dugong

還暦Boyの元ライター

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最近の記事

贔屓にしたい食堂小説

「キッチン常夜灯」長月天音日本の大衆小説に「食堂小説」というジャンルがある。 小説に限らず、映画やテレビドラマ、漫画においてもそうなのだが、飲食店を舞台にしながら、そこをめぐる人間模様を描くものだ。 その嚆矢となったのは、少年ジャンプに連載された「包丁人味平」だと思うのだが、それに連なる「美味しんぼ」や「ミスター味っ子」といった「料理人漫画」では料理あるいは料理人が主役であり、食堂やレストランが主役というわけではない。 古くは「肝っ玉母さん」の蕎麦店「大正庵」や、「渡る世間

    • 飲酒への依存か、運転への依存か

      飲酒運転がなくなりません。 これほど「やってはダメ」と言われていてもなくならない。 事故にまで至らなくとも、ばれちゃったら仕事や、場合によっては家庭まで失うような可能性もあるのにやってしまう。 再発防止のため職場で「アルコール依存」の傾向を調べるアンケートが実施されたりしています。 これはこれで大切なことだと思いますが、アルコール依存と同時に私は「自動車(運転)への依存」にも注目したほうが良いと思っています。 自動車を運転しない人は飲酒運転はしません(できない)。自家用車

      • 未来へもやさしい日本語

        外国から日本に来て、住んだり働いたり旅をしている人のために「やさしい日本語」を使おうという働きかけがあります。 東京都庁のオリンピックパラリンピック準備員会の解説によると「やさしい日本語」とは「普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすい日本語」のことです。 「やさしい」という形容詞より「かんたんな」とか「easy」とかの表現の方が伝わりやすい気もするんですがね。 ところで少し前、「文章を読めない(理解できない)児童や生徒の割合がとても多くなっている」ということが話

        • 2035年の育児ロボット

          子育ては時代を超えて大変なもの。 倫理・道徳的な問題は置いといて、多分今後20年間くらいの間に「育児支援ロボット」が、かなりの発達を遂げるのではないかと予測します。 例えば以下のようなもの。 *哺乳ロボット=ミルク(あるいは搾乳)を自動的に製造しチューブから適温で供給する。飲んだ量や時刻も記録。健康上のアドバイスを行う。オプションで離乳食にも対応。 *自動おしり洗いロボット=小型の洗濯機?みたいなものに赤ちゃんの下半身をいれると、きれいに洗い流し乾燥させ高性能紙おむつ

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          全校生徒1,000人の世界

          最近、ふとしたきっかけで人口動態について興味を持ち、いろいろ調べています。 日本では「少子化」と「高齢化」がセットで進行し、社会・経済の大きな課題となっています。一方、世界の人口は増えていく一方です。 国連の予測によると、今から35年後、2050年に世界人口は95億人を突破するそうです。今から35年前、つまり1980年の世界人口は44億人あまり。 私は1961年生まれ。1980年は高校を卒業し大学に進んだ年です。2050年は、健康と幸運に恵まれ寿命を全うできたとしてぎり

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          101年目のプレイボール

          100年の節目を迎えた高校野球が大詰めに近づいてきました。いろいろな意見もありますが、やはり我々に「夏の原風景」を提供してくれていることは間違いありません。 物心つくとまず、男の子は「僕も甲子園に出たい!」と思います。以前に比べその比率は減っているかもしれませんが、小学生の野球やソフトボールは間違いなく「ぼくたちの(疑似)甲子園」でしょう。 中学生になるとその現実はぐっと近いものになります。また女子生徒にも「高校野球のマネージャーになりたい」とか、ひょっとすると「女子初の

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          泣く子と地頭

          「泣く子と地頭には勝てぬ」最近はあまり目にしないフレーズですね。道理の通じない赤ん坊(泣く子)や権力者(地頭)にはどうやっても勝てないから争っても無駄。従うしかないという意味で、「お上(権力)に弱い日本人の一面」を表していましたが、それも多少変化してきたので使われなくなってきたのでしょうか? 代わりに?最近よく目にするようになった言葉が「地頭(じあたま)」です。英語ではクリエイティブ・シンキング(creative thinking)「創造的思考」や、ロー・インテリジェンス(

          泣く子と地頭

          食の自己超越とは?

          「マズローの欲求5段階説」をご存知でしょうか?マーケティングの基礎として勉強された方も多いと思います。人間の欲求は (1)生理的欲求 (Physiological needs)         ↓ (2)安全の欲求 (Safety needs)         ↓ (3)社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)         ↓ (4)承認(尊重)の欲求 (Esteem)         ↓ (

          食の自己超越とは?

          第三の居場所

          充実した人生には「第三の居場所」(サードプレイス)が必要だそうです。 自宅、職場(学校)と、あともうひとつ。 それはなじみの喫茶店だったり、あるいは居酒屋さんなのかもしれません。趣味のサークルやお稽古事がそうかも。図書館や映画館という人もいるでしょう。 仕事が忙しく自宅と職場の往復で1日が終わり、また家でも家事や育児に忙しい期間は、なかなかこの「第三の居場所」を見つけることが難しいかもしれません。でも、だからこそこれが大切ですよね。昭和のある時期は、自動車の中がそうだった

          第三の居場所

          巣立ちの練習

          職場の軒下でツバメが子育てをしていましたが、先ごろ巣立っていきました。今も近所を「家族」で飛び回っています。夏の終わりには数千キロの旅に出ることでしょう。 またカラスの幼鳥も地上近くで目にすることが増えました。一見親鳥と見分けがつきませんが、くちばしの中が赤く、時折まだ親から餌を与えてもらっています。 鳥たちの子育てを見るにつけ、恐竜の子孫と言われるこの生き物の姿に、哺乳類と重なる「命の原点」を実感し、言いようのない感動を覚えます。 鳥の子育てのクライマックスはやはり「

          巣立ちの練習

          痒い言葉

          なにが苦手といって、蚊に刺されて痒いことほど不快なことはありません。痛みには結構強い方だと思うのですが、痒いのはホントにだめで我慢できません。 皮膚感覚にはさまざまなものがあります。熱い、温かい、冷たい、柔らかい、硬い、痛い、なめらかな、など。そしてこれはどれも「言葉」の形容詞になるんですね。「温かい言葉」「痛い言葉」・・・日常会話の中でも使われると思います。 しかし「痒い」だけは当てはまりません。「痒い言葉」?イメージが湧きませんよね。「むず痒い」というのはありますが、

          痒い言葉

          世代間はローコンテクストで

          あまり横文字は使いたくないのですが、適当な訳語が思い浮かばないので。 ハイコンテクストとは、抽象度が高く、いろいろな意味合いが含まれている文脈。「あうんの呼吸」や「行間」を読み取る文化、コミュニケーションですね。 対してローコンテクストは、あいまいさがなく、具体的でストレートな文脈。多民族国家などでは、いきおいそういう社会になるようです。 日本は世界でも代表的な「ハイコンテクスト社会」と評されているそうで、言葉を額面通り受け取っていては大変なことになります。「つまらない

          世代間はローコンテクストで

          万事窮す?

          タイトルに「漢字、間違ってますよ?」と突っ込んだあなたは、文章に関する仕事をしているのかもしれません。あるいは国語の先生?そうです。正しくは「万事休す」です。 私自身、ある時期まで「万事窮す」だと勘違いしていました。音のイメージとしてそう感じている方も少なからず居るのでは?万事、すなわち全てのことが窮して、困った困った、という状態ですね。 しかし「万事休す」は、その意味を調べると究極に深刻な状態のようです。「もはやおしまいで、何をしてもだめ」「なにもかも終わり」な状態を指

          万事窮す?

          序列と配役

          前回の続きです 「配役では脇役もまた重要」ということを書いたのですが、それは皆さんにとっても自明のことで、わざわざ書くほどのことではなかったかもしれません。ただ、今日の内容の前提として確認しておきたかったのです。 というのは、往々にしてこの「配役」や「役割分担」が、「序列」「力関係」と混同されているケースが見受けられるからです。 「主役の座」を巡る争いというのは避けられないことかもしれません。でも世の中の「役割分担」は、少なくとも現在では「上下関係」とは別に考えた方が良

          序列と配役

          人生の配役

          あなたは主役タイプですか?それとも脇役タイプ? ドラマや演劇には配役があります。主役(主人公)、準主役(助演)、脇役、そして敵役。主役が輝きを放つためには、その周りでそれぞれの役割を果たす脇役の演技がとても大切です。また、面白いドラマにはかならず強烈な敵役がいます。単に憎らしいだけでなく、どこか惹かれてしまうところがある敵役は、作品をとても魅力的なものにしてくれます。小説や漫画でも同様です。 ところで当然のことですが、全員が主役というドラマはありません(希に演出家や脚本家

          人生の配役

          他者からみた自分

          「あの人は思ったことをすぐ口にするタイプだ」とか「腹の中は何を考えているかわからない人だ」。そんな印象が人間関係の中で交わされます。あなたはどんなタイプでしょうか? イエス、ノーで自己評価してみると (1)「本心をそのまま口にするタイプ」 (2)「本音を悟られやすいタイプ」 (3)「誤解を受けやすいタイプ」 (4)「本音は隠しておきたいタイプ」 これ、(4)がイエスだけど(3)もイエスならば、結果としては(2)だったりしやしないか?と、案外複雑な組み合わせになりま

          他者からみた自分