【読書】 人生の教訓30ヶ条/「30 Lessons for Living」から
コーネル大学が米国の高齢者達から丁寧に刈り取りまくった幸せな人生を送るための教訓/コツ。具体的かつ役立ちそうな金言がたくさん盛り込まれた、先人から我々への贈り物のような一冊。
要約
米国コーネル大学の研究プログラムCornell Legacy Projectの研究結果をまとめた一冊。
米国の高齢者1000人以上から、幸せな人生を送るための秘訣やアドバイスをコンパイル。結婚、キャリア、子育て、老化、過去の後悔等のテーマ別に記載。結構細かいアドバイスで実生活で役立つものも多いのでお薦め。
あと何年生きられるんだろう、などとネガティブなことを考えてしまう自分がいるが「100年生きると想定して、行動しなさい(自分を大事にしなさい)」のアドバイスは、目が覚める思い。
1.本の紹介
以前紹介した「The Good Life- Lessons from the world's longest scientific study of happiness」を購入した流れで、アマゾンのおすすめに出てきたので購入してみた本。
本のタイトルは「30 Lessons for Living - Tried and true advice from the wisest Americans」(2011年刊行、AVERY社)で、現時点で邦訳は見当たらない。
元ネタは、米国コーネル大学の研究プログラムCornell Legacy Projectの研究結果(米国人のお年寄り1000人以上からの聞き取り調査結果)。
著者は社会学者/老年学者でカーネル大学教授のカール・ピルマー博士(Karl Pillemer, 54年生まれ、米国人)。PBS NewsHoursによるTVプログラムで本の紹介をしている。
2.本の概要
米国の高齢者1000人以上から、幸せな人生を送るための秘訣やアドバイスを聞き取り調査をまとめた一冊。かなり具体的な合計30のアドバイスが、結婚、キャリア、子育て、老化、過去の後悔等のテーマ別に記載されており、インタビューされた側のストーリーも織り交ぜられている。
高齢者一人一人から実体験を踏まえながら教えてもらった内容ということで、説得力のある内容となっている。以下、テーマ別のアドバイス概要(大幅な意訳有り)。
①結婚
自分に似ている人と結婚する事
友情は愛情と同じくらい重要
結婚=50-50は間違い。お互いベストを尽くすべき。
しっかりと向き合って話す
結婚>パートナーシップ
②キャリア
金ではなく、自分にとっての価値やパッションで仕事を選べ
よりよい仕事を探すことをあきらめるな
自分に合わないBad jobsであっても、そこから何か学べ
結局能力ではなくソーシャル/コミュニケ・スキルが重要
キャリア/仕事の満足度は、どれだけ裁量/Autonomyがあるかに関わる
③子育て
何よりも時間をかけること
お気に入りの子供がいるのは仕方がない、だけどそれを子供に見せないこと
子どもを叩かない(でないと後で後悔する)
喧嘩別れしないこと
子育て/親の役割は、子どもが家を出てからも続く
④老化
老いることは、貴方が考えるよりもずっと良いこと
100年生きると想定して、行動しなさい(自分を大事にしなさい)
死ぬことを恐れるな(意味がない)
人と関わり続けろ(Stay connected)
老年期にどこに居住するか事前に考えておけ
⑤後悔
正直に生きろ
何かやる機会/頼まれごとには全てYesと答えろ
もっと旅行しろ
友人はよく選べ
言いたいことがあるならすぐに言うこと(でないと、言う機会がなくなるかも)
⑥最後、黄金ルール(Golden Rules)
時間は非常に限られている事をしっかりと理解する事
幸せは、条件ではなく選択(Happiness is a choise, not a condition)
心配事に費やす時間はただの無駄
大きく考えるのではなく、小さく身の回りや目の前のことを考えろ。
信念を持て/Have failth
本のエッセンスだけ上に書き出したが、この本には先達から聞き出したストーリーがたくさんつまっており説得力がハンパない。
特に若い子供を飛行機事故でなくしてしまった女性がその後どうやって精神状態を持ち直すかなどのストーリーは非常に心うたれた。
3.感想
以前紹介した「The Good Life- Lessons from the world's longest scientific study of happiness」では、いかに良好な人間関係を築き、それをキープすることが、健康的で幸せな人生を送るために必要かを学んだ。
本書はそこからさらに一歩踏み込む内容で、結婚やキャリアなどの観点から、より具体的なアドバイスが示されている。そしてこれらのアドバイスは、これまた以前紹介した「the Chimp Paradox」の教えにも通じるものがある(Chimp modelでは、いかに自分のチンパンジーをマネージすることが、良好な人間関係を築き上げるために重要かの説明)。
結婚に関するアドバイスで一番心に響いたのは「結婚=50-50は間違い。お互いベストを尽くすべき。」というメッセージ。相方とは仲がいいとは思っているが、時々家事の押し付け合いになってしまう。私はこれをやったんだから、貴方はこれをやるべきなどの会話をたまにし、結局口論につながるが、そもそもこの態度が間違いとの事。相手のことを思って今自分ができる最大限の事をやる、自分もそう行動できるよう意識してみようと思う。
年齢も40を過ぎ、老化が気になる昨今。あと何年生きられるんだろう、などとネガティブなことを考えてしまう自分がいる。そんな自分に、「100年生きると想定して、行動しなさい(自分を大事にしなさい)」のアドバイスは、目が覚める思い。40すぎたくらいで残りの余生を数えてるなどと、同調査研究対象の高齢者たち(多くが80才以上)に言ったらきっと、ジョークだと思われて笑われるに違いない。まさに、「心配事に費やす時間はただの無駄」ということ、本書のおかげで、そんなこと(余生)を考えるのがばかばかしくなった。
最後に「言いたいことがあるならすぐに言うこと(でないと、言う機会がなくなるかも)」というアドバイス。このアドバイスを聞いてから、より頻繁に親や友人に電話するようになりました。何も話すことがなくても、とりあえず何も考えずに電話する、そうすることが大事だと思う。
最後に一言
「The Good Life」と一緒に本書を読むと、より人生に対する理解が深まる気がする。
本記事は、あくまで私がポイントだなと思った部分のみ書き出しまとめているだけです。この概要記事がきっかけとなり、この本に興味を持っていただけたら幸いに思います。
併せて、他の記事もご覧いただけたら幸いに思います。
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