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オリジナル小説│端役の徒然 3 駐車場


田舎の店には駐車場が必須だ。
しかも広めの。

大概客は車で来店する。
しかしこの店は駐車場が狭いのだ。
すぐ満車になり、
空き待ちの列が交通の邪魔になる。

クラクションの音が鳴り響き、煩い。

周りには他店の広い駐車場があるのに、なぜ
そんなにもここへ停めたがるのだろうか。
待つなら向こうに停めればいいのに。
どうせ買い物するでしょ。

そう思いながら眺めている。

田舎あるあるなのかもしれないが、
駐車の仕方が雑だ。まっすぐ駐車しないし
線からはみ出す。酷いやつは2車両分の
スペースの真ん中停めていたりする。
ヤバいだろ。

また、駐車禁止の表示をしているところや、
駐輪スペースに無理やり停めていたりする。
そうすると、他の車に迷惑がかかるのだ。
やめてくれ。
トラブルになってこっちの仕事が増える。

いくら〈駐車場でのトラブルに一切の
責任を持ちません〉と書いていたって、
トラブルを起こすやつはそんなの見て
いない。大声で怒鳴り込まれても、ねぇ。

店的に一番やめて頂きたいのが、
備品を壊すこと。プラスチック製の
車停めやパイロン(赤コーン)が
置いてあるのに、見えていないのか
そのまま轢き潰す客がいる。
けっこうな頻度で。

器物破損だし、自分の車も傷がつくよ。
備品も無料ではないし、発注には
上の許可が必要で面倒なの。
しかも発注しすぎると怒られるし。
私のせいじゃないのに。


中にコンクリートでも詰めてやりたい。
本当は。


「おい、出れないんだけど」

はいはいまた来た。うるせぇ。
そこ停める場所じゃないので、
自己責任だろばーか。





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