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『ふしぎ駄菓子屋銭天堂16』(廣嶋玲子・jyajya)(毎日読書メモ(429))

廣嶋玲子・jyajya『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』(偕成社)紅子のアップの顔が怖い16巻。
いよいよ紅子と六条教授直接対決。六条教授の研究所で作った、偽銭天堂アイテムの毒消し行脚は、だんだん研究所の足跡に近づいてきていて、貰ったアイテムを食べてしまって後悔するより前に紅子が回収できるようにまでなってきた。
六条教授のアイテムでひどい目に遭った人が、その毒素を打ち消せる(但し銭天堂のアイテムもきちんと説明を読まないと副作用があることはこれまでの銭天堂アイテムと変わらない)アイテムを貰っている。六条教授の食べものや飲み物は苦かったりまずかったりするが、銭天堂のお菓子は魅力的な美味しさ。この巻は毒消しの行脚なので、幸運の小銭の出番はなし。
六条教授の研究所を辞め、紅子に情報を流した関ノ瀬さんが、うつ病になっている光景に胸を痛め、でも紅子がプレゼントしてくれようとしたアイテムには頼らず、自力で立ち直ろうとしている結末に、物語の新たな境地を見る。
そして、六条教授の研究所に潜入した紅子は六条教授と対面し、銭天堂を仇と思う六条教授の事情を知る。銭天堂に対抗できるような魔力に近い力を持った偽アイテムを開発できる六条教授の天才性もまた、銭天堂由来のものだったのだ!
しかし、銭天堂から発した力、という時点で既に紅子にかないっこないことは明らかではないか。銭天堂で開発した「デジタルト」の力で、六条教授の研究所は炎上することとなる。
バックアップはあったのかなぁ?
六条教授は一敗地に塗れるが、まだくじけてはいない。次巻以降、どんな切り札で反撃してくるのか? 作られた天才研究者は真のマッドサイエンティストと言えるのか? 
銭天堂は古くは室町時代の文書にまで記録が残っている、という六条教授の調査結果に大笑い。

雪白の髪生やし、雲つくような大女、あやしの菓子を売りあるきけり

p.143

だって。さまよえるオランダ人ならぬさまよえる駄菓子屋だね。

9月に新刊(18巻)が出たので、この後は順番待ちをして、あと2巻分よむこととなりそうです。

過去の感想:1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻 10巻 11巻 12巻 13巻 14巻 15巻

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