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【読書】ハーバード式幸せな人生の過ごし方/「The Good Life」から

幸せな人生を送るにはどうしたらよいのか?誰もが一度は考える問題で、結局答えは人それぞれだよね、となりがち。そんな人類の普遍的な命題に本気で挑んだのがハーバード大学。その研究結果をまとめたのがこの一冊。

記事要約

  • 幸せで健康的なを送るために最も重要なものは何か?ミレニアム世代の若者にこの質問を投げ掛けると、金と名声という回答大多数。

  • 世紀以上に渡って、数百名の人々の人生を幼少期から老年期にかけて追跡したHarvard Study of Adult Development、その研究結果によると、最も大事なのは人間関係

  • クリシェ/よく言われる当たり前の事にも感じるが、半世紀にもわたる調査研究の結果として改めて指摘されると、心に響くものがある。




1.本の紹介

中年になって、人生とはなんぞや、と考えることが多くなったこともあり手にした一冊。本のタイトルは「The Good Lilfe - Lessons from the world's longest scientific study of happiness」(2023年刊行、Simon &Schuster社)。邦訳あり(「グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない」、2023年刊行)。

著者は、精神科医でハーバード・メディカルスクールの非常勤教授のロバート・ウォールディンガー博士(Robert J. Waldinger、51年生まれ、ハーバード大学卒)と臨床心理士兼大学教授のマーク・シュルツ(Marc Schulz、カルフォルニア・バークレー校卒)で、共に本書の元ネタになったHarvard Study of Adult Developmentのディレクターを務める。

著者のウォールディンガー博士によるTEDx Talkの講義は以下。

更に踏み込んだ内容及びQ&Aは以下

2.本の概要

幸せで健康的なを送るために最も重要なものは何か?ミレニアム世代の若者にこの質問を投げ掛けると、金と名声という回答大多数という。果たして本当にそうなのか?この普遍的な命題に答えるため、半世紀以上に渡って、数百名の人々の人生を幼少期から老年期にかけて追跡した研究がHarvard Study of Adult Development。その研究結果がこの一冊に詰まっている。

長期にわたる研究から出てきた答えは、人間関係/Relationshipsだとのこと。家族や同僚などと良好な関係を築く事、そのために時間やエネルギーなどあらゆるリソースを使うことが幸せへの一歩だという。実際、良好な関係を築いた人の方が、ロンリーな人より健康で長生きする事が研究からわかっている(良好な人間関係が日々のストレスの調整メカニズムとして機能)。家族や友人がおらず孤独な人、家族がいても良好な関係が築けていない人は、病気などを含め何かしら問題を抱えている場合が多い。

人間関係が大事

他の幸せ要因としては、以下のとおり。

  • : 限定的ながら金は一定額は重要とのこと。金に関しては一定額(75000usd/y)までは幸せ度合いに連動するが、この閾値を越えると相関関係は弱くなるとのことで、ベーシックニーズや生活の安定感等が主な要因(p.41)  。

  • 遺伝要因;ことなる環境におかれた双子の研究から、人が普段感じている幸運度合い(happiness set point)は遺伝する事もわかっている。つまり、良好な関係を持っているいない如何に関わらず、普段から物事をポジティブ/ネガティブにかんがえる人もいる。

  • 自分ではなく人のため: 特に中年移行は、いかに自分だけでなく他人のために努力/行動できるかが重要(generativity)。

  • 会社の同僚: 会社に親友がいた方がより仕事が楽しくなる

  • 他割愛

以上のような研究結果をバックアップする具体的な事例が盛りだくさん詰まっている。

3.感想

家族や人間関係が大事というのはよく言われていること。ただ、しっかりとしたデータや方法論に基づき長年にわたって実施された研究結果に裏付けされると、ぐっと説得力が出てくる。各種インタビュー結果から、生の声がしっかりと吸い上げられており、非常に興味深く、人生の参考になる。
 
誰もが一度は追い求める金と名声。私もそう。国際公務員という職業に憧れて、がむしゃらに頑張った記憶がある。取得した博士号もそう。今考えれば、周りがすごいと思うような職業やタイトル(名声?)を追い求めていたのかもしれない。20代から走り続けて気づいたらもう40代に突入していた。

結局どうなったかというと、家族のために安定を求め、不安定な職業である国際公務員は辞め、普通の会社で普通に会社員をするという選択肢を取った。子育てはあり毎日サバイバルではあるが、国際公務員をやめたことで心の余裕ができ、家族や友人との時間、趣味の読書の時間を大事にできている気がする。

ただそれも、若いときに名声を求めてがむしゃらに走り続けて、それなりの生活水準を獲得したから言えること。本書も言っていることだが、ある一定所得までは金と幸せ度合いはリンクしている。

最後の一言
これもお勧めとしか言いようがない本。何も考えずにとりあえず読んでみるべき、誰かに感想を聞かれたら私はそう答える。

本記事は、あくまで私がポイントだなと思った部分のみ書き出しまとめているだけです。この概要記事がきっかけとなり、この本に興味を持っていただけたら幸いに思います。


併せて、他の記事もご覧いただけたら幸いに思います。


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