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【風に1人歌い】

風に1人歌い
小さい灯火を眺る
ほんのりと橙色に染まった空の下
竹林から溢れる僅かな灯火
木々と戯れる鳥たちが
どこかの空へと飛んでいく
鳥たちは鳥たちと流れ行き
僕は僕を道連れにして流れ行く

藪枯らしの向こう側で絡まる泡銭の和音は
白い砂の中へと消えていき
黒板に磔にされた

命を烟に例えた彼は
どこで何を歌っているか
黒板よ、君にまた会いたい
僕はいつも空ばかり眺めていて

電線に鳥達が止まる時
空に生命が溢れ出す
あの荒唐無稽なメロディが
いつか歴史を語るだろう

ドラム缶に枯葉を詰めて
焼き芋を焼いた少年時代
あの香りには夕焼けがいて
硬い軍手に包まれていた

幼心よまた会おう
明日にも明後日にもまた会おう
僕は君を抱き続ける
それこそが僕の強さなのだと
せめて僕はそれを知っているから

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