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文フリに持っていく予定のもの「本がいっぱい!」

文学フリマに向けて、せっせと紙芝居とミニブックを作りつづけているのですが、なかなかけっこう骨の折れる作業でして。
同じことをやり続けると辛いので、あちこち寄り道しながらやっているのですが、ついこの間、集中力が途切れた隙に、うっかり冊子を作ってしまいました。

しかも、2冊も。

途切れすぎやろ〜〜!!!と突っ込み所満載ですが、まぁどちらも文章はおおかたできていたので。
ちゃっちゃと表紙を描いて、入稿しちゃいました。
ええ、入稿までしちゃいました!
どんだけ遠くまで寄り道してるんでしょうねまったくこれが学校の帰り道だったら日が暮れても帰らずにおうちの人が捜索に乗り出すレベルですよほんとに。

一つは、昔図書館便りに書いたものがきっかけです。
物語の断片を思いつきで書いたのですが、小学3年生くらいの女の子が、「ああいうの、わたし、好き!」って、目をキラキラさせて言いに来てくれましてね。
とてもうれしくて、続きを書くからね、待っててね、って言ったのですが、あの子は、もうとっくに中学生になってしまいましたよね・・・(遠い目)

一度noteにアップしたことがあるのですが、ちょっと作り直したかったので引き上げていました。

「本がいっぱい!」

 ミカコの学校は、山の中にあります。
 とてもちいさい学校なので、いつも、あたらしい本はすこししか買えません。
 でも、今年はちがいます。
 近くにひっこしてきた大きな会社の社長さんが、学校に本をプレゼントしてくれたのです。
「みなさん、今日からあたらしい本のかしだしをはじめます。
お昼休みは、図書室にきてください」
 司書のゆき先生は、おおはりきりです。
 ミカコは、わくわくして図書室へ行きました。
 図書室は、本だらけになっていました。
 つくえの上にも、いすの上にも、ゆかの上にも本があります。
「すごーい!」
 まるで、町の本屋さんみたいです。
「わあ!きょうりゅうの本もある」
 本がすきな1年生のせあらちゃんは、にこにこしています。
「あのぅ、ハートのはつこいダイアリーも・・・ある?」
 きいたのは、3年生のあいちゃん。
 ちょっとはずかしそうにしています。
「ありますよ。社長さんは、小学生がこんなの読むの?ってびっくりしてたけど、
わたしがリクエストしちゃった」
「わあ!ゆき先生、ありがとう!」
 みんな、わいわい、すきな本をさがしています。
 でも、たのしそうじゃない子もいます。
「おれ、いいや、読むのキライだし」
 やすしくんがいいました。
 やすしくんはミカコとおなじ4年生で、読書のグラフがいつもひくいのです。
 その時です。
 一冊の本が、ふわ〜っとうかんで、
にょきっと手をだし、足をだし、ふたりのまえに立ちました。
「おい、今、キライっていったの、だれだ?」
「えっ・・・」
 ミカコはびっくりして、やすしくんをふり返ってしまいました。
「そうか、おまえか」
 本はそういうと、ぱかっとひらいて、なんと、
あっというまにやすしくんを飲みこんでしまいました!

「本がいっぱい!」

小部数しか作りませんでしたので、もしお考えの方はお早めに。

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