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毎日読書メモ(209)『ふしぎ駄菓子屋銭天堂3』(廣嶋玲子・jyajya)

年末に図書館で借りてきた廣嶋玲子『ふしぎ駄菓子屋銭天堂3』(jyajya絵、偕成社)を読む。1巻は図書館で予約してからかなり待たされたが、2巻以降は結構すぐ順番が来た。1巻しか読まない人が多いのか、1巻読んで面白かったから2巻以降は自分で買う人が多いのか...。
2巻読んだときに書いたが(ここ)、人の願いをかなえる不思議な駄菓子が提供される、という設定は、一見ドラえもんのふしぎ道具のようなのだが、実際はそうではなく、その人の願いを解決するソリューションは、本人の志が健全であれば、効果が消えはしない。銭天堂の駄菓子やおもちゃをきっかけに、自分を取り巻く環境が改善した時に、それに感謝して、自分とその周囲をよりよくする方向に目を向けた人に対しては大きなリターンがあり、増長して黒い欲望を広げていった人には大きなしっぺ返しが来る。今回読んだ第3巻では、銭天堂の紅子さんから買ったアイテムで、ひどい目に遭った人は二人だけで、片方は、自力で魔術に頼っていたマインドを断ち切り、片方は、見つけてくれた家族の尽力で魔術は解け、本人も改心する。他の物語でも、葛藤に打ち克つ、或いは自分が求めたソリューションの不毛さに気づく、という結末でがあり、ふわっとしたハッピーエンドではないが、全体として前向きな印象。
最初の物語だけは、銭天堂に対抗するたたりめ堂が提供した黒魔術を、銭天堂のお菓子で解く、単独エピソードから外に開かれた、対決の物語。たたりめ堂のよどみは、今後の巻で、銭天堂の紅子と対決をすることになる模様。そんなに先を急いで読まなくては、ということはないが、ぼちぼち追いかけていく予定。

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