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喜び 悲しみ 醜さ 美しさの結晶 生命を燃やして生き抜いた 僕の証達です。
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#ポエム

【2人の散歩】

【2人の散歩】

僕にとっての生きる理由

貴女がそれになってほしい

貴女にとっての生きる理由

僕が必ずそれになる

そうして2人で生きる理由を少しずつ増やしていこう。

失うものがなにもない2人が並んで散歩をしてみれば

失いたくない愛おしい 生きる理由が横に在る

泣き顔を僕に見せておくれ

すぐに笑かせてさしあげよう

あの夕焼けの向こうにいる君よ

2人で朝を迎えよう

【蟷螂の法悦】

【蟷螂の法悦】

鏡の中で踊る蟷螂 新郎新婦による 恍惚ショー

ハープの音による 生命の描画  

銀嶺な山が赤く染まる

止まることなく 揺れるマスカット

光る海面には揺籠が浮かぶ

海一面を染める白ワイン

雲は綿菓子となり夥しい数 空を駆ける

硬い 硬い 金属質な音の羅列が

蚊柱となり青空を犯す

落ちる 落ちる 海底に沈む 金属質な音の羅列

海一面は赤ワイン 

一筋の光 弦の音 天を摩する E線

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【落葉】

【落葉】

あれだけ特別だった君の誕生日が
なんでもない日になりました。

カレンダーに輝く文字が虚しく胸を張っていたけれども
そんな現実はまるで元からなかったかのように
なんでもない空っぽの平日を過ごしました。

あと2年もすれば君の誕生日は薄れてゆき
「あぁ、そういえば」とふと思い出す落ち葉のような記憶に変わりゆくのでしょう。

お誕生日おめでとうございました。

【深海】

【深海】

忘れ去られた深海の中 
少女がそっと手を伸ばす。

翼のようにしなやかな白皙の腕が蒼を纏う。

優しい波にさらわれて、僕は海底と同化する。

潜り込んだゆりかごの世界 僕は大地に背を向けた。

重力が刻を飲み込んで水圧の中に消失した。

海中に響くアルペジオが螺旋階段を形作る。

音の粒子は光を放ち 歩みの世界を彼女に示唆する。

少女は陽射しに導かれ大地を目指して海を舞い

いかなる白より嫋やか

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【思い出の重力】

思い出が僕の心を押しつぶす。

遠い 遠い 無邪気な空

そこから溢れ 逆流した 何千トンもの思い出が

あの日の景色が あの笑顔が

走馬灯のよう駆け巡り

戻れぬ日々がのしかかる。

貴女の笑顔は今いずこ

貴女の心は今いずこ

いや もういない いないんだ

僕の世界にはいないんだ。

過ごした日々は消えやしない

消えやしないから なお寂しい

いっそはじめから なかったら

いいえ、やっ

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【聖者ムルィカ】

【聖者ムルィカ】

聖者ムルィカはパンを食う

パンが好きだからパンを食う

食えないものにはこだわらない

こだわらないから怒らない

聖者ムルィカは黄昏れる

夕陽に照らされねむたそう

余計なものは見つめずに

風に撫でられうっとり顔

聖者ムルィカは柔らかい

目を合わせずとも怒らない

興味がないから怒らない

自分の世界を愛してる

聖者ムルィカはなにもしない。

好きなこと以外なにもしない。

食ったり

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【道楽賛歌】

【道楽賛歌】

役に立たぬもの不要なら、工具のみが必要ならば

美味い飯など食わぬがよい

酒もタバコも呑まぬがよい

やたらな恋もやらぬがよい

服も安物にするがよい

道楽全てを断ち捨てて、パンのみかじって生きるがよい。

そうして文化は廃れゆき、いよいよこころは滅びゆく。

生命の鼓動は我が胸に

人を愛する我が胸に。

私が言葉を紡ぐ時 世界は光に満ち溢れる。

不要な言葉が時を超え世界のこころに火を灯す

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【春愁】

【春愁】

春の夜 優しい香りが僕を包む。

酷薄な夜は通り過ぎ、羽毛布団のような空気が漂う。

ふわりと優しい春の香り……時すらも今は眠りにつく。

春の香りは希望の香り。

生命を実らす花の香り。

今日の夜空は何か違う

希望の香りだけじゃない。

赤子をあやし寝かしつけるよう

月が微笑んで語りかける。

今日の春の夜は涙の香り。

どこからともなく漂ってる。

幼子が抱く桃の香り。

布団に包まれる

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【上州よりゴールデン街に想い馳せ】

【上州よりゴールデン街に想い馳せ】

僕は1人で酒を飲む 安いウィスキーで解脱する

ガバガバガバガバ 37パー 性格一致のストレート

明日も仕事だが知ったこっちゃねぇ それより刺激をくださいな。

明日には「今」は賞味期限切れ この瞬間こそ我が全て。

ゴールデン街を探し求めてほろほろ揺蕩う西東。

鹿爪らしさにゃしかめっつらさ、それより月夜の声を聴け。

自転車がサッと風を切り、冷気が顔に押し寄せる。

放課後は決して消えないぜ

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【ツルニチソウカ】

【ツルニチソウカ】

小春日和のお披露目会

衣装を着込み1番乗り

紫色のタキシード とってもクールな僕の衣装

みんなはまだまだ寝てるけど いてもたってもいられない

鼻歌が運ぶ僕のアリア 平和な空に飛んでいく

ふわふわ香る ちょうちょうの音色

小鳥も一緒に歌い出す

もうすぐ世界はドレスコード 

張り切って僕がエスコート

わだかまりのない昼下がり

早くみんなもこないかな

【アポカリプティックサウンド】

【アポカリプティックサウンド】

ラッパの音が聞こえてきた

他の誰の耳にも届かず

この耳にだけ鳴り響いた

吹き出した汗に塗れる額

高鳴る鼓動 揺れる心臓

コンクリを蹴って命を刻む

リビドーが悪戯に囁き出す

こんな時にも関わらず

最期の時にも関わらず

揺れる脳内 白濁の光景

乳房に吸い付く幼き子

母を求めれば涙する 父を思っても涙する

夕暮れの風に揺れるブランコ

静かに寂しく揺れている

ブランコが辺りを歪

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【枯葉の詩】

【枯葉の詩】

私のうたは地に根ざす

命に根ざして花咲かす

言葉が命を吸いとって  烈火の如く咲き誇る

私のうたはアポトーシス

飽き飽きするほど冷ゆる日に

遥か向こうへと地を張って 笑顔が生る日を追いかける

這いつくばって匍匐前進 回復したら歩き出して

血を吐いたならまた倒れて 這いつくばって明日を目指す

いつかこの身が朽ちたのなら

ぴくりとすら動かなければ

その頃新たな葉脈が黄金色に包まれて

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【豪風の声】

【豪風の声】

ごうごうと風が荒れ狂う

枯れ葉を蹴散らし迫り来る

布団にくるまり身を抱く 僕の元へと訪れる

野太く重い回転の重力は虎の唸り声

起床を急かす母でなく

復帰を急かす父の声

無慈悲に優しい大人らの 分厚く硬い怒鳴り声

布団を擦り抜け 耳元で訴えかける風の声

あと30分 あわよくば 1時間くらいやすませて

かすれた声は風に消え

布団も寝巻きも剥ぎ取られ

ため息で風に返事をし

耳栓を

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【草原の夢】

【草原の夢】

貴女は母か 或いは姉か 或いは可愛い妹か

私ははしゃぎ ぺたぺた歩き 草原の風に撫ぜられる

弁当箱のおにぎりは 塩っけのみの白い肌

艶やかな雲に頬を寄せ 羊の音色に包まれる

三色団子の柔らかな温もりを吸って目を閉じる

さらさらり さらさらり

時折 か細く むず痒く 愛しい香りが広がって

コツンと小さく音を立て 額が2つ重なった

世界に転げ落ちた知恵の輪

どうか永久に放っといて