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『ふしぎ駄菓子屋銭天堂15』(廣嶋玲子・jyajya)(毎日読書メモ(415))

廣嶋玲子・jyajya『ふしぎ駄菓子屋銭天堂15』(偕成社)、今回も一気読み。ネタバレあるのでまっさらな気持ちで読みたい方は注意。

14巻の終わりで、六条教授のやり方に疑問を持った、元研究員関ノ瀬さんが紅子にタレコミ。六条教授の研究所は銭天堂をつぶそうとしている、と紅子の科白の中で明記されている。
14巻では具体的なやり方は書かれていなかった、銭天堂を陥れようとするやり方、それは、偽の魔法グッズを作って、それを貰った人がひどい目に遭って、銭天堂について悪い噂を流布させる、というものだった。
15巻では、三人のキャラクターが紅子のふりをしたニセの駄菓子屋から商品を貰い、ひどい目に遭う(ポイントは本日の幸運のお宝との引き換えではなく、ただでアイテムをプレゼントされているということ。紅子は旅先でお世話になった人にお礼で商品をプレゼントしたことはあったが、普段は基本的に本日の幸運のコインとの引き換えでしか商品は渡さない)。異常な勢いで身体中の毛が伸びてしまう「ラプンツェル~プレッツェル~」、普通に身体を動かすだけで3倍脂肪を燃焼させ身体を筋肉質にする「マッチョオーレDX」、お風呂嫌いの子どもが、風呂に入らなくても身体から石鹸の匂いを出して身体もホカホカした感じにしてくれる「クリーングリーンティ」、どれも、その技術をうまく活用させれば人の役に立つすごい発明じゃん、何故銭天堂をつぶすためにそんな労力を、って感じ(そういう意味では、敵役は狂言回しのために動かなくてはならない、という昔話や民話の定義に似ているとも言えるね)。あろうことか、配った商品にはニセ銭天堂のウェブサイトのURLまで記載してあり、ひどい目に遭った人の悪評もネットに続々と寄せられるように。
六条教授の悪だくみと別に、銭天堂の店を閉めて、トランク一つで営業活動をしている紅子が売っている商品は相変わらず魅力的。人の秘密をばらしたくなる気持ちを抑えるための「シークレットタブレット」、人が自分のものをとって行ってしまっても、所有権がちゃんとそのものから浮き出るようにしてくれる「サインコイン」、若返る訳ではないけれど、自分の若い頃の自信を取り戻させてくれる「ピチピチピーチ」、相変わらず説明書き読まなかったり、読んでも途中までしか読んでなかったりでひどい目に遭うお客さまもいるが、六条教授の偽商品が毒吐きまくりなので、それに比べれば穏やかな印象。「ラプンツェル~プレッツェル~」でひどい目に遭った女子高生は、たまたま(この偶然性も昔話的だねぇ)母親が昔銭天堂の商品を買ったことがあって、残してあった「つるつる茶」で無事元の姿に戻れることになったし。

「クリーングリーンティ」でひどい目に遭った男の子が偶然、本物の紅子と遭遇し、紅子も自分を陥れようとしている見えない敵のたくらみを知ることになる。どうなる16巻! 大体年に2冊位のペースで刊行されているようなので、もうすぐ18巻も出るかな。

過去の感想:1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻 10巻 11巻 12巻 13巻 14巻

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