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海外大学院留学記:アアルト大学でデザイン修士を取得する

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#デザイン

【一問一答】フィンランド・アールト大学大学院に家族でデザイン留学。ご質問にお答えします

2023年5月末にフィンランド・アールト大学を卒業しました。皆様、2年間お世話になりました。本当にありがとうございました。

徐々に僕の経験も古くなっていきますし、僕の仕事も始まるので、なかなかzoomでお話が聞きたい!といった相談にも乗れなくなってくるかなと思っています。そこで今回、僕がお話しできることについて可能な限りここに書き残しておきたいと思います。

以下、Twitterで頂いた質問に回

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「わからなさのデザイン」イントロダクションを公開します。

「わからなさのデザイン」イントロダクションを公開します。

先般2023年5月28日、アールト大学デザイン修士課程の修士論文「Design within Uncertainty: Gathering, generative process, unexpected event」を提出しました。ともにわけがわからなくなってゆくための、「わからなさのデザイン Design within Uncertainty」について探索した論文です。そのイントロダクション(日

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近況報告:フィンランド公共領域におけるデザイン組織の展開とそのエコシステムに関するリサーチをしたり

ちょっとした報告。

最近はフィンランドの公共領域における、デザインや共創など新たなアプローチの展開とそのエコシステムについてリサーチを行っています。

この領域においてはイノベーションファンドであるSITRAが最も有名だと思いますが、他にもヘルシンキ市は2012年にワールドデザインキャピタルに選ばれて以降、ヨーロッパ初のChief Design Officerを採用し、行政内にデザイン組織を持っ

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アアルト大学でまなんでいる3つのこと―多元論的デザイン、社会変容のためのデザイン、サービスデザイン&UX/UIデザイン

アアルト大学でまなんでいる3つのこと―多元論的デザイン、社会変容のためのデザイン、サービスデザイン&UX/UIデザイン

こんにちは。フィンランド・アアルト大学(Aalto University)の大学院にて、Collaborative and Industrial Design(協働・工業デザイン)の修士課程に在籍(2021-2023)している森一貴です。

本記事の目的以前、アアルト大学への出願を検討されている方に向けた記事を書きました。しかし、内容が仔細にわたる割に、結局森自身が何をまなんで(まなべて)いるのか

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根本的な社会の設計思想が違う国としての、日本とフィンランド

根本的な社会の設計思想が違う国としての、日本とフィンランド

フィンランド(の都市部)に暮らしていると、なんかぬっと違和感が立ち上がってくる瞬間がある。特に僕は日本でも地方部に暮らしてきたし、まちやコミュニティという単位でずっと仕事をしてきたから、その違和感は強烈だった。

ぐっと見えてくる違和感は、まちやコミュニティ、あるいは"そのための"活動がない、ということである(もちろん、あるはある)。例えば町内会。町民参加の運動会。こういうものはなさそう。しかしも

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アアルト大学大学院デザイン修士課程(CoID)では何が学べてどんな感じなのか書く

アアルト大学大学院デザイン修士課程(CoID)では何が学べてどんな感じなのか書く

はじめまして、フィンランド・アアルト大学(Aalto University)の大学院にて、Collaborative and Industrial Design(協働・工業デザイン)の修士課程に在籍(2021-2023)している森一貴です。

デザインスクールはイギリス・アメリカの大学群(RCA、パーソンズ、MIT…)がランキングのトップ層を独占します。が、アアルト大学はその中でも、イタリアのミラ

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