もりたみどり

美術家。イベントオーガナイザー。大学教授でトランス女性の妻と、3人息子との5人家族。妻…

もりたみどり

美術家。イベントオーガナイザー。大学教授でトランス女性の妻と、3人息子との5人家族。妻と妻のパートナーの3人でアートコレクティブ「MOM」を結成。多様性とフェミニズムを掲げたクラブイベント「WAIFU」、セックスポジティブでオープンマインドなレイブ「SLICK」などを主催。

最近の記事

資本主義とどうやって付き合っていけばいい?

いつもモーレツ共感しながら聴いているIWAKANのポッドキャストですが、今回のテーマ「成長って必要?それとも信仰?」と言う回を聴き、「だよね〜!」と唸っています。 実は私と数人で主催しているテクノイベント「SLICK」を今回は資本主義の象徴(笑)の様なPARCOチームの協賛の下、渋谷パルコで行いました。昨年もレインボーウィークに同じくパルコで別のメンバーとで主催しているWAIFUを行いましたが前回WAIFUでやる時も資本主義との葛藤があり、それについてはこちらのnoteで書い

    • 年末に思う、来年の抱負 -「東京的消費」に巻き込まれない-

      以前、京都のアーティストに東京での出演依頼をした時に「東京的消費されることに巻き込まれたくない」と言われた事がある。最近その言葉がつくづく身にしみてる。 今年に入って主催したパーティーや遊びに行ったパーティーはどれも素晴らしくて、じっくり振り返りを写真と共に感想を書きたいと思いつつ、次のパーティ、次のイベント、と結局うやむやになってしまって、気付いたら「感動」を忘れてる。本当にもったいないと思う。そんな風に「忙しく」する事に最近ちょっと疑問を感じてる。 私は結婚前はフルタイム

      • 「なぜクソ資本主義の象徴の様なPARCOでやるのか」について

        私が現在主催しているDJパーティー「WAIFU」や「SLICK」ですが、「フェミニズム」「ジェンダー平等」「アンチレイシズム」「アンチ障がい者差別」「自然との共存」などと言う事を大きく掲げてイベントを行なっています。そして、それらと対極にあるのがグローバル資本主義の社会だと私は思っています。その資本主義の象徴の様なファッションモールのPARCOでイベントをすることについてWAIFUやSLICKをサポートしていただいている方から「何でパルコでやるの?」と質問を受けたので、今回そ

        • 「所有する」と言う事

          露軍による包囲作戦で砲撃が絶え間なく続くウクライナ南東部マリウポリ。 何かを「所有する」と言う考えこそが今の世界の問題なのではないかと最近つくづく感じている。家を所有する、土地を所有する、車を所有する、家具を所有する、服を所有する、、。などそれらの積み重ねで世界のほんのごく一部の国が、人が、世界中の「富」を所有していることが今の「戦争」も含め全ての世界の問題ではないか、と思っている。賃貸の家は元々「家を買えない人」の為のものかもしれないけれど、そもそも個人が「貸す家を所有して

        資本主義とどうやって付き合っていけばいい?

          FtMの方に「女性らしい」下着を勧めるのがなぜアウトなのか。

          数日前に私が度々「いいね」やシェアをするパレットトークのインスタアカウントでニッセンのFtM用下着のタイアップ広告がアップされました。そこまでは良かったのですが、そこにタグ付けしてあったニッセンのアカウントに飛ぶと、出てくるのは「女性っぽい」レースの下着が一面目に入るアカウントでした。私がその事を指摘したら「何が問題なのかわからない」とおっしゃる方がいたので、こちらに書くことにしました。  先ず、今回のこの題名を見ただけで当たり前と言うか、「トランス男性に女性下着勧めるのは侮

          FtMの方に「女性らしい」下着を勧めるのがなぜアウトなのか。

          トランス女性に対しての呼び方

           実は先日「夫が女性になりました ~家族のカタチを求めて~」Vol.45と言うNHKの記事を読み記者がトランス女性である「マコさん」に対し「夫」と書き続けている事の無知から来る配慮のなさに愕然としました。 私は怒りの余り、NHKでディレクターをしている姉にすぐさま「ちょっと、これトランス女性に対して完全アウトなんだけど!どこに文句言えばいいの?!」と電話をしたところ、姉自身も「はて?ええ記事やん。何が問題?」と全く気にならない様子。私もLGBTQに関して全く無知だった時はきっ

          トランス女性に対しての呼び方

          「自己犠牲の美学」「奴隷根性」を捨てる事が女性のエンパワーメント

          先日私がとても良いと思っているフェミニストの方のインスタライブを観ていた時に、彼女が「残業したくない、どうしたら残業しなくても済むようになるんですかね?」と言っていたので「断ったら良いんじゃないんですか?断ったらどうなるんですか?」と私は書き込みました。それに対し彼女は「断ったら干されますよ。。。きっと。。。」と発言していました。私は「え?干された人見たことあるんですか?ってか、それで干されたら完全パワハラでアウトじゃん。それ訴えられる案件ですよ」って思ったんだけれど、普段か

          「自己犠牲の美学」「奴隷根性」を捨てる事が女性のエンパワーメント

          陳述書:すべての「愛」に「婚姻」の自由を!!!!

          去る9月15日に1回目の裁判が無事終わりました。 その時に読み上げた陳述書を今更ながらアップいたします。 今までの「同性愛」ではお互いが如何に純恋愛をしているかをアピールしていて、世間も「結婚」=「恋愛」と言う目で見ていたと思いますが、私達は如何に「家族愛があるか」をアピっています。 そしてこれは同性愛者だけの問題ではなく、世間一般の異性愛者に対してこそ強くアピールしたいと思っています。 「恋愛だけが『愛』じゃない!」 「友情も家族愛も結婚に値する『愛』がある!」って言う事を

          陳述書:すべての「愛」に「婚姻」の自由を!!!!

          「結婚」に憧れるのはわかるけど。。。

          先日2000年生まれの2000人で作る「ヤングマンベイグ」と言う雑誌のなかの「ぼくらにとっての結婚」と言う特集でコラムを書かせていただきました。常日頃「結婚神話」に洗脳されている若者に対して「目を覚まして!」と言う気持ちを持っていたので、若者に向けて書けるのはとても良い機会でした。 「結婚」を「愛し合う恋人たちのゴール」的に考えている若者が多いけど、この制度に騙されないで!と本当に言いたい。 「結婚式」がしたいならウェディングドレス着てパーティーすればいい!  大好きな人を世

          「結婚」に憧れるのはわかるけど。。。

          ヘテロセクシャルにこそ同性婚が必要です。

          去る9月15日に第1回目の裁判が無事終わりました。第1回目は私達一人づつ「陳述書」を読み上げました。(←自画自賛ですがよく書けてるんで読んでくださいw) 今までの同性婚裁判ではお互いがどれほど純恋愛をして愛し合っているかをアピールしている事が多いですが、私たちは「家族愛」がどれほど強いかをアピールしています。 なぜなら「同性婚」は「恋愛」だけにとどまらない「愛」の問題で、世間一般の異性愛者にこそ必要な制度だと強く思っているからです。 10月号のSPURでもそれについての記事

          ヘテロセクシャルにこそ同性婚が必要です。

          セックスワークも主婦業も一般的な職業にすべし。

          この記事読んで最近つくづく「お金をもらって性を提供する」という事は「無償で性を提供する」と言う家父長性の形態を脅かすものであるがために「極悪」と言う位置づけにされているのだと感じる。セックスワークもオフィスワークと同じ位置づけにすべきだと強く思う。著者が「セックスワークに対する監視を、そのまま他の職種にも適用したら、おのずとすばらしい社会になるだろう。」と言っているが本当そうだと思う。セックスワークはただの仕事。どんな仕事でも「いやいややらされている事」「選択枠がなくその仕事

          セックスワークも主婦業も一般的な職業にすべし。

          「家族」は「家族」です。

          「私の相方はトランス女性ですが私達には子供がいます」と言うと、ゲイやレズビアンの方からでさえも「それは誰の子供ですか?」と聞かれる事がある。トランスだと「子供が出来ない」と思っているその想像力の無さに愕然とする。そして二言目に言われるのが「お子さんは混乱していませんか?」と。すみませんけど、混乱しているのは子供達ではなくあなたでしょう?あなたのその想像力のなさで混乱してるだけでしょう、と毎回心の中で思う。若ければ若い程柔軟で、混乱しないって事みんないい加減気づいてほしい。 子

          「家族」は「家族」です。

          「知る」ことの大切さ

          私の父はJazzオタクで、家族旅行といえばどこかの町でやっているジャズフェスティバルに行く事だった。私としては幼児にしてJazzに興味があるはずも無く傍迷惑なだけで錚々たるメンバーのフェスの内容は何一つ覚えていない(生マイルスも見たはずだが記憶にないw)が、一つ鮮明に覚えている記憶がある。 多分まだ小学生の低学年かあるいは幼稚園だったかもしれない。なんと、私が生まれて初めて握手した黒人はロンカーターなのだ! 演奏を終え、舞台から降りてきた彼に、母が無理やり「あんた子供やから

          「知る」ことの大切さ

          差別のこと

          ここ数日SNSではずっと #blacklivesmatter の投稿ばかり目にする。私たちがやっているイベントでも声明文を出した。 私のパートナーはアメリカ人のトランスジェンダーだから私はいつも英語堪能でマイノリティー問題のスペシャリストの様に人から見られるのだが、正直、英語は幼い頃からずっと苦手だし、マイノリティーに関しても完全に無知で、私にとっては毎回毎回新しい情報ばかり。そんな私が英語で報じられるここ最近のニュースを見ても他の日本人と同様正直ピンとこなかった。実際、ア

          差別のこと

          いのちについて

          インスタレーションの作家さんから「いのち」についての囁きを書いて欲しいと言われたので、書きます。 「


いのち」って螺旋階段みたいにグルグルしていて、少しづつ新しい「いのち」へと繋がっていくんだと思う。 全ての「いのち」はそんな「自然」と言う螺旋階段の中のほんの数段として生きて死ぬだけ。
そして私たちが生きる使命は次に繋がる「いのち」がより幸せな一生を送れる様に務めること。 100年後より200年後、200年後より300年後の「いのち」がどんどん幸せに生きられる様に。 「

          いのちについて

          フェミニズムについて

          先日ここで、「フェミニズム 」について「自分たちが正しい、男どもは劣っている。劣等種の男どもが偉そうに説教したり説明したりすることには我慢ならない!男は女性の下僕として黙って女性のいうことに従っていればいいんだ、劣等種の男が女性に説明するなんて一億年早い。女性こそが男を支配する権利がある。」との考えを主張する女性が「フェミニスト」だと勘違いしていた男性に出会ったので、その時のチャットを交えてフェミニズムについて書きます。 フェミニズムとは、「性別に影響されず万人が平等な権利

          フェミニズムについて