波にさらわれて、僕は海底と同化する。潜り込んだゆりかごの世界 僕は大地に背を向けた。重力が刻を飲み込んで水圧の中に消失した。海中に響くアルペジオが螺旋階段を形作る。音の粒子は光を放ち 歩みの世界を彼女に示唆する。少女は陽射しに導かれ大地を目指して海を舞いいかなる白より嫋やか
2024年3月4日 23:14
思い出が僕の心を押しつぶす。遠い 遠い 無邪気な空そこから溢れ 逆流した 何千トンもの思い出があの日の景色が あの笑顔が走馬灯のよう駆け巡り戻れぬ日々がのしかかる。貴女の笑顔は今いずこ貴女の心は今いずこいや もういない いないんだ僕の世界にはいないんだ。過ごした日々は消えやしない消えやしないから なお寂しいいっそはじめから なかったらいいえ、やっ
2024年2月22日 19:00
聖者ムルィカはパンを食うパンが好きだからパンを食う食えないものにはこだわらないこだわらないから怒らない聖者ムルィカは黄昏れる夕陽に照らされねむたそう余計なものは見つめずに風に撫でられうっとり顔聖者ムルィカは柔らかい目を合わせずとも怒らない興味がないから怒らない自分の世界を愛してる聖者ムルィカはなにもしない。好きなこと以外なにもしない。食ったり
2024年2月19日 18:05
役に立たぬもの不要なら、工具のみが必要ならば美味い飯など食わぬがよい酒もタバコも呑まぬがよいやたらな恋もやらぬがよい服も安物にするがよい道楽全てを断ち捨てて、パンのみかじって生きるがよい。そうして文化は廃れゆき、いよいよこころは滅びゆく。生命の鼓動は我が胸に人を愛する我が胸に。私が言葉を紡ぐ時 世界は光に満ち溢れる。不要な言葉が時を超え世界のこころに火を灯す
2024年2月18日 23:07
春の夜 優しい香りが僕を包む。酷薄な夜は通り過ぎ、羽毛布団のような空気が漂う。ふわりと優しい春の香り……時すらも今は眠りにつく。春の香りは希望の香り。生命を実らす花の香り。今日の夜空は何か違う希望の香りだけじゃない。赤子をあやし寝かしつけるよう月が微笑んで語りかける。今日の春の夜は涙の香り。どこからともなく漂ってる。幼子が抱く桃の香り。布団に包まれる
2024年2月16日 21:06
僕は1人で酒を飲む 安いウィスキーで解脱するガバガバガバガバ 37パー 性格一致のストレート明日も仕事だが知ったこっちゃねぇ それより刺激をくださいな。明日には「今」は賞味期限切れ この瞬間こそ我が全て。ゴールデン街を探し求めてほろほろ揺蕩う西東。鹿爪らしさにゃしかめっつらさ、それより月夜の声を聴け。自転車がサッと風を切り、冷気が顔に押し寄せる。放課後は決して消えないぜ
2024年2月9日 12:47
小春日和のお披露目会衣装を着込み1番乗り紫色のタキシード とってもクールな僕の衣装みんなはまだまだ寝てるけど いてもたってもいられない鼻歌が運ぶ僕のアリア 平和な空に飛んでいくふわふわ香る ちょうちょうの音色小鳥も一緒に歌い出すもうすぐ世界はドレスコード 張り切って僕がエスコートわだかまりのない昼下がり早くみんなもこないかな
2024年2月2日 21:36
ラッパの音が聞こえてきた他の誰の耳にも届かずこの耳にだけ鳴り響いた吹き出した汗に塗れる額高鳴る鼓動 揺れる心臓コンクリを蹴って命を刻むリビドーが悪戯に囁き出すこんな時にも関わらず最期の時にも関わらず揺れる脳内 白濁の光景乳房に吸い付く幼き子母を求めれば涙する 父を思っても涙する夕暮れの風に揺れるブランコ静かに寂しく揺れているブランコが辺りを歪
2024年1月30日 18:09
私のうたは地に根ざす命に根ざして花咲かす言葉が命を吸いとって 烈火の如く咲き誇る私のうたはアポトーシス飽き飽きするほど冷ゆる日に遥か向こうへと地を張って 笑顔が生る日を追いかける這いつくばって匍匐前進 回復したら歩き出して血を吐いたならまた倒れて 這いつくばって明日を目指すいつかこの身が朽ちたのならぴくりとすら動かなければその頃新たな葉脈が黄金色に包まれて
2024年1月25日 13:34
ごうごうと風が荒れ狂う枯れ葉を蹴散らし迫り来る布団にくるまり身を抱く 僕の元へと訪れる野太く重い回転の重力は虎の唸り声起床を急かす母でなく復帰を急かす父の声無慈悲に優しい大人らの 分厚く硬い怒鳴り声布団を擦り抜け 耳元で訴えかける風の声あと30分 あわよくば 1時間くらいやすませてかすれた声は風に消え布団も寝巻きも剥ぎ取られため息で風に返事をし耳栓を
2024年1月24日 23:35
貴女は母か 或いは姉か 或いは可愛い妹か私ははしゃぎ ぺたぺた歩き 草原の風に撫ぜられる弁当箱のおにぎりは 塩っけのみの白い肌艶やかな雲に頬を寄せ 羊の音色に包まれる三色団子の柔らかな温もりを吸って目を閉じるさらさらり さらさらり時折 か細く むず痒く 愛しい香りが広がってコツンと小さく音を立て 額が2つ重なった世界に転げ落ちた知恵の輪どうか永久に放っといて