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HSPと精神疾患について整理してみた


最近、自分はこれまでどう過ごしてきたのか、何を経験してきたのか振り返ることが多く、

そんな中で、過去に買った精神疾患の解説書を読んでいたのですが、

…これ、HSPじゃない??

と思えるような記述が多くあり、改めてHSPと精神疾患について整理したいなと思ったので、今回はそれを書きます。




さて、最初に私が所持している書籍をざっとご紹介します。


HSPは主に、以下の精神疾患との関連性が高いと言われています。

  • 適応障害

  • うつ病

  • パニック障害

  • 社交不安障害

  • 気分変調性障害


実際、ご紹介した本を読んでみると、HSPの特徴に当てはまる項目が数多く見受けられます。

例えば、“不安やパニックを感じるときに見られる思考の歪み”として、

・先読みの誤り
・心の読みすぎ
・過大解釈
・感情的決めつけ
・「すべき」思考
・レッテル貼り
・自己非難

『不安もパニックも、さようなら 不安障害の認知行動療法』より引用

が挙げられていて、HSPとしてなじみのある単語が並んでいます。

また、気分変調性障害の診断基準(代案)として、

低い自尊心または自信、または自分が不適切であるという感じ
悲観主義、絶望、または希望のなさ
全般的な興味または喜びの喪失
社会的引きこもり
慢性の倦怠感または疲労感
罪悪感、過去のことをくよくよ考える
いらいらしているという主観的感覚、または過度の怒り
低下した活動性、効率、または生産性
集中力低下、記憶力低下、または決断困難に反映される思考困難

『対人関係療法でなおす 気分変調性障害』DSM-Ⅳ TR「研究用の診断基準」より引用

が紹介されています。



精神世界に目覚めてから、宇宙とか超常現象とか好きに自由に記事を書いている私ですが、

改めて精神疾患の解説書を読んでみると、自分のルーツはまさにここにあるのだと感じました。

特に気分変調性障害は、未だに引きずっているところがあります。


気分変調性障害は、「慢性のうつ病」と言われ、“ずっと続くうつ状態”とされています。

診断基準として、

憂うつな気分がほとんど一日中存在し、少なくとも二年間続いている。

『対人関係療法でなおす 気分変調性障害』より引用

とあります。

気分変調性障害は、うつ病と比べると症状が軽いと言われることもあるため、臨床現場でも「性格の問題」と片づけられることが少なくないようです。

私自身、正式に医療機関で診断されたわけではないのですが、感覚として、気分変調性障害は“うっすらと悲しい気持ちがずっと続いている状態”のように思います。

ずいぶんと古い映画ですが、1960年の映画『おとうと』で孤独を抱えた登場人物が、

うっすらと悲しいなぁ。ひどい悲しさのほうがまだいいや。

と吐き捨てるシーンがあるのですが、まさにそんな感じなのです。

特に死にたいと思うことはないし、眠れないわけでもない。

食欲もあるし、調子の良いときは普通に活動できるのだけれど、

心のどこかに常にずっとネガティブな気持ちがあり、それがいつまでたっても晴れないのです。

また、気分変調性障害は21歳未満の発症が多いとされ、そういった点からも、性格なのか障害なのか区別がつきにくい面があります。

気分変調性障害の何がやっかいかと言うと、ネガティブな状態を「性格の問題なのだ」ととらえてしまうので、

自分の中で生きづらさを適切に認識することができないという事態が起きます。

本の中では、気分変調性障害の人はうつ病の人よりも障害度が高く、

対人関係がより困難で、健康状態が悪く、社会機能も職業機能も悪い

『対人関係療法でなおす 気分変調性障害』より引用

とした上で、

気分変調性障害の「重さ」は、症状そのものにあるというよりも、人間として生きていくための基本的な機能にどれほどのダメージを与えるか、というところにあるのです。

『対人関係療法でなおす 気分変調性障害』より引用

と書かれています。

つまり、

ちょっとネガティブなだけ
ちよっと調子悪いだけ
もともと内気な性格だから

と自分の中で勝手に解釈してしまうので、根底にある精神疾患に気づけず、

なんか就職がうまくいかない
人とうまく会話できない
気がついたらいつも孤立している

と、原因がわからないまま生きづらさに拍車がかかった状態に陥ってしまうのです。



「病気」とか「障害」と聞くと、どうしても身構えてしまいます。

なんだか大げさじゃない?
そこまでじゃないんだけど…

と思ってしまいますし、その響きから、

私はそんなんじゃない
私は違う

と、どこかで否定してしまいます。

私自身、不安障害や気分変調性障害の症状があきらかにあったものの、

そんな自分を、どこかで受け入れることができずに生きてきました。


振り返ると、HSPという定義が広まったことで、自分の生きづらさの原因がわかって生きやすくなったと感じる人がいる一方で、

HSPという定義によって自分の生きづらさがぼやけてしまい、適切なアプローチにたどり着く機会を失った人もいるのではと感じます。

HSPとしての生きづらさを因数分解していくと、確実に医療機関の支援が必要な場合もあり、

一人ひとりがHSPの定義と上手に距離感を取り、活用していくことが重要だなと感じます。




HSPが精神疾患を患ってしまった場合、適切な薬物療法やカウンセリングが必要になってきますが、

私自身、医療機関にかかることに抵抗を感じ、これまで治療らしい治療を受けてきませんでした。

しかし、完全ではないにしても、自分なりに効果があったセルフケアの方法
として思うのが、


自分の中にある思い込みを手放す


ということです。

“これをすれば自分は幸せになれる”
“自分はこうでなければならない”

という、刷り込まれてきた思い込みをいかに手放すことができるのか

これが、精神疾患から回復するために一番有効な対策だと感じます。

もちろん一朝一夕でできるものではありませんが、少しずつ自分に語りかけてあげることで、

水滴が石に穴を開けるように、生きづらさの“塊”を小さくすることができると私は思っています。


なにより重要なことは、病気や障害を抱えた自分をまるごと受け止め、共に生きていくということです。

きちんとできていない私が言うのもなんですが、病気や障害を無理に治そうとすると、余計に深みにはまってしまうことがあります。

治そう、治療しようと無理に焦るのではなく、

ダメでいいんだよ
できなくていいんだよ
つらくていいんだよ
悲しくていいんだよ
しんどくていいんだよ
そのままでいいんだよ

と、自分の中に存在していいスペースを与えてあげることで、ずいぶんと生きやすくなることがあります。

そして、そうこうしているうちに、予想外の不安や恐れがわき上がってきても、

“ああいたのね”

程度の認識になり、そのうちに

“そういえば最近見かけないなぁ”

となるのではないかと思っています。


今生きづらさを抱えたHSPさんは、HSPという定義によって救われる部分もあるかとは思いますが、

一人で無理やり問題を解決しようとせず、医療機関やまわりの人を頼ってください。

しんどいのに無理や我慢をせず、まず一番に自分をいたわってあげてください。





※最後に、思い込みを手放すのにこれまで書いてきた記事をいくつか貼っておきます🍀

よかったら、ご自身のセルフケアとしてお使いください。

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