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役割を自分と思ってしまう話

最近、氷川きよしさんが魅力的です。
誰かが「まさかウェディングドレスを先越されると思わなかった」ってコメントしていて笑いました。

演歌歌手たるもの、男たるものを脱ぎ捨て、自分を表現する。
最初は勇気がいったと思うし、反対する人もいるだろうけれど、新たな魅力を発揮していて好きです。
密かに、まだまだもっとイケるって思っているけど。

自分を表現するって簡単なようで難しいです。
すぐ、誰かの基準の「らしさ」にはまります。

よく性格診断で、長女、長男タイプはこんな性格とかありますね。
長女あるある、とか。
あれって、それぞれの家庭環境の中で育つうちに出来上がった思い込みキャラですよね。
「らしく」生きる。
男なら男らしく、女なら女らしく。
長女なら長女らしく、末っ子なら末っ子らしく。
いつの間にか、それが自分のキャラだと錯覚します。

「お姉ちゃんなんだから、我慢しなさい」と言われて、いつもガマンする。
「お姉ちゃんなんだから、手伝って」と言われて、家事を手伝う。
「あなたはしっかり者なんだから、ちゃんと面倒を見てね」と言われて、弟や妹の世話をする。

そうか、私はしっかり者なんだ。

だけど、いつも構ってもらえる弟や妹が羨ましい。
フラストレーションが溜まるから、時々「やらない!」ってスネてみたり、意地悪したりするけど「どうしてそういうことするの!」って怒られる。
"しっかり者"じゃないと、周りが困ると思うから罪悪感も残る。

そうやって、いつしか"しっかり者"が自分だと思います。

長女イメージだけど、3人兄弟の真ん中だったり末っ子でも、それぞれに求められるキャラを演じて、いつしかそれが本当だと錯覚します。
例えば、真ん中だったら"いつも上と下を気にしている"とか"上に敵わないので独自路線に突き進む"とか。末っ子なら"甘えることを求められる"かもしれない。

私は長女です。
「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」
も言われた気がするけど、どちらかと言うと、
「お父さんの機嫌を損ねるから、えりなが我慢して」でした。
お父さんが怒り出すと手がつけられず、いくら私が理不尽だと思っても私が折れなければいけない。
私が"大人にならないといけない"し、むしろガマンする自分のフラストレーションを抑えるために"私が大人だからお父さんに譲ってあげるんだ"くらいの上から目線に思って自分を慰めます。

だから、いつしか"大人な自分こそ私"と思うので、スネるとか子どもっぽいと思う行動を取ると、とってもイヤな気分になったものでした。

これが染みつくと、細かい自分の行動言動すべてに現れます。

例えば、飲み会で食べる物をシェアする時。
人に取り分けることはしなくとも、年長者が取るまで待つ。
空の皿をせっせと下げて、テーブルを空ける。
人のグラスが空いたら、声かける。

例えば、職場で年下の上司に敬語で話しかけ、個人的に付き合えない。
他の同僚が友だちのように個人的に飲みに行っていると知ると驚いてみたりする。
立場をわきまえないといけないと思うから。

あとは、いつも人の機嫌を取りにいくとか。

何気なくやっている些細な行動に自分の思い込みが隠れていて、知らぬうちにストレスを溜めています。
"しっかり者"をやること自体が苦しいし、完ぺきにやることも無理なので、うまく出来ない自分を責めます。

それに気づいて、やめてみる。

もう「らしく」生きなくていい。
役目をおりてみる。

ホントは自分の要望を一番に聞いてほしかった、私中心で居たかった。

しっかりして機嫌をとって褒められることで、愛される自分を確保しようとしたことに気づきます。

些細に思える行動言動こそ、自分を紐解くカギですね。

そして、本当に自分がしたいことをやる時も、自分らしさに固執しなくていい。
イメージを固める必要がなく、人に合わせる自分も合わせないのもどちらもOKとなれば、そこを意識しなくなるので、エネルギーを注がなくなります。
その分、軽くなった自分に気づけます。

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