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2023/08/18 晴れ

 言葉だけが味方だったのに。どんなに悲しくてもどんなに虚しくても言葉が私の手元に来ない。Poppy Ackroyd と「重力と恩寵」を抱いていれば安心する。アルコールが歪めるのは境界線で、決して私を救いはしない。滲んだ墨汁のように不快が少しあやふやになるだけ。それでいいし、何にも依存したくない。ゆっくりと諦めていきたい、自分を他者を過去を未来を夢を希望を欲望を悲しみを慈しみを後悔を情念を無能を肉体を精神を生を死を。今日もどこかで誰かが私より褒められ蔑まれ愛され憎まれ尊まれ嫌われ祝われ辱められている。繁栄を拒否しながら「生まれてきてくれてありがとう」と伝えるちぐはぐにも慣れた。何にもなりたくない、名前なんて欲しくない。
なぁ、君の瑣末な言葉で奪われた涙を返しておくれよ。