がんばってる自分が好き

若様(長男・９歳)を見ていると、どうやら彼は「がんばる事」を楽しんでいるようだ。「がんばれている自分」にとても嬉々としている。

これは凄い。感心する。

私は割と淡々とやるタイプで、周りから「がんばってる」と言われてもあまりピンとこない。「ん？何が？当たり前じゃね？？」となる。なので、よけいに感心してしまう。

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(ここの段は彼にあった具体例です。飛ばしても問題なし！)

若様、学校が再開してもマスクが嫌で学校に行かない選択をしたけど、学校や友達が嫌いな訳ではなく、むしろ友達の授業中の発言等聞いて色んな人の話を聞きたいという思いもあり、学校と検討し、マスクをせずに登校できることになった。

が、しかし。

机に置かれたパーテーションの圧迫感と、マスクのかわりに発言時に口元に当てるように言われたハンカチがやはり苦しかったらしく、学校復活した２日目に帰ってきた時の顔が非常に強ばっていた。

過去に上級生の男の子達に首をしめられた経験が無意識にフラッシュバックしたようで、「ただいま」は言うけど、ずっとこちらを睨みつけて、顔が笑っていなかった。本人に何かあったのか聞いても思い当たる事はなかったので、無意識下での緊張だったのだと思う。

そこで改めて登校について聞くと、友人らとのコミュニケーションが取れないとこと、やはりマスクの違和感が相当負担になるようで、無理はしないように、学校に行くのを控える事にした。

んで、そこからまたひと月ほど経って、気持ちも落ち着いてきたし、そろそろ「なんでもかんでも危険な訳では無い。何かがあっても守ってくれる人もいるし、自分でも何とかできる。大丈夫なんだよ」という事を知っていく為にも、登校の復活を提案してみた。

しんどくなったら帰って来て良い、むしろ「ちゃんと状況を理解して帰って来れた！」と捉えて良いのだ、という事を知ったり、自分に不利な状況だとしてもそこにいる人達まで辛く当たる訳では無い(そういう人もいるかもしれないけど、味方もいる)という事を知ったり、人と様々な関わり方があるんだという事を知ったり……少しずつ「自分にもできる！」という自信をつけるためにも、ちょっとずつ復活してみるのはどうか、と。

そしたら、本人も前向きだったので、無理はせず、まずは１時間だけ行くことにした。

んで、先週の水曜日、３時間目だけ行く事にしたのだけど、その日は朝から出発までずっと上機嫌。単純に学校に行く事もそうだけど、そうやって「がんばれている自分」が嬉しい様子だった。

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あの子は、今回に限らず前々から、自分で「やる」と決めた事が順調に出来ると非常に機嫌が良くなる様子が見られたし、母にめっちゃ怒られて「もう良い！やらんで結構！！」と言われても「やりたい！」と訴えてくるので、どうやらベースは「がんばり屋さん」なようだ。

自分のやり方が悪くて上手く出来なかったり、やり方が分かんなくて失敗すると明らかにテンションが下がってグズグズ言う完璧主義な一面もあるのだが、母に怒られるのは大方、自分のやり方で上手くいかなくてグズグズしてる時で「そうやって自分の嫌な気持ち垂れ流して周りを不快にするならやらんで良い！」と怒られる。だけど、半泣きで「やだ、やる！」と言うので「じゃぁ、やり方を変えてやれ。周りを巻き込むな」と、釘を刺しつつ見守ってると、途中からやり方がわかって機嫌良くなり、最終的には仕上げてくる。もちろん、仕上がりのクオリティに波はあるけど、でもとりあえず最後まではやりきる。

そして、そうやって「がんばれている自分」でいられる事が嬉しく、がんばることそのものが楽しくなってくるようだ。

失敗が嫌とか完璧主義とかは最近少しずつ変わってきて、今度は違う事で躓いてるけど、ベースに「がんばるのが好き」があるから、着実に成長の糧としている様子。

これも一時期、児童養護施設から帰ってきてすぐは全く無くなってしまい、がんばるも何も「自発的に行動する」事すら無かったから、ここまで積み重ねてきた結果なんだろうなと思う。一度失ったものを(半ば強制的に失わされてしまったものを)ようやく取り戻せてきているのかなと、そう思う。

小学校低学年の子に「お前の人生なんだからお前が決めろ！自分自身でやらなかったら何も変わらないんだ！」と言い続けたのはちょっと酷ではあったろうけど、結果楽しい方に繋がってくれそうなので良かった。

一個だけ懸念は、何事も過ぎるのは良くないのでがんばり過ぎはしないかねぇ、と言うところだけど、まぁ、そこも徐々に覚えていけたら良いのかと。父と母は見守るのみですな。

「がんばるのを楽しんでいる若様」を見てホクホクしておる母でした☆