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『ふしぎ駄菓子屋銭天堂5』(廣嶋玲子・jyajya)(毎日読書メモ(318))

廣嶋玲子『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』シリーズ(jyajya絵、偕成社)、他の本を読むのに忙しくしている間に、最新刊17巻が発売され、また、第3回“こどもの本”総選挙で第1位に選出されて(ちなみに第1回は9位、第2回は4位だったので、どんどん評判が上がっているということだね)、図書館の棚から消えてしまって、また、予約して少し待たされる状態に。

今回は、銭天堂の扱い商品である飲み物やカプセルトイが盗難に遭い、紅子は店を閉めて、盗まれたアイテムの回収に走り回る、という巻で、ライバル(敵?)のたたりめ堂のよどみは気配を消している。
「幸運のお客様だけがたどりつけるまじないをやぶって、銭天堂の品をぬすむなんて、いったい、だれのしわざでござんしょう? ...しかたない。しばらく店をしめて、ぬすまれたものをさがさなくては。運をもたぬ人の手に、うちの商品がわたってしまったら、やっかいでござんすもの」(p.12)

ということで、銭天堂にたどり着ける人、銭天堂の商品を買うことが出来る人は、どういうフィルターだか明示されないものの、買うことの出来る資格を付与された人でなくてはならない、という定義が、よりくっきりと明示された。過去に銭天堂の商品を買った人のことを思い出すと、その商品によって幸せになった人、人のためになった人もいるけれど、悪事に使って破滅した人、それによって紅子を逆恨みする人とかも一定数いて、幸運のお客さまって結局何よ?、という気もしないではない。一方この巻で、本来幸運のお客さまではない筈なのに銭天堂の商品を手にした人の中にも、その商品によって自分の置かれた環境が好転した人もいるし、その商品を手にし、また手放したことで現実を直視するようになった人もいる。というか、この巻で初めて銭天堂の商品を手にした人は、それぞれに心の中の善の力で、ひどい目に遭わなかった人ばかりだ。
これからの巻で、「幸運のお客様」はもっと厳密に定義されるのか? 紅子が幸運のお客様から受け取る、特定の年のコインにはどんな意味があるのか、続巻で明かされるのか?

ということで不定期に感想は続く、予定。

過去の感想:1巻 2巻 3巻 4巻

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