貴女が1番<1-1>
この街一番の繁華街であり、年中シャッター街の続く商店街の真ん中、大きく描かれた太陽の絵の描かれたシャッターを背凭れに寄りかかる彼女に会釈をする。こちらに気づいたようで、『厄介者が来た』とでも言いたげに顔を顰める。
私は軽く現在の状況説明をする。
「ごめん、今日は無理そうだ」
私の足は少し震えていた。
そしたら、ひどく傲慢な彼女は、笑って、
「あら、いつもに増してずいぶん弱気ね。どうしたの」
「いや、今日はそういう気分になれなくて……」
「そんなのじゃあ何も変われないわよ。貴方、自分の心に決別する為に-変わる為にこのセカイに入ったんでしょう?なら、最後までその決意、強く持ちなさい。甘くないのよ、人生は。舐めてると直ぐに死んでしまうわ。そんな事よりそろそろ行きましょう」
「え、ちょっと待ってよ。行くって何処に……」
「何処って決まってるでしょう。今日のミッションへよ」
ああ、何て強引なんだ、誰かこの人の暴走を止めてくれないか……
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