見出し画像

『好きなようにしてください』楠木建著


はじめに断っておくと、この記事は書評でもなければ、読書メモでもありません。ただただ、『好きなようにしてください』という言葉からあふれる感覚を言葉にしたいだけです。

この本は、読者の仕事に関する悩みに、楠木先生(書中に先生という表現が多かったので引用)が”好き勝手”に答えていく内容です。

お悩みはだいたい1ページ分弱くらい。
対して、楠木先生の返答は4~5ページ分くらい。

余談やどうでもよいこともあわせて淡々としたテンポで綴っていくものですから、あえて、”好き勝手”に答えている、と表現したいものです。



『好きなようにしてください』


大企業とスタートアップで悩んでいる就活生、
ビジネスパーソンとして成功したけど女性としての時間が作れないSIer、
信頼していた部下に不満をぶちまけられた営業部長、

そんな悩みに、『好きなようにしてください』と答えます。


冷たいような、そっけないような、すくなくとも親身な感じはしないし、共感してもらえる気もないです。

その冷たさは依存することを許さず、自分の人生を自分で生きていかざるを得ない現実にもどされます。

だから、一人の人間として自分の行動も感情も思考も、自分の責任の下に判断して、自分の人生を生きていくほかないと感じられるわけです。

「まぁよくわかんないけど、考えても仕方ないからやってみるか」ってなんだか思っちゃうんです。


ぼくは、人から相談を受けることもすくなくないし、当然ながら、ぼく自身もいろんなことに悩んでいます。
(つい先日、えだちゃんも悩むことあるの?っていわれました。悩みクセがあるので、おそらく平均の倍は悩んでるとおもいます。)


相談をすればするほど、相談に乗れば乗るほど、ビジネスや恋愛で誰かと深い関係になって人生が絡めば絡むほど、一人ひとりが自分の人生を自由と責任のなかで生きてることを感じます。
(本のなかで、自由には、目的の自由と手段の自由があるって書いてました。これも面白かったです。)




お悩み相談のなかで唯一、『好きなようにしてはいけません』という答えがありました。そのお悩みは、まわりに迷惑をかけることがほぼ確定している例です。


こういうことを書くと、インドの教えを言われることがあります。

インドでは、「他人に迷惑をかけてはいけない」と教えるよりも、「人は迷惑をかける生き物なのだから他人のことも許してあげて」と教えている


日本の「他人に迷惑をかけてはいけません」の教えと対比されてます。


インド人っぽくて、好きな考え方です。
ぼくもこの考え方を採用してます。だから、ほぼ大抵のことは受け入れられます。

でも、人は自分に迷惑をかける人間が嫌いっていう当たり前にある現実から目を背けることは違います。
さらにいえば、人間は嫌われることが嫌いっていうことも、他人を嫌うことが嫌いっていうこともです。


嫌いの感情がでると、全員がLose-Loseの関係になるので、合理性でみても感情論でみてもマイナスの結果しか生まないんですよね。だから、たしかに楠木先生がいっていることが正しい答えなんでしょうね。




なんだか楠木先生にひっぱられて、淡々とした文章になってしまいました。この言葉がすきです。

冷たい言葉なのに、勇気もわくし元気もでるっていう不思議な言葉でした。


どうお感じになりますか?
それぞれの感じ方や解釈は変わるんでしょうけど、楠木先生はどんな受け取り方をしたとしても、言ってくれるんでしょうね。


『好きなようにしてください』




2020年7月25日
しっぱいノート175日目
えだちゃん。

#しっぱいノート #しっぱい #失敗 #成長 #日記 #人生 #生き方 #ゆるい #心理学 #ビジネス #エッセイ #言葉 #自己表現 #やさしい #おだやか #楽 #楠木建 #自由 #責任 #つめたい #元気 #勇気 #個人


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?