見出し画像

0144:困難職場

 役所には困難職場(呼び方はいろいろだろう)がいくつかある。何を以て困難とするかといえば、対外的な利害調整だ。典型的なのは用地とケースワーカーだろう。役所のために民間の土地を買わせてもらう。個人・世帯の支援に関わる。その苦労は公務員であれば察せられるところだろう。

 昨夜、ねほりんぱほりんで児童相談所の回を観た。世の中のヘヴィな現実と、そこに公務員として関わる人々の苦労とやり甲斐が、当事者の証言によってよく表現されていた。私も友人で児相経験者が四人いる。一人は「もう二度と行きたくない」といい、一人は卒業後に社会福祉士の資格を取った。人の数だけケースがあり、ケースの数だけ良いことも悪いこともあり、職員によってその経験はつらいだけのものにもなるし糧にもなる。どちらが良い悪いではない。世の中はそういうものだ。

 私自身の経歴を振り返ると、他の人から困難職場と目されるところを幾度か経験してきた。直接的な相談に対応する部門は2年、個人の利害に深く関わる部門も2年、処分権限を持ち時に悪質な相手方と丁々発止する部門が(その種の分掌だけカウントすると)3年+2年。この春で幕を閉じる公務員経験の1/3が困難職場だったことになる。

 不思議なもので、実はどの困難職場も私は気に入っていた。それは「人間」が顕わになるからだ。利害関係者の争いもあった。不正を隠そうとする者もいた。敵意をむき出しにする者もいた。トラブルの場では、人間性がむき出しになる。この仕事でなければ経験できないことをいろいろ経験させてもらった。皮肉でも衒いでもなく、それは私の糧となっている。過去に経験したその仕事を再度やりたいか、と問われたならば、まっすぐ「やりたい」といえる。現実にはできない。あと一月半で退職するからだ。

 この経験は、今後の私の活動に必ず活きる。乞うご期待。

 本日のヘッダ画像は京都府京都市・本家第一旭タカバシ本店のラーメン。

■本日摂取したオタク成分
『進撃の巨人』第46~47話、淡々と。『無職転生』第7話、この面白さはなんだろう。原作完読組の長男によれば「この辺りはまだつまらないと思われていた頃で、この次の次くらいで俄然面白くなる」という。「鬼滅と同じで、原作は大したことない部分もアニメのクオリティが高くて見応えがあるパターンだね」とも。確かに、ちょっとした場面でもとても丁寧なのだよな。『裏世界ピクニック』第6話、ほとんど観てなかった。ホラーテイストは基本需要ないんだよな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?