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コーヒーと写真と、人に会う 京都.

こんにちは。

毎年お客さんとして行っていたKYOTOGRAPHIEという国際写真祭に、サポートスタッフとして参加をするため、京都に行ってきました。

どこかに行く、わざわざ行くということが自分にとってどんなことだったのか、改めて考える時間になったので、撮った写真とともに残しておこうとおもいます。

よければお付き合いください☺︎


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Being a stranger -日常から距離をとる-

はじめて海外で1年を過ごしたとき、自分の見えているもの、認識しているものの狭さと少なさを目の当たりにして「知らないものは選べない」ということを痛感しました。

それからは意識的に、自身がヨソモノになる機会をつくり続けています。

理由はいくつかありますが、なにか対象があるとき、違う視点、角度でみることを大事にしているからで、その土地の人でないからこそ感じられることを、感じるためには、慣れた場所から移動をするのがやはり確実です。

日々の循環から抜け出す時間に考えることは、

少しずついつもと違ってきて、その時間の長さに比例して、日常の気がついていることとの距離も離れていきます。



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Visit as supporter -裏側に参加する-


KYOTO GRAPHIEのことは、以前勤めていた職場のお客さんに勧められて知りました。

写真も京都も好きだったので、すぐに行ってみることにして、それから毎年訪れています。

1ヶ月の会期中、街に散らばった会場ごとに企画が組まれ、作品が展示されます。

その間、合計で400人以上が運営に関わるとのこと。

リンクは READYFOR のページですが、支援をきっかけにオフィシャルサイトを初めてしっかり見てみたところ

【 Join Us!】のタブで、サポーターとして参加という形があることに気がついて応募をしました。


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以前からそうなのですが、何かを体験するとき、受け取るだけではなく参加をすることに価値を感じます。

なにかのプロジェクトやイベントに参加する、というだけでなく、もっと広義の参加。土地や、街そのものに参加するというか、一時的な滞在者ではあるけれども、

できるだけ現地の人と近い視点でそこにいたい、と感じていて、そのために
" ただの旅行者 " から少しだけ脱け出す必要があると考えています。

観光をしてお金を落とす以外にも、いろんな楽しみかたをしたくて、それ自体が訪れる目的になるような旅が好きで、いろんな参加の仕方をしてきました。

インドで学校を建てるプロジェクトに参加をしたときは往復交通費のみ(1ヶ月の宿泊が無料)で毎日レンガやセメントを運んでいたし、

ポートランドに2週間、個人のお宅に滞在したときも、昼間は街の見たかったお店や建物を周り、夕方からは家の仕事を手伝っていました。
(HelpX というプラットフォームがあります。)

東京に来てからも、毎年計3週間ほどは(海)外に出るような生活をしていたので、パンデミック下であってもできるだけ自分に普段どおり、Unexpected な体験をさせてあげたいと考えていました。

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パンデミック2年目、2021年のKYOTO GRAPHIEのテーマは  "ECHO" 


2021年は新型コロナウィルス感染症が世界中を分断して2年目になるが、2011年に東日本を襲った大地震と大津波、そしてその影響で起きた福島原発事故からは10年目にあたる。

現在というものが過去に起きた一つ一つの歴史の上に成り立っているのだとしたら、私たちはこの10年間に起きた二つの未曾有の大惨事に少なからず影響を受け、多くのことを学び、自省も含め、人類としての進化を遂げなければならないのだろう。

人類にとってのこの二つの出来事は、見方を変えると地球からの悲鳴とも受け取れる。

干ばつ、洪水、大気汚染、海洋汚染、品種改良、遺伝子組み替え……これまで地球の叫びになかなか耳を傾けて来なかった過去の歴史が現在にECHO(呼応)する。

世界史も日本史も自分史もお互いに響き合って現在、そして未来に繋がっていく。
そう考えると、今を切り撮り過去を記録する「写真」という媒体は「ECHO」を生み出す装置とも言えるのではないか。

人類が引き起こした問題も含め、今日地球上は問題だらけだが、現実ではノアの方舟に乗って逃げ出すことはできない。
さあ、いよいよ人類がアップデートする時がきた。

KYOTO GRAPHIE オフィシャルサイトより


今回応募した《サポートスタッフ》は無償スタッフで、半日ごとにどこかの会場に配置され、展示の監視業務や常駐スタッフの補助などにあたります。

通るかどうかはさておき、どの会場に配属されたいか、希望が出せて、1日から参加することができます。

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We can't see unless we go  -SNS投稿NG-


参加日程を提出して、1日めは希望どおり二条城、2日めは建仁寺内の両足院という会場に配属が決まりました。


緊急事態宣言下で二条城は閉城中、KYOTO GRAPHIEの展示会場のみに入場できるという措置がとられていて、

そのためなのか?展示会場内もお城の敷地内も、写真の撮影自体はOKだけれど、SNS等への投稿はNG。

あ、この時代に、SNSに上がってこないものがあるんだ、とおもいました。

すこし考えれば当然のことだとわかるのに、ややもするとWEB上にすべてがあるような錯覚に陥る自分もいて、ヒヤリとすることがあります。

実際に行かないと見られないものがあること、
その価値と替えのきかなさを知っているからこそ、わざわざ出かけるのではなかったか。そういう、ハッとする感じ。

実体験があって、感じることがあって、そこで伝えたいことができる。

あくまでそれが先にあって、次の段階のためのツールがSNSなのだということを、思い出させてもらえてよかったです。

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会期が始まってすぐだったこの時点で、二条城で観覧ができたのは 東南隅櫓(とうなんすみやぐら)のリシャール・コラスの展示のみ。

フランス生まれのリシャールさんが、東日本大震災の1ヶ月後に現地で撮った写真。

三陸の海で遊んで育った自分にとっては、馴染みのある街や風景になんとも言えない気分になります。

震災当時は沖縄に住んでいて、その時点で地元を離れて長かったけれど、この年の3月が最も痛烈に「帰りたい」と感じたのを覚えています。

帰省したのは2ヶ月後の5月12日。
何が起きて、どうなったのか自分の目で確かめたくて帰ったのに、起きたことが大き過ぎて、わけのわからなさが増すばかりでした。

でも、このとき初めて、故郷ってなんだろうって掘り下げて考えることができたので、それはよかったのかもしれません。

今回、二条城での展示は、国内外の5組のジャンルの違うアーティスト達による、3.11に対するそれぞれのオマージュだそう。
他の4組も見てみたかったですね。

2日目は祇園の両足院へ。


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両足院では、

ヴェルサイユ宮殿内で守られてきた古代種の野菜を撮影してきたトマ・デレームさんと、

雲仙市で有機農業をしながら在来種・固定種の野菜の種を守る「種取り農家」の岩崎政利さんを撮影した八木夕菜さんの展示。

トマ・デレーム  《Légumineux 菜光-ヴェルサイユ宮殿庭園の古代種-》

八木夕菜  《種覚ゆ》

2日目はフリーでシフトを出していたので、両足院に配属されたのはたまたまなのですが、

料理の仕事をしているのもあって、どちらもとても興味深く見させてもらいました。

古来種、在来種、エアルーム(heirloom)についても、なんとなくイメージはあったけれど、改めて調べるきっかけになったし、扱うものの(この場合野菜ですが)変遷をイメージできるのは、日々の作業にとって大きいです。


食事にはできるだけ自然のものを用いたいと考える人の多さは、普段仕事をしていても感じるし、

いかに素材の味を立たせて、そのものを楽しんでもらえるか?というアプローチで食のイベントをしていることもあって、同時にその難しさも感じています。

人工的なものが悪いという話ではなく、日々のごはんづくりという大事な部分を代行する立場として、無自覚に不健康に加担するようなことは避けたいし、

複眼的に興味が持てると、自然と「もともとあったもの」から使いたいな、となるし、自分が深く関わることになったものを通して世界を見たり理解したいタイプなんだとおもいます。

八木さんの展示では、岩崎さんの畑の土をつかったインスタレーションも。

両足院では気軽に参加できる座禅体験もあるようです。今度行ってみよう。

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Walk town as a Barista -軸をもって歩く-


みなさんは、よく知らない街を歩くときに何を見ているでしょうか。

いちばん見ているのはGoogleMapですが、

私はフリーのバリスタとしても活動していて、コーヒーを始めてからは、主にコーヒー店(と飲食店)を見ています。

コーヒーを飲んで、お店に来ている人やスタッフを見たり、犬がいたら犬を見ている時間が長めです。(犬好き)

コーヒーを始めた頃働いていたのが、それほどたくさんの種類の豆を扱うお店ではなかったので、自分でいろいろ飲みに行って確かめるしかなくて、当初は勉強という名目があったはずですが、今は習慣になり、もっと言えば楽しみになりました。

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京都でも、来るたびに街を歩いてコーヒーを飲みます。

あたらしくできたお店、ずっとあるお店、変わったところ、変わらないところ、京都らしさや、そのお店らしさって何かとか、

データをとるのではなく、ぼんやり眺めて何かしら感じる。
ジャッジや比較から離れて、ただ見ること。

インプットとして「こういうのもあるんだ」というところでとどめる。
その感じたことのストックが、店舗を持たない活動に活きていて、

東京で主催している《バリスタとめぐる「コーヒーショップ分解」ツアー》もそのひとつです。

「分解ツアー」というちょっと変わったタイトルには、

ゲスト自身の疑問をスタートにして、それぞれが好きな方向に興味を深めるお手伝いをしたく、質問にいろんな角度から答えることで分解していく、という意味を込めています。

受け取るだけの情報では継続的な学びにつながりにくいと考えていて、体験からの興味を本人の動機に紐づけられるような試みとして始めました。

バリスタとして店舗で働いて身につけたことがベースではありますが、

それ以上にさまざまなお店に行って感じてきたこと、そのサンプルを採取した範囲 × 数によって、自分の意見に裏付けを持っていることが、この活動の最大のリソースなのかなとおもいます。

「自分はこう考えている、こうだとおもう」
と伝えるときに、相手が根拠を求めなかったとしても、

「それについてはここの所まで考えて、自分は一度は結論を出した」という実感を持っているから、自分が堂々と対応できる。

このツアーはゲストがそのときに感じた疑問、が唯一のテーマなので、予習のしようがないし、当日までどんな人が来るかもわかりません。

いろんなお店を知っているからこそ持つことができる意見というのはやっぱりあって、受け皿を広くしておくために必要なことだと感じています。

飲みものとしてのコーヒー以上に、場所としてのコーヒーショップが好きだからいいお店が残ってほしいし、お客さんには自分に合うお店やバリスタに出会って、コーヒーを自由に楽しんでほしい。

そんなふうに考えて活動しています。

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Meeting someone and friends -人に会う-

KYOTO GRAPHIEのサポートスタッフを1日半以上すると、有料の展示を含むすべての会場に入場できるパスポートがもらえます。

これが目当てで地元の主婦の方や学生の方も多く参加していて、

同じ会場にアサインされたサポートスタッフと話をしたり、興味があることを尋ねあったりするのは非常にエキサイティングでした。

大学生の方に卒論のテーマについて話してもらったり、毎年参加している地元の方に例年と比べての印象やオススメのラーメン屋さんを聞いたり、人に会うことを長く制限されていた間に、知らず知らずそういう体験が減っていたこともわかって、本当にたのしかったです。

2日めを終え、めでたくパスポートを獲得してから、いくつかの会場に足を運びました。

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作品からの強烈なメッセージに、おもわず目を逸らしたくなる感覚。

ンガディ・スマート 《多様な世界》


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ヨーロッパのロックダウン下、誰もが無数の意思決定を迫られたこと、個人も企業もそれは同じだったことを感じさせられるアニエス・ベーの展示。


会ったことも、これから会うこともないだろう人たちが何を考えているかなんて、知らなくても生きてはいけるけど、

人の哲学が滲んだ作品を見たり、人の話を聞くのが楽しいのは、それらが狭い自分を広げ、新しい視点をくれるから。



今回は、KYOTO GRAPHIEへの参加がメインの滞在でしたが、タイミングが合って京都や大阪の友人にも会うことができました。

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会いたいなっておもう相手に会えるのも、知らない人に新しく出逢えるのも、それをゴールとして旅ができることも素敵です。

行きたいときに、行きたい所に行けたことが懐かしく感じるくらい、あっというまに1年半が過ぎましたが、今回は京都を訪ねて考えたことを、写真とともに残しました。

読んでいただきありがとうございます。

どこかに行くのに理由なんていつも何でもよくて、

そこに行きたい、という気持ちに正直でいたいとおもっているのかもしれませんね。


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フリーのバリスタ、調理師、コーチとして活動しています。

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よろしくお願いいたします☺︎







































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