バートルビー、あるいは革命と批評をめぐる走り書き
以前、メルヴィルの「書記官バートルビー」を読んだというHさんが「わたしのことが書いてある、バートルビーはわたしだと思った。でも本当に使えないおっさんと一緒にされたくない」と言ったので、思わず「いや、その本当に使えないそのおっさんこそがバートルビーですよ!」と力説したことがある。「書記官バートルビー」とは「せずにすめばよいのですが……」と言いながら仕事を断りつづけ、よくわからない理由で弱って死んでいくという、それだけの話なのだが、世のあまねく人々の「仕事したくない」という気持ち