精神疾患に理解を示してくれない家族への対処法
前回、不安障害について記事を書きました。
(思った以上に反響があり感謝です。ありがとうございます🙇)
今回は、精神疾患に理解を示してくれない家族への対処法を書きます。
というのも、つい先日家族に長年不安障害を患ってきたことを打ち明けたのですが、
“不安は程度の差こそあれ、誰にでもあるもの”
というような反応をされ、無性にイラッとしたのと同時に、ふと冷静に理解してもらうにはどうすればいいのか考えたんですね。
“不安障害はたんなる不安ではなく、医学的にきちんと確立された心の病気であり、鬱病との併存率も高い”
と反論しておいたのですが、なんだか釈然とせず…。
ということで、今回は
不安障害とは何か?
不安障害を理解できない家族に対してどう対処すればいいか?
をまとめていこうと思います。
不安障害とは何か?
そもそも、『不安障害』という言葉だけでは、なじみのない人たちに間違った印象を与えてしまう恐れがあります。
私の家族のように、“不安障害は不安が人一倍強い人”という認識をされてしまうと、不安障害の本質まで理解されません。
(本題から逸れますが、PMDD“月経前不快気分障害”のネーミングセンスも個人的にどうかと思う)
不安障害の苦しみの根源には、強い自己否定やそこからくる感情・感覚の抑圧があります。
なぜ不安になるのか。自分が自分を否定する癖がついてしまっているからです。
自分の中で“いじめ”が起こっているので、現実世界で過剰に不安を見出してしまうのです。
自分の心の中が不安定なので、どうしたって外の世界が恐ろしく思えてしまうのです。
なので、不安障害の人に対して、“不安が人一倍強い人なのだ”とだけとらえ、
考えすぎなんじゃない?
もっと気楽に構えてみたら?
みんな多かれ少なかれ不安に感じることはあるよ
などとアドバイスしたとしても、まったく的外れなものとなってしまいます。
不安障害の人は、自分が自分を否定してしまうから苦しいのです。
それを外の社会に投影してしまうので、つらいのです。
人や社会そのものが怖いわけではありません。心の中で“自己虐待”が起こっていて、それを外の世界に見出してしまうから不安に思うのです。
※それも、無自覚に自分を否定していることも往々にしてあり、本人に自覚がないまま不安障害が進行していることすらあります。(もしかしたらこっちのほうが割合的に多いのかもしれません)
そのため、
不安に感じなくても大丈夫
やってみれば案外うまくいくよ
誰だって不安になるもの
といった言葉は、むしろ当事者の神経を逆なでするような、無理解極まりない失言となってしまいます。
不安障害を理解できない家族への対処法
家族やパートナーなどの親しい人たちに、自分の不安障害をわかってもらうためにはどうすればいいのか。
一番に言えることは、
ストレスがかかるようなら、無理に理解を求めるのではなく距離を取る
ということです。
親といえども所詮は他人です。血のつながった親子であったとしても、相手が経験していないことに対して理解を求めることは、限界があります。
そもそも、親は子どもの欠陥を認めたがりません。(※あえてこの表現で書いています)
子どもが精神的な不調を訴えたとき、親は自分の育て方(=親自身)を否定されたような気になってしまうため、子どもが何か訴えても、否定したり拒否反応を示すことがあります。
そこでいちいち傷ついてしまっては、元も子もありません。
“ああ、この人たちの概念には存在し得ないんだな”と諦め、必要以上に理解を求めないように切り替えていくことが必要になってきます。
とにかく、守るべきはあなたの心の体調です。
親しい人に理解してもらえなさそうだなと思ったら、無理に理解してもらうことはせずに、日々の暮らしを心穏やかに送れるよう、あなたの時間と労力を向けてあげてください。
おわりに
思えば、家族からの無理解な言葉は、今までずっと不安障害と向き合っていたようで、きちんと向き合いきれなかった自分の心を投影したものかもしれません。
私自身が、不安障害である自分をずっと差別してきたために、それが家族からの無理解な言葉という形で今回顕在化したようにも思います。
不安障害は“障害”と名前がついていますが、考え方の“癖”として私たちの心に根深く染みついてしまっています。
むしろ、自分を否定することがある意味処世術となってきた部分もあり、その手放しにはかなりの時間を必要とします。
ゆっくりでいいんです。
まずは、不安になってしまう自分を“弱い”とレッテルを貼るのではなく、
“そっか。怖いんだね、不安なんだね。”
と、やさしく受け止めてあげること。
間違っても、立ち止まって動けないでいる自分に追い打ちをかけるように、
『変に思われるぞ』『嫌われるぞ』などと脅したり、鞭を打つような行為はしないであげてください。
あなたが何か直すべきところがあるとしたら、それは不安に感じてしまうところではなく、
不安に感じる自分をネガティブな形で認識してしまう姿勢そのものなのです。
怖くていいんです。
弱くていいんです。
できなくていいんです。
どうか自分を責めないでください。
怖くても、弱くても、できなくても、ただありのままのあなたで、どうぞ堂々としていてください。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました😊🍀
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