マガジンのカバー画像

旅の日記

5
稲取を訪れた旅人の日記です。
運営しているクリエイター

記事一覧

風待ちの港

風待ちの港

 伊豆稲取という場所に行ってきた。人口5,000人ほどの港街で、漁業では金目鯛と、温泉の観光業で知られている。どこか素朴なところもあり、熱海や真鶴などの地域あたり独特の、太平洋の大きな波が徐々に穏やかになっていく入り江を、ぐるりと半島が囲むようにして出来ていった港街の雰囲気が、不思議と忙しない時間を忘れさせてくれて、それがとても心地よい感覚を作り出していた。

 伊豆稲取は、1年半ほど前に友人が移

もっとみる
水野渚「自分以外の目で世界をみること。自分独自の目で世界をみること。」(2日目)

水野渚「自分以外の目で世界をみること。自分独自の目で世界をみること。」(2日目)

2日目の午前中、ホストの荒武さんと藤田さんが、細野高原を案内してくださった。ススキの高原だ。日本だと、金色のススキと形容するけど、ススキの英訳は、silver grass(銀色の草)になる。色の識別は、かなり曖昧なものだ。ススキは、金色でもあり、銀色でもある。

標高800mほどまで登ると、私たちが滞在している稲取が遠くに見下ろせる。今朝は雲がかかっていたおかげで(?)、空と海の境界がより曖昧で、

もっとみる
水野渚「感じた分だけ時が過ぎる」(まとめ)

水野渚「感じた分だけ時が過ぎる」(まとめ)

今ここ・からみる稲取1日、1日と、わたしの身体に時間が蓄積されていく。
東伊豆から戻ってきてから、2週間以上の時が蓄積された。
その間、海の外では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻がはじまり、世界が一気に「非日常」の雲で覆われた。

どんよりとした雲。一部では、雷が激しくなる豪雨。明日は天気にな〜れ。
そんなことを強く願いながら、また時が蓄積されていく。

よく言われることだが、1日1日の積み重

もっとみる
風の谷のイナトリ

風の谷のイナトリ

今年最初の緊急事態宣言が終わった後の3月、静岡県は稲取に足を運んだ。

稲取は伊豆半島の東側にある、人口5000人ほどの小さな街。

キッカケは友人の高浜くんからのお誘いだった。

大手メーカーに勤めている彼が、年に何度か伊豆でワーケーションをしているのは知っていたし、何度か誘われていた。

私は岡山に住んでいるのだが、3月からしばらく東京に滞在する用事があったので、その道中で稲取に向かうことにし

もっとみる
親戚のお家みたいな港町

親戚のお家みたいな港町

移住した友達に熱烈に誘われたのがきっかけで、静岡県東伊豆町の稲取という小さくて、自然豊かな港町を訪れるのはもう3回目になる。(さっき調べたら地区の人口は5,000人強らしい。)

数ヵ月に1回の頻度だと、もはや旅行ではなく親戚の家に遊びに来ちゃった、みたいな感覚が強い。Google先生に頼らなくても何となく出歩けるくらい、写ルンです持ってっても数枚で満足しちゃうくらいの来訪頻度。

わたしはこの春

もっとみる