マガジンのカバー画像

別冊 夢想ハウス.にこにこ

14
毎月SHOWROOMで朗読配信した後に、朗読した作品、作家について好きに語ります。
運営しているクリエイター

#怖い話

画一的「個性」の時代:山川方夫「お守り」について

画一的「個性」の時代:山川方夫「お守り」について

こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。
今月は初挑戦!山川方夫先生の「お守り」を読みました。

👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻

出会えてうれしい、山川方夫先生の世界

趣味と実益を兼ねた青空文庫の散策で出会った今作。
山川方夫作品、恥ずかしながら読んだことなかったんですよね…
『夏の葬列』はタイトルだけ知ってたから、夏だし読んでみよう、と思ったらすごく良くて…

もっとみる
握り返す手はだれのもの:久生十蘭「黄泉から」について

握り返す手はだれのもの:久生十蘭「黄泉から」について

こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。
今月はだいすき久生十蘭先生の「黄泉から」を読みました。

👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻

ネタバレのないあらすじ

終戦後初の7/13、お盆入りの1日の話。
ヨーロッパで敏腕仲買人となり、「抜け目なく立ち廻ることだけが人生の味」となっていた魚返光太郎。敗戦すら逆手にとって金を稼ぐ彼にとって、今日もただ商談で忙しい1日でしかな

もっとみる
「よくわからん」が一番こわい:岡本綺堂について

「よくわからん」が一番こわい:岡本綺堂について

こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。
今月は、原点である(?)怪談に立ち返って岡本綺堂「怪談一夜草紙」を読みました。
前回の久生十蘭「春雪」では春の美しさに感動していましたが、今回は5月のある雨の夜に起きた、奇妙な事件の話です。今夜もじめっと元気にいきましょう!

👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻

日本のホームズ「半七」シリーズ

岡本綺堂作品といえば、去年はじめ

もっとみる
手招きする「秘密」の誘惑:江戸川乱歩について

手招きする「秘密」の誘惑:江戸川乱歩について

こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。
今月はついに、江戸川乱歩の「日記帳」を読みました!このnoteを始めてから初挑戦の乱歩作品。雑誌「新青年」にふれる度、日本探偵小説界の黒幕のようにちらちらと見え隠れしていた乱歩先生です。

👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻

⚠ 今回はネタバレしかないので、未見の方はぜひ先に読んでください!

あらすじ、そして湧きおこる疑念

もっとみる
幻想の客体に体温を:蘭郁二郎について

幻想の客体に体温を:蘭郁二郎について

こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。
11/17(金)の朗読では、蘭郁二郎「蝕眠譜」を読みました。
いつもタイトル画像に作家の顔写真を入れるのに、蘭先生全然ヒットしなくて…ちょっと寂しい感じ。

👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻

蘭郁二郎の怪しい世界

蘭郁二郎という作家をご存知ですか?
1931年、江戸川乱歩全集の付録冊子「探偵趣味」にて、読者から掌編探偵小説を

もっとみる
ホラーという脊髄刺激装置:葉山嘉樹について

ホラーという脊髄刺激装置:葉山嘉樹について

こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。
10/20(金)の朗読では、葉山嘉樹「死屍を食う男」を読みました。

👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ登録して聴きに来てね🍻

出会いは「セメント樽の中の手紙」だった

葉山嘉樹といえば…学生の頃に授業で読んだ「セメント樽の中の手紙」。
以前朗読したことがあるけど、コメント欄は凍り付いていた。遣り切れない読後感を共有した思い出…。
葉山嘉樹

もっとみる