同じことをくり返しているとして、われらは何をくり返しているか/12月3日(日)〜12月9日(土)

12月3日(日)

好きなブランドの最後の展示会へ。18年続いたブランドが解散になるというので、お別れの挨拶がてら顔を出した。普段服にこだわりはなく、おしゃれな空間は気後れするので、友人にもついて来てもらう。服が好きなわけでもなくおしゃれでもないわたしにとってこのブランドは特別だった。服を着てもいいと思えるのはこのブランドがあるからだった。
以前ここのデザイナーさんに「服が似合わない」と言われたことがある。何人かの人があれはひどい発言だったと言ったけれど、わたしはそうは思っていなかった。わたしと服の不和を誤魔化さずに言ってくれてうれしかった。わたしは服なんてなければいいと思っている。たぶんデザイナーさんもそう思っていて、だからわたしはここの服を安心して着ていたのだった。服なんて本当はどうでもいいと思っている人が丁寧につくっている服にくるまれているときだけ得られる安心があった。

最後の記念と思ってワンピースを買った。

12月4日(月)

昼、貰いものの地鶏を使って親子丼をつくる。つゆが濃すぎてどす黒い色になった。その後オンラインで読書会、仕事をこなす。

12月5日(火)

7時前に目が覚める。今日は絶対に起きなければいけなかった。今日はごみの日。先週寝坊したので大量にごみがたまっていた。ごみ袋4つ、無事出せた。

12月6日(水)

午前中は図書館に行き、夜は若い人たちのお祝い。「文学史って同じことのくり返しでしょう?」とわたしが言うと、「そうですよね、結局私小説がどうのというのをくり返していて……」と言っていてハッとした。間違ってない。間違っていないのだが、微妙にわたしの認識と重心が異なっていたのがおもしろかったのだ。文学史は同じことのくり返し。とはいえ、個別具体的な事象は異なっており、そこで何をくり返していると取るかは人によって異なる。だからいくつもの文学史が書かれる。文学史を私小説のくり返しとみるのは斎藤美奈子史観と言ってもいいだろう(詳しくは『日本の同時代小説』(岩波新書、2018年)などを参照。斎藤美奈子の近年の良書である)。

わたしならば、「文学が政治や社会とどう接点を持つかをくり返している」と言うだろう。もちろん同じことを指している。

12月7日(木)

3時間ほど寝てからバイトへ。作業がまったく捗らず。クビにはなりたくないが、このままだとクビだ。どうすれば……。

12月8日(金)

歯医者。そのあとぐったりする。メールをいくつか返す。夜夕飯をあっためていたら、同居人の友人で1週間ほどの予定で家に滞在している人もリビングにやってくる。普段は沖縄の離島に住んでいるが、仕事やら何やらでよく上京してくるのだ。彼女のスマホ画面がたまたま目に入る。雀魂! すかさずわたしも雀士であることを告げ、きゃあきゃあ麻雀トークで盛り上がる。三麻が好きとのこと。なんか、ローカルルールありますよね? あれなんだっけなあ、と言っていみたが、相手は知らないようだった。でもいま思い出した。フィーバー三麻だ、あれは。

12月9日(土)

昼にプーパッポンカリーをつくる。調味料は、あらかじめ調合されているものを購入。記載されている材料はネギだけなので、以前店で食べたものを思いだしながら、エビやしめじ、玉ねぎなどを追加。おいしくできる。仕事は捗らず。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?