どろっぷ/L.S.
詩など。
花崎さんの夏夢高校での生活日誌です。
とあるセカイの夢物語。 ※この小説は「pixiv小説」「小説家になろう」にも投稿しています。
自作曲置き場です。
一人、空を見上げる。君が笑う。 明日、公園で遊ぶ。「友達と約束したんだ」 僕ら、大人になる。いつかは分かってた。 ワイン片手に世界旅行。きっと楽しいよ。 そうしてまた、大人になって。
『貴女が一番』は過去に書いた作品なので続きは未定です
この街一番の繁華街であり、年中シャッター街の続く商店街の真ん中、大きく描かれた太陽の絵の描かれたシャッターを背凭れに寄りかかる彼女に会釈をする。こちらに気づいたようで、『厄介者が来た』とでも言いたげに顔を顰める。 私は軽く現在の状況説明をする。 「ごめん、今日は無理そうだ」 私の足は少し震えていた。 そしたら、ひどく傲慢な彼女は、笑って、 「あら、いつもに増してずいぶん弱気ね。どうしたの」 「いや、今日はそういう気分になれなくて……」 「そんなのじゃあ何も変
朝の通学路、私と春香。 春「それで先輩と曲作ることになったんだ!」 花「そうなんだよね」 春「めっちゃチャンスじゃん!!」 花「うん。とはいえ突然すぎて何がなんだか……」 春「わかるー!頭ハッピーになっちゃうよね!!」 春香の頭の方がハッピーしてそう。 春「まあ、頑張りなされ」 --- さてこの間までは「やっと秋だ。涼しくなってきた」と思っていたのだけど、今日は一転残暑。てかまだ続くんじゃなかろうか。 春「てかさ」 花「うん」 春「一華は秋と言え
9月。少し寒くなりつつある季節の部活の帰り道にて。 白「今日でパートは決まったから良いとして、あとは曲だな」 花「毎年カバーとオリジナルどっちをやってるんですか?」 白「あれ、新歓で言わなかったっけ?」 ごめんなさい。ドキドキでそれどころでは無かったです。 白「まあいいや。えっとね、バンドによって違うんだけど、うちのグループはオリジナル・カバー2曲ずつをやっているよ」 花「曲は誰が考えるんですか?」 白「それが、今まで先輩がほとんど作ってたから今年は作る人が
第二音楽室=軽音楽部部室にて。 「というわけで文化祭がやってくるわよ!」 けたたましい声が部室に響く。そんなことは誰だって承知している。 あっという間に終わった夏休みの次は文化祭、そして軽音楽部的にはライブが待っている。 ライブは軽音楽部内でいくつかのグループに分かれて演奏する。私は白波先輩のグループ「Clover」に入った。メンバーは私、白波先輩、美鈴先輩、夢だが、一つ問題がある。 「さて、うちのグループのパートなんだけど……」 「私はベースで良いけど、他の
「はい、というわけで始まりました『花崎さんの華一杯ラジオ』!このラジオではメタメタなお話や友達のあんな話!?やこんな話!?を聞くコーナーです。ちょっと8月版が作れなかったので、これでお茶濁しということで……」 「私にはそんな騙し通じないよ!」 「というわけで、今回のゲストは春香です」 「よろー」 「第一回は皆の紹介をしたいと思いまーす」 「まずは私だねっ!」 「皆月春香。私の友達です。初めはウザいなと思ってたけどなんだかんだ慣れたね」 「おっ、本人の前でなんだい
「あっつー」 みーんみんみん。窓の外を見るとセミが至る所で鳴いている。 「みーんみんみんみんみんみん」 「夢うるさいー」 「てかコレ作んの疲れたわー」 夢は私に書きかけの。旅行計画を手にしている。 「仕方ないでしょー。先輩方は受験に向けて忙しいし、私だって予約入れてるんだよ?私と代わる?電話する?」 「……いい」 「でしょ?」 とはいえ、私だってこの暑い中わざわざ夢の家に来てまで作業してるのもなんだかな、と思う。 ミ-ンミンミンミンミンミン 「夢う
燃え盛るは花火の様に。私達は心に宿したその信念を元に白波先輩を探す。 案外あっさり見つかった。そして、先輩は軽音の皆と一緒にいた。 先輩と合流後。夢が突然こんなことを言った。 「じゃあここからはペアになって遊びましょ!」 --- さっきから胸が鳴って落ち着かない。隣には浴衣姿の白波先輩がいる。 夢はペア行動を宣言したすぐ後に私達をペアにした。何してくれちゃってるんだ(歓喜)。 とはいえ、先輩の前だと緊張していつもの調子が出ないのが私。うーむ、何話そうか、
お久しぶりです。 いかがお過ごしでしょうか。 私はいつも通りです。 もう一度、この空の下で笑えたらなぁなんで思うのですけど、きっとそれは叶わなくて。 涙なんて出ないから他の人から見たらいつも通りなんですよね。 けれど、心はカッピカピに乾いていて。 そろそろ潤いが欲しいと思うこの頃です。 あの頃は楽しかったなぁ。 皆生き生きとしていて、私も影響を受けて人生一番で頑張っていたと思います。 まあ、今更なんですが。 とまあ、過去譚をつらつらと述べる気も無いので一つ
美鈴先輩とベビーカステラ、チョコバナナ、型抜きと回り、ある程度回ったところで一旦先輩と別れた。先輩はまだ遊び足りないようで、ルンルンとした足取りで人並みに消えていった。 私は人混みの多いところがあまり好きでは無いので、河川敷で休もうとやって来るとその人は居た。 「はぁー……」 そこにその人がいることが不自然だったし、顔色も浮かない感じなので声を掛ける。 「……如月さん、どうしたの?」 「え、……ああ、いや、なんでもない」 声色が明らかに沈んでいる。そして、今
梅雨の明けないこの時期だけど、今日は奇跡的に快晴。神様もこの祭りを楽しみにしていたみたい。 もちろん楽しみにしてるのは私達も同じで、特に如月さんは前日の部活の時から燃えていて、 「まずはたこ焼きとりんご飴を食べて、射的と型抜きは外せない!あっ、金魚すくいもやらなきゃ!」 などと、一人で必死に計画を立てていた。 かくいう私も如月さんほどでは無いけど、ある程度の計画は頭にある。もちろん、白波先輩とお近づきになる機会も設けるつもりだ。頑張るぞー!と意気込んだ。 ---
如月さんを見つけて帰ってきた後、私達は4人で協力して勉強した。 その時に知ったのだが、如月さんはイギリスに住んでいた時期があり、その影響で英語が抜群にできることが判明した。 これは3年生の白波先輩の英語力を超えて、勉強会の最後の方は如月さんが白波先輩に英語を教えると言う、彼女の独壇場になった。もちろん、私も教えてもらった。皆、得意分野があって凄い。 その後、自宅でも猛勉強し、迎えた高校初のテスト週間。初めてにしては先輩方の力もあって、手応えは悪くなかったと思う。
私に好きな人ができた。背の高くて気遣いのできる優しい、一つ上の先輩だ。 きっかけは、私が中学生の頃に観に行った夏校の文化祭で先輩がライブをしているのを見たことだ。先輩の一生懸命だけど、どこか余裕のある弾きっぷりはカッコ良さを感じさせた。 私はライブが後に先輩に話しかけに行って、そこから私のことを知ってもらった。 高校はもちろん先輩のいる夏猫高校にした。もともと学力的にちょっと頑張れば届く距離だったし、私立だから設備も整ってて良いかなと思った。もちろん決め手は先輩が
梅雨。雨模様で青空の見えない日が続く。空を灰色の雲が覆う。もしかしたら、このセカイの空はもとからこんな色だったかもしれない。 「というわけで勉強会をするわよ!」 しとしとと降る陰気な雨とは対照的な如月さんの明るい声が第二音楽室に響き渡る。空気が固まる。如月さんはどうやら白波先輩に向かって放った言葉らしいが、当の本人はポカンとした顔をしている。そりゃそうだ。如月さんは、なんの前振りもなく突然立ち上がって叫んだのだから。 沈黙を破るように美鈴先輩が口を開く。 「それっ
「……でこの形がCコード」 「えっ、辛っ……」 「こんなので根をあげてちゃ基本コード弾けないよー」 「まじですか……」 私は今日も第二音楽室(軽音楽部の部室だ)で白波先輩からギターを教わっている。けど、 「うわぁー、無理っ!」 難しいのである。早くも挫折しかけている。 なにせ弦を抑える指が痛い。弾き慣れている人は指の先が硬くなってて痛くないらしいんだけど、初心者は指の先が柔らかくてすぐ皮が剥けるらしい。何それ怖過ぎる。 「今からカスタネットに転向していい