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#書評

書評:川上淳之著『「副業」の研究』 (経セミ2021年8・9月号より)

書評:川上淳之著『「副業」の研究』 (経セミ2021年8・9月号より)

川上淳之[著]
『「副業」の研究――多様性がもたらす影響と可能性』
慶應義塾大学出版会、2021年、四六判、324ページ、税別2700円

評者:黒田祥子(くろだ・さちこ)
早稲田大学教育・総合科学学術院教授

日本の副業の実態を
順を追って丁寧に解き明かす副業の推進は、安倍政権下でスタートした「働き方改革実行計画」の重点項目の一つに位置付けられてきたものの、これまでは「同一労働同一賃金」や「長時

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書評:渡辺努著『物価とは何か』 (先行公開! 経セミ2022年4・5月号より)

書評:渡辺努著『物価とは何か』 (先行公開! 経セミ2022年4・5月号より)

評者:青木浩介(あおき・こうすけ)
東京大学大学院経済学研究科教授

第一人者が語る、
謎に満ちた奥深い「物価の世界」 物価研究の最先端を牽引する渡辺努東京大学教授による非常によい一般書である。書名が疑問形であると同時に、各章名も疑問形である:

第1章「物価から何がわかるのか」

第2章「何が物価を動かすのか」

第3章「物価は制御できるのか」

第4章「なぜデフレから抜け出せないのか」

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書評:佐々木勝著『経済学者が語るスポーツの力』 (経セミ2022年4・5月号より)

書評:佐々木勝著『経済学者が語るスポーツの力』 (経セミ2022年4・5月号より)

評者:久米功一(くめ・こういち)
東洋大学経済学部教授

スポーツとは何か
~その面白さと可能性を語りたくなる書2021年、新型コロナウイルス感染症の拡大により延期されていた東京2020オリンピック・パラリンピックが無観客で開催された。その開催の是非を問われた私たちは、スポーツの役割や機能について否応なく考えさせられた。同年10月に刊行された本書は、その問いに対するさまざまな考え方を提示した、非常

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