陳述書:すべての「愛」に「婚姻」の自由を!!!!

去る9月15日に1回目の裁判が無事終わりました。
その時に読み上げた陳述書を今更ながらアップいたします。
今までの「同性愛」ではお互いが如何に純恋愛をしているかをアピールしていて、世間も「結婚」=「恋愛」と言う目で見ていたと思いますが、私達は如何に「家族愛があるか」をアピっています。
そしてこれは同性愛者だけの問題ではなく、世間一般の異性愛者に対してこそ強くアピールしたいと思っています。
「恋愛だけが『愛』じゃない!」
「友情も家族愛も結婚に値する『愛』がある!」って言う事を声を大にして言いたい。

以下妻のエリンと私が別々に読み上げたそれぞれの内容です。


原 告 マクレディ・エリン・セラフィン
 私は40年以上自分の本質を隠して「男」として暮らしていました。その間、結婚して子供3人の親になって色々と幸せなことがあったのですが、やはり自分の性別を隠しているのは仮面を被った人生でした。今になってようやく自分の本当の顔を家族にも世間にも見せられ、私本人がオープンで気持ちが楽になった上に、家族にも周りの人にも素直に接することができ妻と子供との関係が良くなっていると感じます。日本政府がそれを認めないと言うのは本当に理解できません。
 私たちはパートナーです。私たちは家族です。この事実を日本政府が無視しても良いと思っている理由は何か知りたいです。私たちが結婚しているようには見えないのですか?また、私の性別を「認めない」という権利がなぜあるのでしょうか?私は女性です。パスポートには女性であることを示す「F」と書いてあります。女性として暮らしています。それは日本政府が何を言っても変わりません。それでも私が女性じゃないと言いたいのでしょうか?
 私は大学教授で言語学と哲学の研究者です。学問の世界でも、世間一般ででも、全場面に適応できる「女性」と言う定義はどこにも存在しません。法律上で言うと、私の母国では私の性別を認めています。日本政府はそれを無視しようとしています。と言うことは、外国人全員のパスポートに書いてある性別を無視する気ですか?日本政府は私のパスポートに書いてある名前や生年月日は信じているのでしょうか?国際的に認められているパスポート情報を一体どこまで無視する気なのでしょうか?それともたまたま結婚していると言う理由で私の性別だけを無視する気なのでしょうか?であれば、明らかに不公平で、アンフェアな、おかしなことです。
 この問題に対して日本政府のスタンスは根から間違っています。私たちは既に結婚しています。私は既に女性になっています。もし日本の法律でこの二つが両立できない状態になっているのなら、それは日本の法律を変えるべきときに来ていることを示していると言う他ありません。私たちのこのケースから日本の法律上の「家族」「結婚」「性別」を考え直す必要がある時が来ているのがうかがえます。また、私は外国籍だから結婚したまま性別移行はできましたが、それができない日本人同士のカップルもたくさんいます。私たちだけではなく現在の法律で苦しんでいる人たちのために正しい判断をください。
以上


原 告 マクレディ 緑
 今この場にいらっしゃる、異性と結婚している既婚者の皆様にお伺いしたいですが、結婚する時にパートナーをお選びになった理由が「パートナーとの性的な関係を一生続けたかったからです」という方がどれだけいらっしゃるのでしょうか?
中にはそう言う方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの方が「人として愛したから、この方と一生共にすると楽しいんじゃないか、と思ったからだ」とおっしゃるんじゃないかと思います。
私どももまさにそうです。人として愛し合い結婚致しました。実は私にとって妻が女性となった今、性的な関係を持つ事は難しくなりました。しかし互いに人として愛し合い恋愛以上の深い家族愛を抱いています。
想像して頂きたいのですが、もしご自分がパートナーの方と長年人生を共にし、お子さんもパートナーも深く愛してはいるのになんらかの理由で互いの性生活を続けられないとしたします。「はい、あなた方は性的関係を持って子を作ることができなくなった夫婦ですから、もう結婚は続けてはいけません」と国から言い渡されたらどうですか?「ハイそうですか」と納得して離婚できすか?
今この国が私たちにしようとしてる事はそう言う事です。私たちは女性と女性の夫婦の親とその子供がいるごく普通の家族として住民票の登録をしてほしかっただけです。それなのに、「性別を女性に変更するなら続柄を妻ではなく縁故者に変更してほしい。」と言われました。それは私たちにとっては「あなた方の結婚は認めない。離婚しなさい。」といわれているのに等しいのです。権力で持ってこんな暴力的な事を実行させる事が正しい事なのかどうか正しい判断をして頂きたいです。
以前お子さんのおられるトランスジェンダーの方の性別変更が「我が国の家族秩序とは異なる家族観を生じさせる。」と言う理由で却下されました。私達がまた同じ理由で却下されるとしたら「家族秩序とはなんですか?」とお伺いしたい。わたしたちが家族として愛し合っている事に「秩序がない」とすればどんな家族に秩序があるのでしょうか?今の結婚制度に合わせる事ができず離婚する事が「秩序」なのでしょうか?そもそも生殖という「生産性」だけで結婚することの方が私には秩序がない様に感じます。性別に関係なく人として愛し合う事の何がおかしいのでしょう?
妻は女性です。その事実をこの国に申告する事により私との結婚生活を国は取り上げよう用としています。あるいは結婚を維持するために女性である事実に「嘘を言いなさい」と命令されています。そんな権力を行使されたところで、妻が女性である事実は変わりなく、私たちが家族として愛し合い共に生活している事実も変わりません。誰が力で持ってこんな非人道的な事を強制する事ができるのでしょうか?
裁判所には人権に配慮した人として正しい判断をしていただきたいと思います。    以上

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