未来へもやさしい日本語

外国から日本に来て、住んだり働いたり旅をしている人のために「やさしい日本語」を使おうという働きかけがあります。

東京都庁のオリンピックパラリンピック準備員会の解説によると「やさしい日本語」とは「普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすい日本語」のことです。

「やさしい」という形容詞より「かんたんな」とか「easy」とかの表現の方が伝わりやすい気もするんですがね。

ところで少し前、「文章を読めない(理解できない)児童や生徒の割合がとても多くなっている」ということが話題になりました。

PISA調査 日本の15歳、読解力15位(「産経新聞」2019.12.3)

教科書が読めない人」は実はこんなにいる (「東洋経済オンライン 2019.9.6)

この理由や対策について、ネット上などでもいろいろ議論されているのですが、私はひとつの理由として「古くなりかけている表現」による伝わりにくさがあるのではないかと考えています。

私自身、戦前の旧仮名遣いによる文書は読むのに骨が折れますし、江戸時代より前の文書は、「それが日本語だ」ということはわかっても、ほぼ判読不能です。還暦が近い私たちの世代にとって慣れ親しんだ文書形式は、10代の子どもたちにとっては、ハードルを感じさせているのかもしれません。

「やさしい日本語」を使うとき、今の時代だけではなく「50年後、100年後の日本語圏の人が読んでもわかりやすい」という視点をひとつ入れてみると、若い人たちにも伝わる文章になるのではないかなあ?などと考えています。

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