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■今、私たちを取り囲んでいる「権力」とは?―『ミシェル・フーコー』

普段、「当たり前」と思っていることが
実は当たり前ではないと実感する。
そんな出来事は
日常のあちこちにあります。
でも、それが実際起きたときって
乗り越えるのに必死で
自分の思考に定着させるのには
随分と時間がかかります。

私の場合、それを具体的な衝撃として
思考に刻み込んでくれたのは
文学理論の勉強会で読んだ
フーコーの『知への意志』でした。

そして、そんな衝撃を
久しぶりに思い出させてくれたのが
今回読んだコチラです。


■『ミシェル・フーコー』について

■箱田徹著
■講談社現代新書
■2022年12月
■800円+tax

本書は「現代新書100」シリーズの一つ。
「現代新書100」とは

①それは、どんな思想なのか(概論)
②なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
③なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか
(現在への応用)

テーマを上記の3点に絞り
本文100頁+αでコンパクトにまとめた
「一気に読める教養新書」だそうです。

本書『ミシェル・フーコー』は、
副題が「権力の言いなりにならない生き方」。
フーコーの議論の中心である
「権力論」を改めて解説し
そこから新自由主義の枠組みへ展開します。
それを踏まえ、
現代に生きる私たちが何に囚われ、
そこから脱するにはどうすればいいか、に
明確な指針を与えるのです。

100頁ほどの新書ですが
内容はみっちみちに濃密で
思考のあちこちを揺らす力強さが
ハンパなかったです。

■フーコーにおける「権力」とは

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1,274字
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