乃木 ナツミ

SHOWROOM「夢想ハウス.にこにこ」にて月一で朗読配信しています☞ https:/…

乃木 ナツミ

SHOWROOM「夢想ハウス.にこにこ」にて月一で朗読配信しています☞ https://www.showroom-live.com/r/7f1e63457877  140文字に収まらない書きたいことを書くよ。よろしくね~っ アイコン📸by Shinsuke Kawakita

マガジン

  • 別冊 夢想ハウス.にこにこ

    毎月SHOWROOMで朗読配信した後に、朗読した作品、作家について好きに語ります。

  • にこにこ旅行記 海藻とゆく

    旅行先の特に心に残った場所、食べ物、宿などについて書きます。

最近の記事

手品師、春を告げる:久生十蘭について

こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。 今月は、超名作!!久生十蘭「春雪」を読みました。 前回の江戸川乱歩「日記帳」で弟の日記にガタガタ震えていましたが、今回はそんな寒い冬の夜から一転、雪がとける春の美しさを思わせてくれるお話です。 👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻 久生十蘭について 久生十蘭の文章はまさに「手品」「魔術」といった感がある。 ユーモアはありつつも読みやすいプレーンな文章。スルスルと読み進めているうちに、予想もしなかった場所に到着し

    • 手招きする「秘密」の誘惑:江戸川乱歩について

      こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。 今月はついに、江戸川乱歩の「日記帳」を読みました!このnoteを始めてから初挑戦の乱歩作品。雑誌「新青年」にふれる度、日本探偵小説界の黒幕のようにちらちらと見え隠れしていた乱歩先生です。 👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻 ⚠ 今回はネタバレしかないので、未見の方はぜひ先に読んでください! あらすじ、そして湧きおこる疑念 初めて読んだ時は、「若くして死んでしまった弟の初恋が、暗号の細工なんてしてしまったため

      • 人生を彩る「毒」、その致死量はいかに:小酒井不木について

        こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。 今月も1月に引き続き、小酒井不木作品。 医学博士でもあった彼ならではの冷静な視線が感じられる(※伏線)会話劇ミステリ「卑怯な毒殺」を読みました。 シーン…と静まりかえった病室の夜。包帯だらけの異様な状態で横たわった男と、そのベッド脇に立った干物のような痩躯の男…。 この最初の絵面だけで、なんだかどきどきしちゃうなあ…。 👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻 これまで読んだ不木作品「血の盃」「死体蝋燭」「犬神」もそ

        • 恐怖の胚珠:小酒井不木について

          こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。 2024年、始まりましたね~! 昨年末は、怪奇小説→科学小説へと舵をきった二人の作家、蘭郁二郎と海野十三の作品を読みました。 今年の朗読はじめは、1/12(金)、小酒井不木のじめっと恐い話「犬神」でスタートです! 👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻 不木先生と乱歩先生 小酒井不木は生理学・血清学を専攻とする医学博士である一方、海外探偵小説の翻訳もしていた。よくこのnoteでも言及している1920年創刊の雑誌『

        手品師、春を告げる:久生十蘭について

        マガジン

        • 別冊 夢想ハウス.にこにこ
          10本
        • にこにこ旅行記 海藻とゆく
          3本

        記事

          2023年活動報告

          大晦日だ~! 2023年も今日でおしまいなので、今年の活動を振り返ってみるよ。 今年もおかげ様で、朗読配信を続けることができました! いつも来て下さる皆様ほんとうにほんとうにありがとう。来年も楽しいひとときにできるよう頑張っていきますので、何卒聴きにきてね♪2024年もやっていくぞ🔥 👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻 🍶新年会は1/12(金)21:00~🍶 1月は兎年ということで、兎にちなんだクスッとする話。小川未明作品は、作家別に数えると一番読んでる気がする。

          2023年活動報告

          きつねとりすを眺めよう:北見・網走エリア

          さあ、今回で道東旅行記も最終回となりそうです。 3つの湖を巡った後は、北見を通って網走へ。北見ではきつね、網走ではリスの、カワイイ写真が掲載された記事となっております。 癒しのひとときをお楽しみください。 北見エリア北きつね牧場 大好きなくまきちも行っていた、あの北きつね牧場です! きつねは夜行性なので、私が伺った昼前にはほとんど寝ていたけれど、寝ている姿もめっちゃかわいい~…。 もう言葉はいらないですね。最高のスポットでした。幸せ。寝息が聞こえてきそう。この記事を書

          きつねとりすを眺めよう:北見・網走エリア

          科学と浪漫の大爆発:海野十三について

          こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。 2023年もいよいよ年の瀬を迎えようとしていますね~。 年内最後の朗読配信、12/15(金)は海野十三の「仲々死なぬ彼奴」を読みました。 👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻 海野十三作品、初挑戦でした! 恥ずかしながら全く読んだことがなくて…瀉葬文幻庫が『火葬国風景』を上演していた時に気になって読んだことがあったんですが、他の作品は読んでなかった。 前回読んだ蘭郁二郎に出会い調べていくうちに、彼が海野十三に導か

          科学と浪漫の大爆発:海野十三について

          虫よ、時速20キロ以下で来い:弟子屈旅行記

          さて、前回に引き続き夏の道東旅行…って何か月あけてるねん!!今年が終わるわ!! 部屋の寒さと、放置していた現状に震えが止まらないですが、書きます。最後まで!年内に!ヤー! 前回は帯広→釧路と進みました。 いよいよ弟子屈(てしかが)方面へ…阿寒湖・屈斜路湖・摩周湖を巡る! ※正確には阿寒湖はまだ釧路市でした… 真夏…特に道東エリアってけっこう虫がいるんやね。北海道って涼しくて虫少ないこの世の楽園なんやと思ってた。白いレンタカーがぶつかってくる虫たちで汚れまくってびっくり。

          虫よ、時速20キロ以下で来い:弟子屈旅行記

          氾濫原4『星の王子さま』🦊🌌

          2023/12/3(日)、高円寺K'sスタジオ本館にて昭和精吾事務所主催の『氾濫原4』という企画に出演させていただきました。 企画自体は12/2・3の二日間あったんですが、私は日替わりゲストで3日のみの出演。 サン=テグジュペリ『星の王子さま』のキツネ役を務めました🦊 そもそものご縁はこのnoteの初投稿となった、今年7月の瀉葬文幻庫主催の『耳憑夜』@池袋手刀…。 この日に昭和精吾事務所のこもだまりさん、イッキさんと対バン(?)したのをきっかけに、今回お誘いいただけました

          氾濫原4『星の王子さま』🦊🌌

          幻想の客体に体温を:蘭郁二郎について

          こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。 11/17(金)の朗読では、蘭郁二郎「蝕眠譜」を読みました。 いつもタイトル画像に作家の顔写真を入れるのに、蘭先生全然ヒットしなくて…ちょっと寂しい感じ。 👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻 蘭郁二郎の怪しい世界 蘭郁二郎という作家をご存知ですか? 1931年、江戸川乱歩全集の付録冊子「探偵趣味」にて、読者から掌編探偵小説を募集したところ、「息を止める男」が佳作入選し掲載された。この時わずか18歳。 その後も

          幻想の客体に体温を:蘭郁二郎について

          ホラーという脊髄刺激装置:葉山嘉樹について

          こんばんは。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。 10/20(金)の朗読では、葉山嘉樹「死屍を食う男」を読みました。 👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ登録して聴きに来てね🍻 出会いは「セメント樽の中の手紙」だった 葉山嘉樹といえば…学生の頃に授業で読んだ「セメント樽の中の手紙」。 以前朗読したことがあるけど、コメント欄は凍り付いていた。遣り切れない読後感を共有した思い出…。 葉山嘉樹 セメント樽の中の手紙 (aozora.gr.jp) この作品はプロレタリア文学として

          ホラーという脊髄刺激装置:葉山嘉樹について

          犬は遠吠えをする。影は永遠に追ってくる。:萩原朔太郎について

          おはようございます。月に一度の別冊夢想ハウス.にこにこです。 9/22(金)の朗読では萩原朔太郎の詩を読みました。 主に「月に吠える」より序文と抜粋したいくつかの作品、そして「宿命」より「死なない蛸」。 始めは「純情小曲集」「青猫」からも何作品か…と思っていたのですが、「月に吠える」の序文がすごく好きだったので絞ってみたよ。 私が購入したのはちくま日本文学全集。 寺山修司も持っているんだけどこのシリーズ好き!ルビが読みやすいし、なんとなく珍しい作品が入っている気がする。

          犬は遠吠えをする。影は永遠に追ってくる。:萩原朔太郎について

          幸福なマズメ:帯広・釧路旅行記

          朗読作品に対する思いを綴った「別冊 夢想ハウス.にこにこ」に引き続き、旅行先について書くマガジンを始めるよ~。 「海藻とゆく」というタイトルは旅先で絶対に便秘になる繊細な私からの、海藻を食べながらいけばわりと健康に旅が続けられるよっていうちょっとしたアドバイスな✨ 記念すべき第一話は、8月中旬に夫と旅をした道東のこと。 帯広→釧路→弟子屈→北見→網走と巡りとても1回で書ききれないため、今回は帯広・釧路エリアにしぼってみる。 帯広エリア幸福駅 六花の森、六花亭アートヴィレ

          幸福なマズメ:帯広・釧路旅行記

          萩原朔太郎と室生犀星について:たちの悪い年増女とヒユーマニチイの祕密

          8/25(金)、SHOWROOM<夢想ハウス.にこにこ>にて61作品目『田端に居た頃(室生犀星のこと)』を朗読したよ。 前回、室生犀星の『蛾』を読んだ。調べていると室生犀星のエピソードがかなり独特で興味を持ったので、生涯の友である萩原朔太郎によるエッセイを読んでみた。室生犀星と萩原朔太郎、両名の人柄がわかる作品で面白い。 萩原朔太郎 田端に居た頃 (室生犀星のこと) (aozora.gr.jp) 👆ここで毎月朗読してる📚 🐸友ってなんだろう。愛ってなんだろう。グーグー…

          萩原朔太郎と室生犀星について:たちの悪い年増女とヒユーマニチイの祕密

          檸檬、それは新しい風🍋:国語教師のオンライン講義を受けてみた。

          8月2日。夏のお昼間は、涼しい部屋で読書に限る。 オンライン読書会<京都朱雀町喫茶室BOOK CLUB>にて、梶井基次郎「檸檬」の読解をこころみた話。 学びのプラットフォーム「MIRAI」 学びのプラットフォーム「MIRAI」って、知ってるぅ? 待って勧誘じゃない。何も売りつけたりしないからページ閉じないで~。 MIRAIは立命館大学が運営している、誰でも講義を受けられるサイト。歴史や統計学など、その時々でいろんな講義が開催されている。 目に留まったのは今回の「【オン

          檸檬、それは新しい風🍋:国語教師のオンライン講義を受けてみた。

          室生犀星のこと:川は羊羹のように流れてゐる

          朗読を始めてから、よくもまあこんなに次から次へと読みたい作品に出会えるなぁと日本文学の素晴らしさに驚嘆しているが、なんと先ほど2023/7/21(金)の朗読配信にて、60作品目に到達しました🎉室生犀星『蛾』を読んだよ。 犀川へ魚を獲りに行ったきり帰ってこなかった川師・堀武三郎だが、四十九日目に突然家へ帰ってきて、どうも様子がおかしい。妻・おあいは堀の荷物の中に立派な塗櫛を見つける。そこへ「このあたりで落とし物をした」という女が家を訪ねてきて…といったあらすじ。 なんだこの奇

          室生犀星のこと:川は羊羹のように流れてゐる