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毎日読書メモ(216)『ふしぎ駄菓子屋銭天堂4』(廣嶋玲子・jyajya)

廣嶋玲子・jyajya『ふしぎ駄菓子屋銭天堂4』(偕成社)、3巻同様、図書館で予約を入れるとすいすい配本された。みんな第1巻と第2巻しか読まないんだろうか? 
今回読んだ第4巻は、3巻でもちょっと姿を見せたたたりめ堂のよどみとの対決の物語中心。人の悪意を糧にするよどみが、銭天堂を訪れた客から、昏い気持ちを回収しようとする話なので、願い事も利己的で、他者を追い落とそうとする気持ちが前面に出ていて、気持ちがちょっと暗くなる。そして、そんな中で他者への好意を示す動きを見せると、たたりめ堂のお菓子は効果を失い、貰った人は更にひどいしっぺ返しを受けることになる。
紅子もただ単純に人を善くしようとしている訳ではない。銭天堂にたどり着くことの出来た人の運が、好転するか暗転するかは、お客様の心持ち次第で、その運の転がり方を見るのが紅子の楽しみだが、よどみはひたすらに人の悪意だけを求める。それは対決ではない、と紅子は言うのに、よどみは紅子の動きを封じて、人の悪意をひたすら追い求めようとする。
物語の構造は今後更に複雑化するのだろうか。善悪だけでない人の心の動きを見ることが興味深く、人はこの物語を読むのかな。

過去の感想:1巻 2巻 3巻

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