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#公務員

0545:人事異動の季節

0545:人事異動の季節

 古巣の人事異動情報が公表された。昨日が教育委員会、本日が知事部局等だ。いつ頃からか異動表全体が県HPに公開されるようになり、それを確認すれば全てが分かるのだけれど、何分にもボリュームがあって一覧性に欠ける。明日には知事部局のGL級以上が地元紙に載るので、それを待とう。

 異動内示から対外公表までは数日のタイムラグがある。今日の公表を待って幾人かの友人から連絡があり、衝撃的な情報を含めていくつか

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0452:公務員辞めたいアカウント

0452:公務員辞めたいアカウント

 Twitterで私がフォローしているアカウントは、いくつかの類型に分かれる。まず自分が学習している司法書士試験受験生や現役司法書士、予備校などのアカウント。それから、公務員小説「やくみん! お役所民族誌」を書いているので、プロアマ問わず物語創作系アカウント。しかし一番数が多いのはおそらく現役または元の公務員アカウントだろう。もちろん「やくみん」ネタ探しも意識しているけれど、それよりなにより、自分

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0354:ワクチン接種一回目

 国民の半分が二回のワクチン接種を完了したというが、田舎に住む私は今日ようやく一回目の順番が回ってきた。診療所ではなく、集団接種会場での接種。8月頭に予約開始となり、すぐにネットで空きを探して最短が今日だったわけだ。

 当然こういう時は、公務員の会場運営の様子をそっと観察する。入口で予約時間を聞かれ、15分刻みで異なる島に案内される。待機しているうちに係員が回ってきて、接種券の確認、問診票の漏れ

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0324:豪雨三度(だか何度目だか)

0324:豪雨三度(だか何度目だか)

 また、だ。今年何度目の豪雨災害なんだろう。先日台風が来たばかりだというのに。家業で近隣を回っているが、幸い私の行動範囲では今回災害を見掛けることは(今のところ)ない。しかし、自治体区域内では大きな被害が出ているところがある。

 災害時に公務員が出動することは以前に書いた。「以前に書いた」とも以前に書いた。要は今年はそれだけ災害が繰り返されているということだ。

 公務員には災害動員がある。自宅

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0274:やくみん覚え書き/公務員の不正

0274:やくみん覚え書き/公務員の不正

 なんだか「やくみん覚え書き」が最近続いている(しかもストーリーの本線ではない補助線関連)。でもネタが降ってくるものは仕方が無い。

 今日は経産省職員の非違行為がふたつ立て続けに報道された。ひとつは国会内での女性用トイレの盗撮事件の犯人が経産省職員であると判明したというもの。もうひとつは、28歳のキャリア官僚2名がペーパーカンパニーを通して家賃給付金を詐取したとして逮捕されたというものだ。

 

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0263:住民税告知書が来ったぞー!(ポンポさん風)

0263:住民税告知書が来ったぞー!(ポンポさん風)

 市役所から住民税の告知書が届いた。正式には「市民税・県民税 税額決定・納税通知書」だ。その金額に大いに意気消沈したので、せめて標題くらいは元気にポンポさん風で付けてみた。

 住民税計算の基礎は所得税情報だ。確定申告が終わると所得にかかる国税データが市町村役場に回付される。その情報を元に、居住自治体が一年分の住民税額を算出して課税、6月から翌年5月にかけて徴収する。言い換えれば、住民税額は前年の

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0236:公務員の闇残業

 この記事、思わず読み込んでしまった。霞ヶ関の長時間労働と残業代不払い問題について、かなり細かく適切に解説している。

 私はこの3月まで27年間、某自治体職員(noteでは初めて種別を明言する)として勤務していた。そのうち一年間だけ、人事交流で霞ヶ関の某省で働いていたことがある。平成一桁の話だ。

 当時ももちろん国会待機はあった。遅いときは0時近くまで引っ張られ、自治体に本籍のある私は終電前に

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0165:BUZZMAFFすんばらしい!

0165:BUZZMAFFすんばらしい!

 Twitter経由で農林水産省公式YoutubeチャンネルBUZZMAFFの新作を知った。観た。

 素晴らしい。BUZZMAFFはこれまでにも幾度か眺めていたけれど、今回は特に良い。2/3はダンス、1/3は解説。ダンスは農水省本省・地方機関と業関係者が多数出演し、解説は裏話も含めて「何故このような動画を作ったか」を綴っている。日本酒振興のために、これだけの関係者が力を合わせ、世の中に発信する。

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0159:役所と法律

0159:役所と法律

 行政は、民事法の他に、行政特有の多数の法令の規定を受けている。いわゆる「行政法」だ。一般的には、組織の組織体制を規定する行政組織法、行政に権限を与えたり逆に縛ったりする行政作用法、そして行政の違法・不当な判断と戦うための行政救済法の三つに分類される。

 日々の役所の業務に様々な関わり方をする中核は、やはり行政作用法だ。現実に出来する様々な出来事に法令を当てはめ、為すべきことを為し、戒められるべ

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0157:極限状況の養子認定

0157:極限状況の養子認定

 委託又ハ郵便ニ依ル戸籍届出ニ関スル法律という、知っている人しか知らない法律がある。制定は昭和15年、戦地から人づてまたは郵便で誰かを養子にする意思を示し、地元にいる家族等が役場で養子縁組の手続をして、後に本人(養親側)が手続日より前に戦没していたことが判明した場合に、無効とせず戦没日に遡って養子縁組の成立を認めるものだ。戦争という極限状態と家制度を背景にした特殊なものといえる。

 この法律が適

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0153:消費者に味方する行政

0153:消費者に味方する行政

 行政の中立・公正──それは公務員の行動の基礎だ。恣意的な贔屓をせずバランスのとれたサービスを提供する意味でそれは美点となり、「多くの人に同じ事を求められてもできないから」という理由で目の前の困っている人に簡単なサービスすら提供しないとしたらそれは欠点となる。

 民民の争いに対して、中立であるべき行政は基本的に距離を置き、手を出さない。顕著な例外のひとつが消費者行政だ。国民生活センターや各自治体

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0152:行政と民間のあわい

0152:行政と民間のあわい

 トヨタのウーブン・シティ着工のニュースがメディアを賑わしている。確かにこりゃ凄い、トヨタという日本最大の民間企業の底力だなあ。

 こういう事例を見るに付け、社会的課題の解決について行政が担う領域と民間が担う領域のデザインを考え込んでしまう。

 民間には営利活動と非営利活動がある。営利活動はまさに利益を生み出すことそのシステムの持続・拡大を目的とするから、実利と課題解決が噛み合う領域では力強い

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0151:予算の仕組み

 日本の役所は単年度予算主義を取っている。4月から3月までの年度単位で最初に当初予算を組み、年度中途で不測の事態があれば補正予算を組んで、年度内に事業を執行する(例外として繰越はある)。

 予算は款・項・目に分類され、目の中で事業が立てられる。予算は事業毎に総額が決められ、事業内でも旅費・需用費・役務費など使途つまり節で区分される。これは国会や地方議会で承認されたものであり、執行のひとつの縛りを

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0144:困難職場

0144:困難職場

 役所には困難職場(呼び方はいろいろだろう)がいくつかある。何を以て困難とするかといえば、対外的な利害調整だ。典型的なのは用地とケースワーカーだろう。役所のために民間の土地を買わせてもらう。個人・世帯の支援に関わる。その苦労は公務員であれば察せられるところだろう。

 昨夜、ねほりんぱほりんで児童相談所の回を観た。世の中のヘヴィな現実と、そこに公務員として関わる人々の苦労とやり甲斐が、当事者の証言

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