読書感想文は「読み方」も大事。ふせんを用意して「国語のクライマックス」を探そう
まだ6月ですから、まだ準備している方は少ないだろうと思います。
夏休みの宿題、読書感想文。
毎年、わたしが主宰している、せたがや作文教室でご指導してきましたが、今夏は諸事情で、ご指導が難しい。だから、noteで、「日本一やさしい読書感想文の書きかたプロジェクト」を立ち上げたのです。
そこで、質問です。
「国語のクライマックス」って知っていますか?
正確に言うと、「物語文のクライマックス」です。知らなくても恥ずかしくありません。学校ではよっぽど優秀な教師しか知りません。
これは、ある現役教師の方に、「物語文の読解」として学んだことなのですが、読書感想文でも、ここは押さえておきたいところです。
映画やDVDでよく聞く、
「ラストに衝撃のクライマックス!」
よくありますよね。映画の宣伝とかで。
しかし、「国語のクライマックス」は、映画などで使われている「クライマックス」とは、ちょっと違います。
それには、物語文の構成をまず、理解しましょう。
たとえば、「ウサギとカメ」。
お話は皆さん、ご存じですね。
のろまなカメと足の速いウサギが、お山の上までかけくらべ。
当然、ウサギが勝つでしょう! と思ったら、
途中で、
「これ、余裕すぎじゃね?」
と、グウグウ昼寝をしてしまうんですね。
はっと目覚めたときには、お山の上で、おお喜びするカメの姿が……。
主人公がウサギだとします。
「国語のクライマックス」とは、主人公の気持ちが、ガラッと変わったところです。
そう、目が冷めて、「まずい!」と思って山を見たら、カメが大喜び。
ここです。
ここが、「国語のクライマックス」です。
・余裕じゃね? と思っていた足の速いうさぎ。これが最初の気持ち。
・なにか事件が起こる。ウサギが昼寝。そして寝坊。負け。
ウサギの気持ちがガラッと変わる。
・その後の気持ち。お話では書かれていません。
わたしが大好きな「まけうさぎ」(新日本出版社)は、ウサギとカメのその後のお話なのですが、少しだけ。負けたうさぎ、まけうさぎを、速足自慢の他のうさぎたちは……どう思うと思いますか?
話を戻しましょう。
物語には、必ず主人公がいて、何か事件が起きて、最初の気持ちから、事件の後の最後の気持ちはガラッと違います。
それが、物語文だからです。
ウサギとカメのように短いお話では、最後の気持ちは書かれていませんが、読書をするなら、必ず描かれているはず。
「描かれているはず」というのは、はっきりと書かれていないことが多いので、難しいところ。悲しかった、嬉しかった、とは、あまり書かれてないですよね。
「国語のクライマックス」は、作者が伝えたいところでもあります。
ぜひどの部分が見つけて、そこは外さずに、読書感想文に書きましょう!
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