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『ふしぎ駄菓子屋銭天堂11』(廣嶋玲子・jyajya)(毎日読書メモ(381))

表紙の紅子の顔が怖いっ! 廣嶋玲子・jyajya『ふしぎ駄菓子屋銭天堂11』(偕成社)。凍結されていたよどみ、健太(10巻参照)が冷凍庫の扉を開けたのをきっかけに半解凍になり、銭天堂から脱出するなり、銭天堂に喧嘩を売る。
銭天堂で求めていたお菓子を買った幸運のお客様に、もっといいものがあるよ、と持ち掛け、1週間後に、どっちがよかったか聞きに行き、たたりめ堂のお菓子が選ばれたら自分の勝ち。結果として、銭天堂でお菓子作りをしている金の招き猫が「不幸虫」に変わってしまう。
この11巻では、銭天堂のお菓子で何らかの幸福な効果を得た人が、よどみから似て非なる商品を提供され、(1)よどみのお菓子を選んだために、自分の希望通りの結論は得られなかったがそれなりの効果が永続的に続くことになった。(2)銭天堂のものより強力な効果のある虫よけを幸運のお客さまに渡し、結果として必要以上に虫に避けられるようになったが、それでも虫が寄って来るよりいい、とそれを選んだお客さま。(3)よどみの手に落ちて、とことん不幸になったお客さま。(4)幸運のお客さまが手にしたものと逆の効果のある商品をお客さまの親友に渡し、2人がいがみ合うのを笑って見てやろうとしたが、お互いのキャラが逆転したことを2人で笑いあう友情の大らかさで、よどみ粉砕される。(5)よどみが提供した品を選んでしまい、よどみが勝利するが、駆け付けた紅子と会話したことで、お客さまの心の負担は軽くなる。、と、よどみの4勝1敗。でも本当に不幸になったのは1人だけ。

そして、最後に、よどみの商品と紅子の商品を手にした夫婦(4巻の「眠れませんべい」と「眠り貯金箱」)が幸せにしているのを妬む男のところへ、よどみが2人の中を引き裂く「引きさきイカ」を持って現れるが、間一髪紅子が現れ、自分の商品と「引きさきイカ」を交換する。そして、その引きさきイカを使って、よどみと紅子が二度と会うことはないようにする。
ここのくだりはちょっと、映画「デスノート」の最後で、Lが、自分の死ぬ日をデスノートに書き込んでしまったので、その日まではLは死なない、と決まってしまったくだりを思い出させた。

二度と会えないことになってしまった紅子とよどみ、よどみは怪童の遊園地で自分の駄菓子を売ることに決めるが、今後は銭天堂とどう絡んでいくことになるのか? ダークな雰囲気の巻だった。巻によって表情が違うところがまた興味深い。

過去の感想:1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻 10巻

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