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作詞集・太陽と龍の追憶

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昔、バンドを組んでいた時に作詞したものや、新しく書いたものも含め こちらにて公開しております。 歌ってくれる人、使ってくれる人募集中です 詳しくはメッセージか、ツイッターのDMで… もっと読む
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#詞

君の窓に冬が来るよ

真夜中の交差点
電気仕掛けの小鳥が
ピヨピヨ鳴いてる
誰も居ない交差点
電気仕掛けのカッコウ
ひとりで鳴いてる

影が伸びて
風が吹いて
冬が来たよ
僕の街に

真っ暗な交差点
電気仕掛けの小鳥が
信号機の中で泣いてる
誰のための交差点
電気仕掛けのカッコーの巣の上で
ひとり泣いてる

影が消えて
風が冷えて
冬が来るよ
君の窓に

まるで忘れられた海の底で
夜空を見上げてるような
あぶくがひとつ

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作詞:叢雲

もう行かなくちゃ
あてのない日々は
9月で終わりだよ

心変わりしたのは
なんとなく過ぎた
日々に夕立が来て

稲妻のような激しい
事件も失恋もなくて
ただ心に空に広がる
叢雲がいつの間にか
晴れただけ

もう何も見えない
遠く伸びた線路は
何処までも続くよ

嵐の起こる予感さえ
何も感じてなくって
田舎道の踏切をゆく
赤い電車を見送って
気が付いただけ

何気なく風の吹いた
空に心に広がるだけ

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作詩:Nombre

君の憂鬱に名前を付けて
僕の心臓に刻み付けて
君の未来に名前を付けて
僕にだけそっと教えて

低い空の下で自分を偽り
出来ないふりして黙って生きてた
君の憂鬱に名前を付けて
僕の心臓に刻み付けて

暗い空の下で自分を隠し
出来の悪い演技をしてきた
君の未来に名前を付けて
僕にだけそっと教えて

誰とも一緒に旅立つことなく
大きなカバンに詰め込んだ夢
君が選んだ一人の道を
自分の足で歩いてく夢

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【作詞】今日、夏が終わったよ

これで最後だと決めたのに
心が涙をこぼした日
二人が一人に戻るとき
何かが終わりを迎えた日
今日は夏が終わった日

甘えて甘えて優しいあなたの
苦しむ顔など思い浮かばず
甘えに甘えたあなたの優しさ
苦しい顔など見せることなく

これで最後だと思ったから
二人で一緒に笑ってた
あなたは確かに笑ってた
何かが終わりを迎えてた
気付けば夏が終わってた

これで最後だと気が付いて
瞳の奥がじわりと痛んで

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作詞 Verano

ふと気づけば疲れてしまって
地面よりも空が近くて
雨上がりの夜の
無垢な路地を歩く

濡れたままの舗装路
街の灯が跳ね返る
赤から青へ

ふと気づけば疲れてしまって
暮らしよりも海が欲しくて
夏が終わる夜の
無垢な路地を走る

駆け抜けてく舗装路
街の灯が飛び去る
空から海へ

ふと寂しさに疲れてしまって
地面から空を見上げて
見飽きた筈の夜の
無垢な路地を汚す

寝転んだまま舗装路
街の灯が溶け

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君の名前が鳴り止まない

思いのほか短い夏が
意外としぶとく続いてて
それって結局普通じゃん
ドラマチックなことなんて、やっぱり
そんなに中々おこらない

思ったより寒い夜が
いつもより長く感じて
それって季節の変わり目じゃん
ドラマチックな恋なんて、やっぱり
どんなに待っても始まらない

好きだと伝えて返事を待ってる
手紙の色の花が咲いて咲いて
君の名前が鳴り止まない
どんな歌より美しい
君の名前が鳴り止まない

思って

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作詞:狂った青空

作詞:狂った青空

本当に狂った空なんていうのは
何も暴風雨や雷を繰り出す嵐の夜じゃなく
雲ひとつ浮かべる事すら許されず
青ざめたように無表情な空だと思う

何度も見た同じ夕陽が
バックミラーのなかで
遠ざかってゆく

色とりどりの空き缶の
散らばった夜にありがとね
飛び出してきた自転車の
持ち主のヘルメットに羽が生えて
赤いきまぐれ超特急と

狂ったような青い空が広がってゆく
誰も彼も微笑を絶やすことなど有り得ない

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作詞:よりにもよって

僕のことをみんなで
変態だけど紳士だの
明るく豪快兄貴だの
勝手なことを言う中で
君だけが
暗く嫌われ慣れた
何処までも鬱屈した男
それを感じ取ってくれた

よりにもよって
君との約束を守れずに
僕は新しい目印に気付かずに
目的地もわからずに
君をあっさり見失い
鬱屈のランドマーク聳え立つ交差点

5分後の自分と何をするかさえ
決められずにいる僕
よりにもよって君との
約束を守れなかった僕

5分

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サディスティックおとめ情緒

魔法のように愛しくて
呪いのように重たくて
それぞれみんな答えを持って
今度はそれにバツが付く

地下鉄御堂筋線の終点駅を出たら
そこが夜のしっぽ、夢の扉閉じてただいま

ママはあたしを置いて出てった
パパはあたしのカオ知らなかった
それぞれみんな人生があって
今度はそれに狂わされてく

御堂筋千日前通の交差点渡れば
そこはFar Away World 夢の傷は閉じてゆくから

痛くない、もう痛く

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明日、目が覚めませんように

真夜中に出発し
夕暮れ時を目指して
旅に出るサンセット倫理
抱えきれない憂鬱と
こなしきれない現実と
堪えきれない嗚咽から
遠く遠く離れてしまうための寝台特急

悲しいくらい澄んだ目をして
激しい痛みに吐き気を催して
内臓の色をしたあぶくを
こぼして走るサンセット倫理
抱えきれない希望と
さばききれない絶望と
堪えきれない明日から
遠く遠く離れてしまいたくて乗る寝台特急

明日、目が覚めませんよう

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If I Could Fly

暗く曇りがちな午後の窓辺
静まり返った街を見渡して

深く沈み込んだ遅い夕暮れ
黙り込んだ街角にさよなら

僕は行かなくちゃ
今は、まだ曇り空
明日、晴れたら

目玉の中を泳ぐ魚
僕の目玉を泳ぐ魚

黒く塗り潰した青い日々
苛立つ日々とこの街から

僕は旅に出なきゃ
今は、まだ曇り空
明日、晴れたら
僕も空を飛べたら
今は、まだ曇り空
明日、晴れたら
旅に出なきゃ
街を出なきゃ
僕も空を飛べたら

Tears are words the mouth can’t say nor can the heart bear

心がひび割れて
砕けてしまいそうな別れさえ
二か月で遠い過去のこと

心が干からびて
風に飛ばされてしまいそうな別れも
二か月で遠い過去になる

涙は語ることなど出来ず
心に抱くことすら出来ない
ずっと大事にしていたいのに
ずっと大好きでいてほしいのに

最後のフレーズはきっと
別れの言葉だとすら思わない
何気ないフレーズ

心が引き裂けて
体バラバラつくしんぼになりそうな別れを
二か月で遠い過去

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Incinerador

不意に耳に入る
子供なんだかオトナなんだか
出来合いのバンド
鼻につく声、イケ好かない歌
昔から少しも好きになれないのに
わざわざ言うには敵が多すぎて
今でも聞くだけで、グッタリする奴等の歌

他人の買い物カゴを覗く
若く綺麗な人妻らしきひとの
買い物カゴに缶チューハイと梅酒
誰と酔うのか、酔ってなにするのか
大根と挽肉とニンジンと
夕餉と晩酌の後に
誰と酔うのか

大好きだったイエローモンキー

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春先の雨

舞い上がれ
恋焦がれ、憧れて
見上げた空へ

彼方まで
夢に見て、儚くて
夕暮れた空へ

春先の雨は優しくて
世界中の狂気と憂鬱が
僕の背中に降り続いても

舞い上がれ
恋焦がれ、憧れて
見上げた空へ

真夏の嵐は切なくて
死神の微笑と憂鬱が
僕の背中に突き刺さっても

砕け散れ
粉々で、崩れ去って
紫の空へ

秋風が冬を追いかけ
灰色の追憶と憂鬱が
僕の背中で膨らみ続けても
春先の雨は優しくて

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