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寄る。切り詰める。の真意

前回の記事

の続編です。

写真を始めた頃に、ハウツー書や有名写真家による指南書みたいなものを読んだ際に、こんなことが書かれていることが有りがちでした。

  • 広角レンズは寄る

  • 構図を切り詰める

さて何のことでしょう🤔
僕にとって取り上げやすい「風景」に関して説明します。

広角レンズは寄る

広角レンズは文字通り画角が広いので沢山のものが視野に入ります。
なので普通の立ち位置(標準レンズの、または頭でイメージしている立ち位置)よりも意識して前に踏み込まないと余計なものが入ってしまうよ、という意味です。

ズームレンズなら立ち位置を変えなくても被写体の写る範囲を調整できますが、単焦点だと自分が動き回らないといけません。

それだったら全部ズームでいいじゃない
と思いますが、被写体と背景の関係をどう写し込むかによって画角(レンズ)は決めるもので、それは意図によって決めます。
ズーム(画角の集まり)を構図を決めるために使うのは誤りです。

広角レンズは寄る(寄り切れていますか?)

構図を切り詰める

本当に取りたいものは何なのか、それに関係のない周囲のものは視野に入れてはいけない。あるいはプリント(出力)するときに要らない部分はカット(トリミング)しなさい。という意味です。

構図を切り詰める(もっと詰められますか?)

感覚が身につくまで

そうなのかー。と思って自分なりに寄ったり切り詰めたりしたものを先生みたいな人に見せたら・・

これは要らないな
と手で覆われてしまったり。(必要でしょ?と思うのに)

風景写真の大家の作品(川の淀みにできた落ち葉の渦)を見ては・・

渦しか見えないしこれが〇〇渓谷なの?どこでも撮れそう
と理解に苦しんだりします。

写真は引き算と言われますが「やりすぎでは?」と思う気持ちは、先生や大家への不信につながって行きます。

俺は違う。違う風景を撮りたい。

と自分なりに頑張りますが、どうしてもプロフェッショナルな人のインパクト、訴求力、説得力のようなものが生まれません・・🤔

先生どうですか?
「君は何が撮りたいの?」

先人の真意

長くなるので😅 結論を言いますが、
風景の中で自分が見つけた(または見る人が感じると思われる)感動印象伝えたい現象をしっかりとクローズアップ出来ているかが問われているのだと思います。

風景全体を撮ると、誰でもそこに居れば目にする風景とさほど変わりません。部分に寄った時に初めて、その人が着目した光景が具体的になります。
さらにその中の本質(色に惹かれた、造形に見惚れた、事実に驚いた)にちゃんとフレーミングしフォーカスを当て、余計な説明や気が散るものを含めずに要素を抽出できた時に初めて(作品を)撮ったということになるのです。

先人はそれを諭してくれているのです。(少なくとも指南書の中では)
それが寄る、切り詰める、引き算、の真意なのです。

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