書こうが書くまいがそんなことはどうでもいい/12月24日(日)〜12月30日(土)

12月24日(日)

クリスマス気分に屈しないという強い気持ちでぶり大根をつくる。案外めんどくさくてびっくり。

12月25日(月)

朝起きてだらだら骨つきチキンを食べていたら15時。結局クリスマスに屈しているし、年末モードになっている。仕事をしなければと思いつつスタートが遅れた日はつい遊んでしまう。MADARAMANJIさんという美術作家の作品集を買いに代官山蔦屋書店へ。作品もいくつか展示されていた。見たいと思っていたので見れてよかった。

12月26日(火)

病院。テープ起こし30分。昼に入ったカレー屋が、しばらくみないうちにオムライスやナポリタンも出す洋食屋になっていて、諸行無常というか、どこも厳しいんだなと思う。カレーはおいしかった。パクチー大盛り無料は無くなっていた。

12月27日(水)

ご飯を食べた後、意を決して運動リングフィットを30分ほどやり(画面上は18分)、物足りなかったのでその後20分走った。筋肉痛が楽しみ。

12月28日(木)

今日は朝から晩までフェミニズムのことを考えていた。バイトだったけど、バイト中も考えていた。考えたことを日記に書いて半分消す。これはわたしだけがわかっていればいいこと。

バイトの帰り際に模索舎に寄った。ゆとり世代フェミニズム『呪詛』vol.5、『なnD』8,9、秋山洋子『フェミ私史ノート』(インパクト出版、2016)を購入。

『フェミ私史ノート』は一瞥して「あれ、これわたしが持っているやつと違う……復刻版かな?」と思ったのだが、よくよく確認したらわたしが持っているものは同著者の『リブ私史ノート』だということに気づき、ではこれも買っておこうと思って購入した。

『なnD』はキデンセンが載っているので購入。キデンセンはわたしが大学院くらいのときに活動していたZINE集団で、浅草キッサ、イヴ・ラーメン、MEGOMIの3名からなる。鼎談がいつもおもしろくて、最近はZINEは出していないけれど『なnD』によく出ているのは知っていたから買った。3人ともとっくに社会人で、冊子をつくるのはもう大変なんだろうけど、いまだにこうやって活動していてファンとしてはうれしい。鼎談の中で「佐々木敦がやっていることは推し活」という話をしていてなんかおもしろかった。

そして『呪詛』vol.5、これが本当によかった。浅田瑠衣さんとべかおさんの対談から読みだしたのだが、このZINE自体がフェミニズム実践のひとつだと実感できるような内容になっている。編集長はおらず、次の号を出したい人が声かけをしていくということが慣例になっており、しかしここ数号は浅田さんが中心になっていること、表紙はたまたま女性器で統一されているけれど、装画は毎回違う人にお願いしていて「何でもいいですよ」と言っているのだけどみんな女性器に挑戦したくなっちゃうのだということ、しかし女性器がない人は受けつけないというメッセージを発していないかは気がかりであるということ、他の執筆者に対する感想や意見は匿名フォームから言えるようになっていること、しかしそれも監視されているように思われるという意見もあるということ、増刷にも細心の注意を払っており、電子化はしないことなど、ひとつ一つの取り組みとそれに対するベストな答えなどないという、試行錯誤のなかでつくられていることがわかって本当にいいというか、参考になる。

過去の寄稿にもいくつか言及されていて、読み直そうと思った。特に印象的だったのが、創刊号に載っている東洋鍋子さんの「便所からの解放を叫んでもいいし、叫ばなくてもいいし、そんなことはどうでもいい」という原稿にまつわる言及で、みんな年を経るごとに「最近フェミニズムできてなくて……」と言って寄稿をためらうようになるのだそうだけど、そういう人でも聞いてみるとずっとフェミニズムの話をしていたりするし、まさに「便所からの解放を叫んでもいいし、叫ばなくてもいいし、そんなことはどうでもいい」と。創刊号だけ持っていなくて悔しいけれど、これもまたZINEの運命。

やれてないっていう気持ちに苛まれもするけど、でも「しないフェミニズム」(セクハラ発言に同調しないとか)もあって、それだけで状況は良くなっているんだと(わたし自身を振りかえっても、何も感じていないわけじゃないけど態度を決められずにへらへらしちゃうときとかあるから、そうだよな、その場に毅然とした人がいるだけで全然違うよなと思い直した)。そういうことがつらつら語られていて、フェミニズムを取り巻く状況は日々刻々と移り変わっていくけどそれにくらべてわたしは……と思っていたけど、この温度この感度この深度で考え続けている人たちがいるんだと、それは寄稿ひとつ一つを読んでもそう思って、挫けそうになる気持ちを引き止めてもらったようでうれしかった。

本当に全部それぞれよかった。それぞれの持ち場でみんなできることをやっているんだなと。changmoさんの「ノコギリを買ったら男女を問われた」文章は好きで音読した。柳川麻衣さんの「九十年代フェミニズムにうっすら反感を抱いていたロスジェネが、上野千鶴子を読んでみた」で触れられていた小倉千加子のスタンスに胸を打たれて思わず『ザ・フェミニズム』を注文した。村上さつきさんの「周縁の周縁の周縁の君へ」は、人によっては伝えにくいだろうことを勇気を持って主張されていた。この雑誌があって本当にありがたいと思うと同時に、さてわたしは何をしよう、とわくわくした。わたしにできることはわたし一人分のことでしかないけれど、それでいいよって背中を押された気がした。

12月29日(金)

一日中日記を書いて過ごす。仕事する気にはなれず。夜、自分の今年1年の所業を思いだし、全然フェミニストやれてなかった!という気分になる。

12月30日(土)

仕事をして、その後忘年会に参加。社交を避けると言いつつ、やはりときどきは人に会いたくなる。段ボールを捨てるのはハードル高いというので盛りあがったのがハイライト。大きさの違う段ボールを紐で結んで指定の曜日に出す、これが恒常的にできている人はすごい。わたしもシェアハウスに住むまでは段ボールに囲まれて暮らしていた。ひもはむずかしいので、剥がれやすいガムテープで止めて出している。


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