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京都の真ん中の少し北側に住んでいます。

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最近の記事

ありがとう、たまどん

地上波時代からずっと聴いていた「金の国のたまごどんぶり」が終わりました。 私は名物企画【たまバト!】に参加し、俳句をつくる楽しさを久しぶりに味わい、また、ありがたいことに秋/冬/春のすべてで桃沢さんから評をいただくことができ、本当に嬉しかったです。 思い出として送った俳句をまとめておきます。 ⦅秋⦆ パピコから 焼き芋になる 帰り道 ◎ 嘘つきの 逢瀬咎める キリギリス 待ちぼうけ 砂糖多めに 小豆炊く ⦅冬⦆ 初雪が 犬の鼻にて しゅわり溶け ◎ 除夜の鐘 ぼんとなる度

    • 2023/08/18 晴れ

       言葉だけが味方だったのに。どんなに悲しくてもどんなに虚しくても言葉が私の手元に来ない。Poppy Ackroyd と「重力と恩寵」を抱いていれば安心する。アルコールが歪めるのは境界線で、決して私を救いはしない。滲んだ墨汁のように不快が少しあやふやになるだけ。それでいいし、何にも依存したくない。ゆっくりと諦めていきたい、自分を他者を過去を未来を夢を希望を欲望を悲しみを慈しみを後悔を情念を無能を肉体を精神を生を死を。今日もどこかで誰かが私より褒められ蔑まれ愛され憎まれ尊まれ嫌わ

      • 2023/02/12 晴れ

        子犬たちが元気でなによりだ。 彼らは日々わたしを和ませ驚かせ欺きそしてひたむきに愚かさを隠し通せもしないままわたしの前に立っている。 頭を撫でればそっぽを向き、おやつをやればにんまり微笑み、裏切れば音もなく消えてしまう、そんなか細く図太い愛すべき肉球たち。 もともと質より量の睡眠であるわたしの眠りはさらに浅く夢ばかりになっている。 君の腕の中でもそれは変わらず、薄いベールの先に聴こえるラヴィットの喧騒が心地良い。 他者、そして異空間と労働から見逃された睡眠ほど有難いものはなく

        • 真夜中短歌まとめ

          べろんべろんになって書く短歌は楽しい。 と、いうわけで、ここ数日の真夜中に書いたものをまとめました。Twitterくんありがとうね。 曇天が君にお別れ告げる時きっと泣いたろ「またね」惜しんで ミミズ腫れぷっくり茹だる溝溝がタイルの隙間染める薄紅 ただそこにいることだけが楽園と思い込むバク未遂の悪夢 なだらかな気泡の隙間縫い合わすいずれどこにも行けぬ粘膜 神様はきっとあなたの前にいる緞帳の先ほどけたリボン 星の角一つ折るたび暗闇が歓喜するから早く潰えて しゅるしゅ

        ありがとう、たまどん

          2022/04/08 晴れ

          暖かくなってきたからといって全てのものが晴れやかになるわけではない。 相変わらず、日々酒は飲んでは霞んだ瞳でTwitterを見てぐでんと猫背を極めている。多分、冷凍庫でジンを冷やすことを覚えたのが勝因であり敗因でもある。決して凍らないとろとろとした透明をグラスに注いでいると、それだけで気持ち良くなってきてしまうのだ。言葉は武器であり味方であり裏切り者である。美しい言葉を使うならそれ相応の覚悟と対価を支払わなければその言葉の輝きは一瞬でまやかしになる。そんなものは爪をたてただけ

          2022/04/08 晴れ

          2022/03/18 雨

          久しぶりに寒い。 ついこの間まで雪降る日もあったというのに。すっかりここ数日の陽気で耐性がなくなってしまった。雨が降りやまない金曜日はひどく静かで、腕の中で聞く雨音はあんなにも落ち着くのに、そうじゃない時はただただぼんやりとした気持ちになってしまう。体温や寝息を感じながらそっと雨音に耳を澄ます時間は必要な時間だった。ここにいても他所にいても誰といても結局はずっとひとりなのだ、という確信。その、つよくさみしくおだやかな確信による安堵は何物にも代えがたい。お迎えしたばかりの犬が膝

          2022/03/18 雨

          2022/02/28 晴れ

          呪いというものは可能な限り美しい絹で編まなければならない。そう教えたのは神社の端で啜り泣く阿吽の犬であった。幾重にも編み、それに触れたものの皮膚を優しく裂けと。冬仕様に温度が傾き始め、色めく心音達の濁流の中、神様が私のハサミを持つ指先に口付けをした日。砂漠の湖でいようとしたことが酷く分不相応だったことをスナネズミに耳打ちされるまで気付けなかった哀れな雨水の問い。それはあくまでスナネズミの意見であってバイソンに聞けば答えは変わるよと学者は言う。拍手を促す聴衆達。誰も塗りつぶそう

          2022/02/28 晴れ

          2022/01/29 晴れ

          両手を広げていたら花束を貰えるのだと信じていた。垂れ流しのYouTube占い。たった三択の人生ルート。知らない未来の約束されているらしい「幸せ」が今の私を安眠に誘う。タロットがシャッフルされる度に消えていく星々。曇りガラスの結露が部屋の端をうっすらと濡らしていく。眠りの外側に確かにあったらしい朝。雀のまあるい膨らみに目を向けていたらあなたの影がなくなってしまった日のこと。知らないことを知らないと言えるようになった代わりに好きと言うことに躊躇いを感じるようになった正午はひどく気

          2022/01/29 晴れ

          2021/12/31 曇り

          1年が終わる。たった365日、たった12ヶ月。 意固地になっていく、年々。鍵をかけることばかりに慣れたせいだろう。全部に「今は」を脳内でつけることで守られるものなんて大したことないのに。「好き」すらも軽やかに移り変わっていく。久しぶりに見つけた「とびっきり好き」もいつまで続くんだろう。私は油性ペンを持ち合わせていないのである日不意にかすれてしまうのかもしれない。それでいい、そのために今出来る最大限の追い方をしているんだから。誰の考えも借りずにお前の言葉だけで愛を語れ。これは自

          2021/12/31 曇り

          2021/09/11 晴れ

          人と人が近くなる時に多用される手段に「好きなものの共有」があると思う。私はあれの開示がひどくが苦手だ、苦手というか怖くなる、男女問わず相手が近くなればなるほど。 布教と共有は違う。布教は押し付けなので別に嫌われたって鬱陶しがられたって構わないという気合いで臨んでいるので大丈夫だが、共有というと些か及び腰になる。何度かはやるけれどすぐに諦めてしまう。好きが伝わってないという感覚は何故あんなにもありありと辛辣なのだろう。私自身の感性にすら自信がなくなってくる。ただ好きなだけなのに

          2021/09/11 晴れ

          2021/09/03 雨

          フラットでありたい、凪でありたい、自由でありたい、丁寧でありたい、公平でありたい、平等でありたい、優しく思慮深い者でありたい、悠然と揺蕩う者でありたい。 けれど惑う。今だに。メトロノームが加速するのを手で慌てて止めようとしては指が切れる。血が滲む。痛い。悔しくなってガラスコップを壁に投げつけたくなる。でも割れたら片付けないといけないし、新しいものを買わなくてはいけないし、何より寝ている家族をビックリさせてしまう。だから実行はしない。私のなりたいように生きている私ではない人達。

          2021/09/03 雨

          2021/08/30 晴れ

          霞んだ視界の先。文字列の向こう側。 見失った平穏。手のひらからすり抜けた日常。 書きたいことがきらきらとひらひらと塵のように目の前をふわふわと浮かんでいるのだけれど、いざ捕まえて書き上げたところで大事なところは満たされない。産んだのに誰も私を愛さない。あまりに愛されないので、産む、というか堕胎に近いのかもしれないような気がしてきた。 (投稿より1時間後の追記:私を愛さないのではなく、私自身が愛していないのかもしれない。それはとても悲しいことだ。暫く考えてみる) 砂漠のオアシス

          2021/08/30 晴れ

          2021/08/26 晴れ

          なんとなく快方に向かっているようなそうじゃないような。短歌でもラジオに送るメールでも日記でも短歌でもとりあえず何かしら書いていれば落ち着くというか一旦の整理にはなるけれど、打つ手を止めてしまうとモヤモヤモヤモヤと曇り空がすぐに立ち込めてくる。適切だとか割り切りだとか物分かりの良し悪しだとか思考の単純化だとか自信の持ち方だとか、エトセトラエトセトラエトセトラ。 不正解の過去だけが明示されていて、今のことは一切合切まるっと雲のなか。 短歌をまたぼちぼち書きはじめた流れで与謝野晶子

          2021/08/26 晴れ

          2021/08/25 晴れ

          時折、私の輪郭はあっという間に熟れて崩れて見るも無惨な状態になる。ひどい動揺、つよい衝撃、むごい悲しみ。そんな時、私は全てのシャッターを下ろし、誰の手にも触れられない場所に行きたくなってしまう。鬼に怯える子どもの様に。そしてガタガタと震える身体の振動が脳を揺らし、一人でに数珠繋ぎが始まる。それはとても恐ろしいことだった。 シャッターを閉じることをやめたい私にとって、それ以外で破裂寸前の水風船を宥める唯一の方法は「器」になることしかない。溺れんばかりに受け入れて満たしていくこと

          2021/08/25 晴れ

          2021/08/23 晴れ

          何かをつくって残していかないと、この途方も無い空白は塗り潰せない。 飲み込むだけでは満たされない。存在を明白に出来ない。提示し続けるのは自分のため。 古巣の本屋に遊びに行ったら棚卸しで大変に忙しそうだったのでちょびっと手伝った。働きたい気持ちが疼く。労働が好き、というよりは求めてくれる場所や人に貢献したい。存在意義が欲しい。生きているだけでいい、なんて思えないのだ。私は大事な人達にそう言うのに。 1日が長い。寝ても寝ても終わらない。 「あの日、こっそりと決めた誓いをあまく流

          2021/08/23 晴れ

          2021/08/21 晴れ

          自尊心と自己肯定感って一緒じゃない?とよく思う。いつだって褒められたいけれど褒められても埋まらないことも、もう知ってしまってる。生きてるだけで素晴らしい、と大手を振って言えるわたしをつくれなかった時点で終わってんですよ最初から。クラウチングスタートの姿勢をした時点で足の腱を切られてたの、私もお前も鎌鼬の悪戯で。試せるものは全部試して試して試して肥やしに。当たり前でしょう。目の前にはいつだって先の見えない別れ道があって選び続けるしかない。逃げも停滞もないベルトコンベアは止まらな

          2021/08/21 晴れ