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「思考力」とは? 〜 考えを表現する力編〜

思考力に含まれる5つの力のうち、前回の記事では「メタ認知」について考えてきました。今回は「考えを表現する力」について、具体的に授業の中でどのようにみとることができるのか一緒に考えていきましょう。

まずは、思考力に含まれる5つの力についてあらためて確認します。

前回の記事もぜひご参照ください。


考えを表現する力


今回は、思考力の一つである「考えを表現する力」について考えていきましょう。
 他者との関係性を考えながら自分の考えを適切に表現するためには、どのような力が必要なのでしょうか?

「考えを表現する力」は、以下の 5 つの力から成り立っています。

  1. 表現技法を工夫する

  2. まとめる

  3. 説明する

  4. 意見を持つ

  5. 議論する

では、これら一つ一つの力は、実際の授業ではどのような場面でみとることができるのでしょうか。一緒に見ていきましょう!

1.「表現技法を工夫する」力とは、どんな方法で伝えれば自分の考えや感情を適切に表現できるのかを考える力を指します。
美術の授業の例を見てみましょう!

2.「まとめる」力とは、資料を読み、要点を抽出して明確に提示する力です。
与えられた情報を正確に要約するには、論理的な思考や情報を整理するスキルが必要になります。

読書の例を見てみましょう!

3.「説明する」力とは、複雑なアイデアや概念を他者が理解できるように適切に提示する力です。
説明の言葉に気を配ったり、図や図表、具体例などを効果的に活用することで、複雑なアイデアや概念を分かりやすく伝える力を指します。

プレゼンテーションの例を見てみましょう!

4.「意見を持つ」力とは、自分の考えを言語化して伝える力です。
トピックについて自分が考えたことを意見として言語化し、その上で単なる感想で終わらせず、適切な根拠や論理的な理由に基づいた独自性のある見解として表現する力を指します。

国語の授業の例を見てみましょう!

5.「議論する」力とは、相手の意見を汲み取りつつ自分の主張を伝える力です。
議論では自分の意見を押し通すだけではなく、相手の意見を尊重し、傾聴する力が求められます。その過程の中で、自分の意見と他者の意見の相違点や類似点を整理し、論理的な対立を通じて、適切な証拠や事例を示しながら話し合う力を指します。

英語ディベートの授業の例を見てみましょう!

まとめ

ここまで見てきたように、「考えを表現する力」とは単に自分の思いや考えを様々な方法で伝えることではなく、異なる意見を持った他者との間であっても健全な議論が生まれるように、相手の意見を尊重しつつ、根拠をもって論理的に自分の考えを説明する力を指します。

このような力は、多様な考えが存在し、問題に対する絶対的な解を求めることが難しい環境の中で、互いが納得できる解決方法を対話を通じて探していく上で必須の能力であると言えるでしょう。

次の記事は「調べる力」編です。

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