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祗燈 柃夜
2023年2月28日 21:08
橙色の景色に包まれてあなたの横顔を見ると感情がよくわからなくなった。煌めいて、美しいその横顔を私だけのものにしたい。凛々しくて、自信に満ち溢れた出立ちに私の背中を預けたい。河川敷から見る夕焼けに私のあからむ頬がリンクする。あなたはもうすぐ行ってしまう。手の届かない、私の知らない世界へ。あなたにとって華々しい幸せ。そのはずなのに。私の隣であなたは笑
2023年2月20日 22:02
馬鹿みたいにルールを守って、真面目に暮らしてきた。でもそれを褒められることなんてない。ただ、当たり前のこととして鎮座する。そして私はルールが守れない人たちを嘲笑した。だってルールは正義だから。従えないなら、くたばるのみ。だったはずなのに。ある人がルール破りをした。みんなが皆、指を差し、嘲笑い、怒る。それでもルールを破り続け、反抗するその人に相応の処分が与えられた。その人
2023年2月13日 22:32
「片付けも料理も掃除も全部私がやってて…」友達が彼氏の愚痴。不平不満、でも全部自分でやってしまう彼女。「なんでこの学校はボランティアが義務なの?」朝5時、待ち合わせ。朝5時半集合。車の中で不平不満を垂れる同級生。「見てるだけで、イライラする」中学の部活動。来るけど練習に参加しない仲間。その姿に腹が立つチームメイト。毛色の違う不満たち。溜め込むよりずっと健康的だと
2023年2月6日 18:02
スンとした匂い。キリッとした空気。午前6時半。冬の空はまだ藍色を取り残していた。愛車に息を吹き込みあの場所へと向かう。休日。街はまだ目覚めていない。スムーズにすいすいと、道を通り抜けていく。おっ。ここを右に曲がって…ETCのバーが開き、加速する。今朝の光は燃えるような橙でもなく、スポットライトのような眩しさもない。そこにあったのは薄ピンクに